トライバリューら3社、量子計算で配送ルートの最適化へ

輸送事業を担うTriValue(トライバリュー)ら3社は6月13日、量子コンピューティングと数理最適化の技術を活用した配送ルート作成サービス「OptyLiner(オプティライナー)」を共同開発したことを明らかにした。

より具体的には、TriValue(トライバリュー/本社:埼玉県さいたま市、代表取締役:髙田 輝成)を筆頭に、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC/本社:東京都港区、代表取締役社長:新宮 達史)、エー・スター・クォンタム(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:船橋 弘路)の3社が、新たなソリューションを活用した配送実証を実施。

この結果、荷主の特性や地域情報を熟知した熟練職員が手作業で3時間か掛かっていた配送計画の作成時間を約95%削減。熟練職員と同等以上の配送計画作成を10分以内で完了できることを確認したという。

これが確かであれば、物流業界の課題だった配送計画の作成の効率化やCO2削減などに大きく貢献する。

先の3社によると、家具、建材、家電など配送先での作業が発生する製品を扱う企業を中心に展開し、作業者のスケジュールまで含めた高度な配送計画の策定を支援するとしている。

今日、物流業界ではドライバー不足や働き方改革による労働時間の制限、CO2排出量の削減などの課題 に直面し、効率的な配送計画の策定が重要となっている。

精度の高い配車やルートの計画は、熟練職員がドライバーの負担や特性に配慮しながら試行錯誤し、作成には長時間を要する。

先の3社による配送ルート作成サービス「OptyLiner」は、車両の積載量や台数、ドライバーの労働時間など、複数の条件を考慮し、移動距離、 稼働台数、CO2排出量などを最小化する最適な配送ルートを高速で提示し、直観的な操作による変更にも対応するサービスだとしている。

従来のシステムでは、1回の計算に数分から20分以上を要していたルート計算を、実証実験においてOptyLinerは5秒で完了。計算速度の大幅な向上により、条件の微調整や繰り返しのシミュレーションが容易となり、受注の締め切りを早める必要がなく、空車の抑制にも繋がる。

また配送計画の担当者の声を初期から取り入れたことで、直観的に操作できるユーザーインターフェースが実現し、先端技術を利用しやすいものとしていると結んでいる。

<実証実験の概要>
日時:2025年4月2~5日
場所:TriValue社 さいたまセンター
対象業務:実配送業務における配送計画の策定
実施データ:宅配件数92件
車両台数:10台

<成果>
配送車両の台数:10台から9台に削減(1台分の効率化)
配送計画の作成時間:熟練担当者が手組で3時間かかっていた作業を10分に短縮
今後3社は、共同配送を行う際の管理機能や、蓄積した配送データを分析した需要予測などのサービスを拡充して、物流業界の変革を支援していく。

<OptyLiner の画面>

<共同開発の体制>

*記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標。
*掲載されている情報は、発表日現在の情報。最新の情報と異なる場合がある。

最後に先の3社の筆頭に挙げたTriValueは、TAKADAと伊藤忠テクノソリューションズの合弁会社として2020年6月に設立された。

そもそもはインテリア系大型商品の配送事業者として、家具のメーカーや小売業のお客様に宅内設置を伴う宅配サービスを軸に配送や倉庫を含めた総合的な物流サービスを提供してきた。

今後も物流、IT両面の機能を強化し、顧客、消費者、配送事業者の利便性向上によって三方よしの家具配送サービスの提供を実現していくと述べている。

会社名:TriValue株式会社
所在地:埼玉県さいたま市見沼区東大宮5-30-12
代表取締役:髙田輝成
URL:https://trivalue.co.jp/