株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二、以下 デンソー)と、熊本県立天草拓心高等学校(校長:松坂 秀男、以下 天草拓心高校)および天草市(市長:中村 五木)は、天草の地域資源を活用した人材育成を含む地域の課題解決等に関する協定を締結する。
この協定は、デンソーが取り組む微細藻類の研究と、天草拓心高校の有する専門性に富んだ教員および産業教育を行う上での充実した施設を活用し、生徒に地域の課題を解決できる意識の高揚を図りながら、天草の将来を担うべく地域産業の活性化に取り組む人材の育成を行うことを目的として、三者で協力するもの。
具体的には、天草拓心高校の全ての学科に於いて、微細藻類を題材にしたカリキュラムを導入予定だ。
例えば海洋科学科では、専門教員とデンソーの研究者が協同で指導を行い、微細藻類を活用したアワビの育成に取り組む。
このような藻の活用の可能性を幅広く探る活動を通じ、行政の支援・協力を得て、同校は地域産業の復興につながる人材育成および天草の活気あるまちづくりに貢献していくとしている。
ちなみに天草拓心高校は、苓洋高校・苓明高校・河浦高校が再編統合し、平成27年に新設された。
2校舎制の総合学科で、本渡校舎に4つの専門学科(商業科、生物生産科、食品科学科、生活科学科)と1つの普通科を、マリン校舎に1つの専門学科(海洋科学科)(海洋航海コース、栽培・食品コース)と1つの普通科総合コースを有している。
島内では唯一の農業科、商業科をもつ高校であり、地域産業の発展に寄与。天草の豊かな資源が持つ価値を地域産業の活性化のために最大限に発揮し、持続可能な社会を作ることのできる主体性・協働性をもつ人材の育成に努めている。
なおデンソーでは、2008年4月より、シュードコリシスチス(成長が早く丈夫で培養しやすいのが特徴で、デンソーが特許を持つ)という藻からバイオ燃料を生産する研究に取り組んできた。天草市に於いては、藻を使ったバイオ燃料の実用化に向けた大規模実証施設を建設、2016年7月から稼働している。