フェラーリ(Ferrari S.p.A、本社:伊・モデナ県マラネッロ、CEO:セルジオ・マルキオンネ)は12月13日、国立新美術館で開催されたフェラーリ日本進出 50 周年記念式典に於いて、新しい極少数限定シリーズのビスポーク・モデル、J50 を発表した。
このフェラーリ・イン・ジャパン50周年記念特別限定モデル「Ferrari J50」は、1970年代から80年代に人気を博したフェラーリ製ロードカーを想起させるタルガボディ・スタイルの復活を強調。
2 シーター、ミッド・リアエンジン・ロードスターとして仕立て上げられた。同車はフェラーリのスペシャル・プロジェクト部門によって開発され、マラネッロのフェラーリ・スタイリングセンター・チームによって設計された。
そんなJ50 はフェラーリ伝統の精神、「フォーリ・セリエ」が今に蘇る、わずか 10 台の限定モデルで、1 台 1 台顧客の事細かなリクエストに合わせてテーラー・メイドで仕上げられる。
車両自体は、488Spider をべースに設計されたもので、今年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで総合優勝に輝いた3.9リットルV8エンジンの出力690cv特別バージョンを搭載した。
完全新設計のボディワークは、革新的なスタイリングを最大限に追求する拘りを持った顧客の嗜好に合った、極めて個性的かつ未来的なデザイン手法を取り入れたデザインとなった。
こうしたフェラーリの本質である俊敏性と、軽快さを融合させるというデザインアプローチを牽引したのは、極めて低いフォルムのロードスターを創造したいという情熱にあったと云う。
フェラ ーリはこれを2本のキャラクターラインが収束するアクセント・デザインによって実現させた。
ウインドスクリーン上端から後方に向かって下降するサイドウィンドウのカットラインと、低く抑えられたノーズから大胆に立ち上がり、ドア後方のエアインテークへと溶け込む黒いスウェッジライン。この 2 本のラインの相互作用によって、ボディ側面のダイナミズムが強調されている。
「ヘルメットバイザー」効果を生むウインドウ・グラフィックは、1950 年代まで遡るフェラーリのオープンコンペティション・バルケッタを思い起こさせる。
また、ブラックの分割ラインは、GTO、F40、F50 でも採用されている、おなじみのフェラーリ・スタイリング手法を新解釈したもの。
フロントでは、膝下の高さで上下に分けるこの一本の線は、べルトライン位置を通常よりもはるかに低く設定したような印象を与え、これが J50 をバルケッタへと昇華させるキーポイントとなっている。
またボンネット・セクションは、中央部をより低くし、ホイールアーチの盛り上がりを強調することでフェラーリ・ミッドシップ・スポーツカーならではの力感を際立たせる。
フロントボンネットの 2 つのカーボンファイバー・エアチャンネルにより、フロントの印象はコンパクトかつシャープになり、ダイナミックなプロファイルのフル LED のヘッドライトがビルトインされる。
J50 は、いくつかの重要な機能的ソリューションによって、エアロダイナミクスを徹底的に追求した。
まず、2 基のラジエターは接近して搭載され、フロントバンパーのデザインも見直されている。ウインドスクリーン上部のフレームは低くなり、エアロフォイル、さらにはリアスポイラーへの気流の増加に貢献している。
洗練されたテール・セクションは、グラフィックデザインテーマと 3D 要素の巧妙な調和によってデザインされた。
エンジンカバーは透明ポリカーボネート製で、ドライバーとパッセンジャーの頭部を保護する 2 つのセパレートタイプのロールフープへと視覚的に延長させるために左右が隆起した複雑なフォルムとした。
その上のロールフープをつなぐブリッジとして装備したエアロフォイルは、1960 年代のフェラーリのスポーツプロトタイプ・モデルの最も特徴的な機能とフォルムを再現している。
一方、リアはアグレッシブに仕上げられた。高ダウンフォースウイング・プロファイル下のクワッド(4 灯式)テールライトデザインが、ボディのワイド感を強調。
リア・ディフューザーは、ジェットエンジンのアフターバーナーからヒントを得たエクストラクターシェイプを採用し、車輌のパワフルなイメージを増幅する。ユニークなデザインの 20 インチ鍛造アルミホイールは、この限定モデル専用に設計された。
キャビンではリアのエンジンフードのアウトライン・デザインを採用した特別なトリムのスポーツシートが、特別仕立てであることを強調する。また、カーボンファイバー製の硬質タルガトップは、シート後方に収納可能な二分割式である。
発表同日に東京でのお披露目となったJ50 は、スペシャル仕様の 3 レイヤー・レッド塗装のボディ、インテリアは、ブラックをべースにレッドを配したファインレザーおよびアルカンターラ仕上げとなっていた。
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