英グローバルビークル・トラスト(GVT)社は9月6日、発展途上国に於ける経済活動を前提とし、マクラーレンF1などの自動車開発で知られるゴードン・マレー氏設計による現地組立型の軽トラック車両「OX」を公表した。
https://www.youtube.com/watch?v=x9_Zb-veBd0
現在、アフリカ等を筆頭とする発展途上国では、食料や水の流通など日々の生活物資の輸送だけでに留まらず、医薬品の緊急輸送要請や、初等学校建設のための資材運搬など様々な場面で、「物流」は命に関わる課題として重要度が高い。
そもそも今日、世界の人口の10%がアフリカに住んでいるにも関わらず、当地での利活用を前提とした車両は存在していなかった。
実際、彼の地で利用されてきた車両は、現地で運用するには重過ぎ、かつ複雑な構造を持つため、メンテナンス作業ひとつ取っても、その技術的要求度が高く、同地域の状況に適していなかったのである。
そうしたなか、自動車エンジニアのゴードン・マレー氏は、先進国で慣例となっている車両設計の枠に捕らわれず、「フラットパックキット」仕立てとして、現地で簡単に組み立て可能な全地形・全天候型の軽トラックを開発・発表した。
なおその車両は、以下6つの条件を満たすことを目指して開発された。
(1)貧弱なインフラ環境持つ発展途上国でも、特に農村部のモビリティ環境に適合する車両であること。
(2)当地の人々のため、廉価な商品・サービスであっても事業化を可能とする軽量・堅牢な車両であること。
(3)整備されていない山間部や未舗装路に於いても走破可能な車両であること。
(4)メンテナンス領域に於ける、簡素な整備性を持ち、低コストで運用可能な車両であること。
(5)現地に於いて簡単な手順通りに車両の組立が可能な車両であること。
(6)現地に於ける組み立ててが可能な出荷形態を持つ車両であること。
車両自体は、長さ4229mm・幅2070mmのサイズ。搭載されるパワーユニットは、5速マニュアルギアボックスに連結されたフォード製2.2リットルのディーゼルエンジン。
これにより時速60マイルで巡航可能。最高速度は約75マイルと謳われている。
車輪の駆動はシンプルな2輪駆動であるものの、独立懸架式のサスペンションと、前後の短いオーバーハングにより悪路走破性は極めて高いと云う。
車体は、軽量構造のスチールシャーシを持ち、3つの平らなガラスパネルは、破損の場合の交換も容易だ。
加えてリア荷台部に設置されたベンチシートのベース骨格は、車両から簡単に取り外すことが可能。これは、軟弱な路面でスタックした際、脱出のための車輪の下に敷くハシゴとして使用することができる。
quotation:BBC
歴代のスーパースポーツカーを世に送り出したゴードン・マレー氏自身をして、「これまで手掛けた車両の中でも、1番の代表作」と云うOXは、道無き道を辿って13人の乗員、8本の200リットル容量のドラム缶、または2トンの重量物を運ぶこと可能でありながら、3人の作業者による組み立てでわずか12時間で組み立てることが出来ると云う。リリースコストは、現段階で£10,000〜£15,000の幅で検討されていると云う。
グローバルビークル・トラスト(GVT)社
http://oxgvt.com/