VW、ラリー・メキシコで1-2FINISH、WRCタイ記録の12連勝


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2016年世界ラリー選手権(WRC)第3戦「ラリー・メキシコ」は、前戦ラリー・スウェーデンから、およそ2週間のインターバルを経た3月3日~6日の3日間、メキシコシティの北西400kmに位置する同国第 5 の都市「レオン」を中心に開催された。

ラウンドは、フォルクスワーゲン・モータースポーツのヤリ-マティ ラトバラ選手が金曜日に同ラリーの首位に立ち、そのままフィニッシュまで駆け抜けた。

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一方、VWチームのエース、セバスチャン オジェ選手は、本人キャリアの節目となるWRC100戦目に臨むラウンドとなっていたがタイトル争いの方を優先。

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確実に走り切って2位でゴールした。アンドレアス ミケルセン選手は、フォルクスワーゲン1-2-3 体制を目指して果敢にアタックしたもののクラッシュで終えている。

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今戦以降、ラリー・フィンランドまでは連続してグラベルの戦いに

今季のWRCラウンドは、初戦のモンテ、2戦目のスウェーデンと、開幕2連戦が特殊な路面環境下でのレースとなったが、今回以降、7月下旬の第8戦「ラリー・フィンランド」までの6戦は、連続してグラベル(非舗装路)環境下の戦いとなる。

なお「ラリー・メキシコ」に於いては、総走行距離1077.08kmに対し、総ステージ走行距離が399.71kmとなってステージ比率が37%を占める。

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特に最終のデイ4には、今季最長80kmのロングステージが行われるため迎えた3戦目は、これまで以上に過酷な戦いとなった。

そもそも「ラリー・メキシコ」は、気温が摂氏30度近くまで上がる暑さだけでなく、最高到達点が海抜2,746メートルに達し、さらに最長スペシャルステージ(SS:競技区間)は 80km に及ぶなど、過酷な条件が重なる。

特に高度の高いコース設定が、マシンコンディションへ与える影響は深刻で、エンジンの最大出力が最大20パーセントも低下する。

連勝記録が掛かる今ラウンドで着実さを優先したVW勢

ちなみに今シリーズの流れを、現段階の3戦目を迎えたばかりの時点に於いて、見通すのは困難ではあるが、VWの連勝は昨シーズンを跨がり依然続いている。

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一方でライバル勢の一角を占めるフォードは、オストベルグ選手が比較的安定しているものの、第2ドライバーのカミリ選手が苦戦しており、昨シーズンからの苦労が尾を引いている。

昨シーズン気を吐いたシトロエン勢は今年、セミワークス体制でのチャレンジを重ねており、時折オジェ選手に並ぶ程の速さを見せるミーク選手の走りは、今後の成長に期待を抱かせるものの、今ひとつ安定感に欠き、マニファクチャラーポイントの獲得と言う面では不安要因を覗かせている。また同チームは、ラリー・メキシコへのエントリー自体を見送っている。

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ヒュンダイはドライバーが安定せず、トップチームのドライバーチェンジが続いている。

そうした中、フォルクスワーゲン ポロR WRCは、このラリー・メキシコに至るまで、2015年「ラリー・ポルトガル」から前戦「ラリー・スウェーデン」まで通算11連勝を重ねた。

「ラリー・メキシコ」には、VWが自らが保持するWRC 最長連勝記録の12(2013 年オーストラリア~14 年フィンランド)に並ぶ連勝記録が掛かっている。

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VWチームは、危なげない走りで連勝記録を積み上げる

3月3日・夕方のセレモニアルスタートで開幕した今ラウンドは、熱狂的なファンが大挙して詰め掛け、世界遺産グアナフアトの会場は、フェスティバルのような賑やかさとなった。

緒戦のSS1は、グアナファト市内に設けられた1.09kmのステージで行われ、今季2戦連続で表彰台に登っているヒュンダイのヌービル選手がトップタイムを記録。

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0.1秒差の2位に、プライベーターのロレンツォ・ベルテリ(フォード・フィエスタRS WRC)が食い込み、0.4秒差の3位でセバスチャン・オジエ選手が追う展開となった。

続くSS2とSS3は、2.03kmのステージを2台のマシンが同時に走行するスーパースペシャルステージ。ここではオジエ選手が、2ステージ共にステージ1位を獲得する走りでティエリー・ヌービル選手(ヒュンダイi20 WRC)を逆転した。

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明けて3月4日、本格的な戦いの火蓋が切って落とされると、最高到達点まで駆け上げる名物 SS「エル・チョコレート」をはじめ、ラトバラ選手が 5カ所でベストを記録し、オジェ選手を逆転。

オジェ選手は、グリップ重視のタイヤ戦略がやや裏目に出たものの、2 位をキープ。対してミケルセン選手は4位に止まった。

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明けて 3月5日。ラトバラ選手が好調を維持し、全6SS すべてでベストを叩き出して、オジェ選手との差を 1分35秒に拡大。

ミケルセン選手は、ポロ R WRC の 1-2-3 体制を狙ってアタックしたものの、SS15 でコースアウト。修復不能なダメージを負い、リタイアとなった。

最終3月6日は、長尺 SS「グアナフアト」が待ち構えていたが、ラトバラ、オジェ両選手は危なげなく走行、1-2 フィニッシュで連勝タイ記録に華を添えた。

ポインランキングのリードを38点にまで広げたセバスチャン オジェ選手

結果11SSを制して90秒以上のリードを築いたラトバラ選手が、安定感を見せて、昨年の第11戦ツール・ド・コルス以来、5戦ぶりに勝利の美酒を浴びた。

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結果、今ラウンドで総合2位となったオジエ選手は、最終SSでのボーナスポイントを得て、ポインランキングではリードを38点にまで広げた。

また今回マシントラブルに悩まされたソルド選手がゴールラインを潜って、一旦は総合3位を得たものの、タイヤの使用本数制限を守らなかったとして2分のタイムペナルティを科せられ、4位となってしまう。

これによりオストベルグ選手が総合3位に浮上。ポインランキングでもアンドレアス・ミケルセン選手(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)を乗り越えてランキング2番手につけている。ソルド選手に続く総合5位はヘイデン・パッドン選手(ヒュンダイi20 WRC)が獲得。

以降、総合6位~8位まではフォード・フィエスタRS WRCを操るプライベーター勢が入った。

VW連勝記録更新の可能性を賭けた第4戦「ラリー・アルゼンチン」は、4月21日~24日に、湖畔のリゾート「ヴィラ・カルロス・パス」を中心に開催される見込みだ。

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[終了後のコメント]
■ フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター: ヨースト カピート、「チームが一丸となった末の勝利であり、歓びもひとしおです。ヤリ-マティがスタート順の優位を最大限に活かす一方で、セバスチャンはその不利を払拭する走りを見せました。1-2 という結果は、実に誇らしいですね。」
■ カー#1: セバスチャン オジェ(フランス) 最終結果: 2 位、「ヤリ-マティとバトルができれば、ファンの方々にもっと喜んでもらえたかもしれません。個人的には、21 ポイントの獲得が重要です。」
■ カー#2: ヤリ-マティ ラトバラ(フィンランド) 最終結果: 優勝、「本当に嬉しいです。2 戦連続で結果が出ていなかっただけに、自分にとってもチームにとっても意味のある勝利だと思います。」
■ カー#9: アンドレアス ミケルセン(ノルウェー) 最終結果: リタイア、「3 位狙いでアタックしている最中にクラッシュしてしまいました。気持ちを切り替えて、アルゼンチンに臨みます。」

 FIA 世界ラリー選手権 第 3 戦ラリー・メキシコ最終結果
1. ヤリ-マティ ラトバラ/ミーカ アンティラ(フォルクスワーゲン) 4 時間 25 分 57 秒 4
2. セバスチャン オジェ/ジュリアン イングラシア(フォルクスワーゲン) +1 分 05 秒
3. ダニ ソルド/マルク マルティ(ヒュンダイ) +3 分 37 秒 9

FIA 世界ラリー選手権 マニュファクチャラーズ選手権ランキング(第 3 戦終了時点)
1. フォルクスワーゲン・モータースポーツ 97
2. ヒュンダイ・モータースポーツ 64
3. M-スポーツⅡ 45

FIA 世界ラリー選手権 ドライバーズ選手権ランキング(第 3 戦終了時点)
1. セバスチャン オジェ(フォルクスワーゲン) 77
2. マッズ オストベルグ(フォード) 39
3. アンドレアス ミケルセン(フォルクスワーゲン) 33
6. ヤリ-マティ ラトバラ(フォルクスワーゲン) 27