クリス・ホイ、LM P3プロトタイプマシンで、ELMSシルバーストン戦に挑む
オリンピック自転車競技オリンピックチャンピオンのクリス・ホイは、現地時間の今日(4月11日・土曜日)、英国シルバーストンで開催されるヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(EUROPEAN LE MANS SERIES、以下ELMS)の開幕戦に挑む。
同じELMSに出走するライバルのひとりは、2014年「ニッサンGTアカデミー」ヨーロッパチャンピオンのガタン・パレトウだ。
クリス・ホイは、かねてよりル・マン24時間レース挑戦を目指しており、今回はそのステップとして、現地時間の今日(土曜日)、ヨーロッパルマンシリーズの開幕戦に臨む。
クリス・ホイ、リアルレースのステップを踏んでヨーロッパルマンシリーズへステップアップ
このELMSことヨーロピアン・ル・マン・シリーズは、欧州中心に世界各国を転戦して行われるスポーツカー耐久レースのシリーズ戦だ。
同シリーズ戦は、ル・マン耐久シリーズとして2004年に開始され、ル・マン24時間レースの主催者でもある「フランス西部自動車クラブ」(Automobile Club de L’ouest、以下ACO)のレギュレーションに従って争われる。
シリーズ上位車には、ル・マン24時間のシード権が与えられるため、毎レース40台以上が集結するシリーズとなった。レースカテゴリは、LMP2、LMP3、FLM(Formula Le Mans)、LM GTE Pro、LM GTE Am、GTCの6つだ。
ELMSのLMP3クラスは、全車ニッサンVK50VE・V8を錘新設カテゴリ
ELMSで、ホイがドライブするマシンは、真新しいカーナンバー3のジネッタ・ニッサン LMP3カーだ。LMP3は、クローズド・コックピットカーで、全車ニッサンVK50VE V8エンジンを搭載して戦うシリーズである。
ホイは来る、2016年のル・マン24時間レース出場を目指していることから、今回、ELMSのLM P3カテゴリで始めて本格的なレースマシンに乗ることになった。
このLMP3カテゴリは、日産が肩入れするELMSシリーズの新設カテゴリであることから、ホイにとって、来年のル・マンを前に貴重な経験を得る機会になるだろう。
NISSAN GT-R NISMO GT3からステップアップした今年、目標はレース経験を蓄積させること(ホイ談)
ホイは、「素晴らしいマシンやドライバーと競うのが待ちきれません。昨年経験したNISSAN GT-R NISMO GT3と比べて、LM P3はタイヤのグリップもダウンフォースも強大です。
マシンが軽く、ドライバーの快適性は大きく減ります。ドライビングが面白い分、難しさもあります。今年の目標は、ドライビング技術を大きく進化させることです。
それは、2016年にル・マンに出場するための大きなステップになるでしょう。コンスタントな走りとペース、後方グリッドからのスタートでも競争できる力を養いたいです」と語っている。
ホイのパートナーは、若いスコットランド人ドライバーのチャーリー・ロバートソン。ライバルのひとりは、2014年ニッサンGTアカデミー勝者のガタン・パレトウ(カーナンバー2)になるだろう。
ライバルのタン・パレトウは、PlayStation®Stor・グランツーリスモ、2014年ヨーロッパチャンピオン
GTアカデミーとは、「ソニー・コンピュータエンタテインメント・ヨーロッパ」、「日産ヨーロッパ」、「ポリフォニー・デジタル」のコラボレーションから生まれ、「PlayStation®Stor・グランツーリスモ」のトッププレイヤーに、本物のプロフェッショナルレースドライバーになる生涯一度のチャンスを与えようというバーチャルとリアルを繋ぐ国際的なイベントだ。
バーチャルの世界で腕前を証明したプレイヤーは、日産のレーシングチームの一員となり、本物のレーシングカーで、本物のサーキットを走り、国際レースを走るために必要な訓練とライセンスを取得するチャンスが与えられる。
初めてポールリカールで走ったが感触は良い。大いに学ぶ機会を得て開幕が待ちきれない(パレトウ談)
パレトウは、「ELMS参戦は、私にとって素晴らしい機会です。最近、初めてポールリカールで走り、すでにとてもよい感触でした。
私のキャリアにおいて、新しいマシンの開発の仕事に携わり、多くのことを学ぶことになると思います。今シーズンはLMP3とGT3でレースをすることで、私にとっては大いに学ぶ機会となるでしょう。開幕が待ちきれません。
シルバーストンでの開幕もまた良かったです。というのも、この場はニッサンのドライバー育成プログラムで本拠地であり、第2の故郷だからです」と語っている。
ちなみにGTアカデミー勝者のレース参戦は、ここシルバーストンでパレトウが出場。モンツァでは、2014年ニッサンGTアカデミー・ドイツの勝者であるマルク・ガスナーがドライブする予定だ。
ブランパン・エンデュランス・シリーズなど、GTアカデミー生、続々とリアルレースに参戦
同日開催では、ブランパン・エンデュランス・シリーズも行われる。
同レースは2011年ヨーロッパで新たにスタート。短距離のFIA GT3ヨーロッパ選手権等に対抗して行われる長距離レースだ。参戦可能なマシンはFIA GT3/GT4規格。
ここでは、カーナンバー23 NISSAN GT-R NISMO GT3に、プロカテゴリーでアレックス・バンコム(英国)にバサーストを制したウォルフガング・ライプ(ベルギー)と千代勝正(日本)が加わるほか、プロアマカテゴリーでエントリーしたカーナンバー22のGT-Rには、2014年GTアカデミー生のリカルド・サンチェス(メキシコ)・マルク・ガスナー(ドイツ)・フローリアン・シュトラウス(ドイツ)の体制でチャレンジする予定という。
ヨーロッパルマンシリーズ
Round 1: シルバーストン(英国)
予選 (LM P2, LM P3): 土曜日11:30 – 11:50 BST決勝: 土曜日 14:30 – 18:30 BST
#2 ジネッタ・ニッサン – ガタン・パレトウ((フランス) /マイケル・シンプソン(英国)
#3 ジネッタ・ニッサン – クリス・ホイ(英国)/チャーリー・ロバートソン(英国)
すべてのLM P3カーは日産エンジンを搭載
LM P2 #29, 32, 33, 34, 38, 41, 44, 45, 46, 48 は日産エンジン搭載車
ブランパン耐久シリーズ Round 1: モンツァ(イタリア)
予選: 土曜日 09:00 CET 決勝: 日曜日 14:30 – 17:30 CET
#22 Nissan GT-R NISMO GT3 (PRO-AM) – リカルド・サンチェス(メキシコ))/マルク・ガスナー(ドイツ)/フローリアン・シュトラウス (ドイツ)
#23 Nissan GT-R NISMO GT3 (PRO) – アレックス・バンコム(英国)/ウォルフガング・ライプ(ベルギー)/千代勝正(日本)
FIA 世界耐久選手権
Round 1: シルバーストン(英国)
予選 (LM P1, LM P2): 土曜日 12:30 – 12:50 BST 決勝: 日曜日 12:00 – 18:00 BST
LM P2 #26, 28, 35, 36, 42, 47 は日産エンジン搭載車
【関連情報】
「日産モータースポーツ」サイト