ヤマト運輸、全集配車両に日立の車載端末を搭載へ。安全運行の高度化を目指す


日立と連携し、運行データの利活用による安全運転教育のさらなる高度化等に取り組む

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾 裕)は、ドライブレコーダーとデジタルタコグラフを一体化した通信機能搭載の新たな車載端末を、2018年11月よりヤマト運輸の全集配車両約36,000台に順次搭載する。

さらに株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼CEO:東原敏昭)と連携し、運行データを幅広く効率的に収集・分析することにより、安全運転教育のさらなる高度化等に向けて取り組みを進めていく。

近年、IoT (Internet of Things)の進展に伴い、さまざまな機器からデータの取得が可能となり、これらのビッグデータを活用して、業務効率の向上や新たなビジネス機会の創出など取り組みが加速している。

これに対してヤマト運輸は、「安全第一、営業第二」の理念のもと、人命の尊重を最優先し常に安全の達成に努めるため、2010年からヤマト運輸独自の車載端末「See-T Navi」を導入した。

同端末は運転状況の見える化を図るとともに、安全指導の専門職である安全指導長がセールスドライバーへきめ細かな安全教育等に取り組んできた。そして今回、最新鋭のIoT技術を活用した安全教育のさらなる進化に向けて検討を決めた。

対して日立は、注力するIoTプラットフォーム「Lumada」の活用で培ったデータアナリティクスに関するノウハウや、人工知能技術Hitachi AI Technologyなどを組み合わせ、企業のデータ利活用に向けた取り組みを支援していく。

なお新たに搭載する車載端末は、従来デジタルタコグラフで収集していた速度や駐車位置情報などに加え、ドライブレコーダーで収集する走行映像やGPSアンテナから得た情報で作成する走行軌跡などの運行データを活用する。

具体的には取得・収集したデータをクラウド形態の情報基盤へ、通信回線を通じてリアルタイム転送。

また、ヒヤリハット体験箇所の登録の自動化や運転開始・終了設定の省力化、OTA(Over The Air・データの受信・同期の際の通信手段として、有線ではなく無線で行う)の対応による車載端末のソフトウェア更新の自動化も実現できる。

ヤマト運輸は、日立と連携しつつ一元管理される運行データを可視化・分析することで、個々のセールスドライバーの運転特性に応じた未然防止型の安全運転教育を目指して行く。

さらに将来的には、車両の故障予兆診断による整備計画の効率化、また、自治体や外部企業などとデータ連携し、たとえば収集した道路状況のデータを利活用するなど、新たな高付加価値ビジネスの創出に向けて、幅広く検討していくと語っている。