VW、ジュネーブ国際モーターショーで次世代「up!」を世界初披露


新エンジンを搭載して、さらに個性的な印象を強化、スマートフォンとも統合

独フォルクスワーゲン AG(本社:ドイツ・ニーダーザクセン州ヴォルフスブルク、グループCEO:マティアス・ミューラー、以降VW)は、2016年のジュネーブ モーターショー(開催日:3 月 1 日~13日)で、新型「up!」並びに「Polo」クラス初のコンバーチブル SUV「T-Cross Breeze(T-クロスブリーズ)」コンセプトのワールドプレミアを行った。

Volkswagen Pressekonferenz auf dem Genfer Automobilsalon 2016

https://www.youtube.com/watch?v=oA4uwI8Sla0

フォルクスワーゲンの最もコンパクトなクルマが、よりカラフルでシャープになった。

今回、ジュネーブ国際モーターショーで世界初披露となった「up!」の第 2シリーズは今夏、ヨーロッパに於いて発売される。

新デザインのボディパネルに新色の外装カラー、新ホイール、新しいカスタマイズのオプション、新装備、新たにデザインを全面的に刷新したインテリア、新インフォテインメントシステム、そしてパフォーマンスとトルクが大幅に向上した新エンジンなどが、そのすべてが改められた。

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「up!」は過去 5 年にわたって、ヨーロッパで最も成功したスモールカーの仲間入りを果たした。ドイツやオランダといった国々では、マーケットに於いて同セグメントのベストセラーカーとなっている。

またブラジル、日本、南アフリカといったヨーロッパ以外の国でも良好な販売台数を記録していると云う。

Der neue Volkswagen up!

新しくなったデザインとインテリア要素

ジュネーブで展示された「up!」の新バージョンは、新しいヘッドライト(LED デイタイム ランニングライトを標準装備)、新しいバンパー、人目をひくリヤディフューザー、新デザインのテールライト、方向指示灯を一体化した新しいサイドミラー、新しいカラーと装飾を採用したダッシュパッド(ダッシュボードのスタイリングパネル)、新デザインのシートなどを備えての登場となった。

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特にコンフォート面では、より上位のラインナップ車両と同じく、「ライト&サイト」パッケージ(「カミングホーム」、「リービングホーム」機能に加え、レインセンサーを装備)が用意された。

フォグランプには、コーナリングライトが組み込まれ、マルチファンクションステアリングホイールと、ピュアエアクリマトロニック(フルオーAC)も、今回初めて搭載された。

このピュアエアクリマトロニックは、空気品質センサーを使用し、キャビンの空気を常に清浄に保つアクティブバイオジェニックフィルターによって真菌胞子、アレルゲンなどを含む汚染物質のシステムへの侵入を防止するコンディショニング機能だ。

Volkswagen auf dem Genfer Automobilsalon 2016

https://www.youtube.com/watch?v=Wg6WgIcrNzo

新型「up!」に関する 10 の特徴

  • 1.向上したダイナミズムと個性:フォルクスワーゲンは、成功を収めたシティカーを全面的にアップグレードした。
  • 2.さらなるパワー:新搭載される 90PS TSI エンジンは、初代「Golf GTI」エンジン性能と同等。燃料消費量 4.4ℓ/100km。
  • 3.斬新なルックス:新型「up!」は新設計のバンパー、新リヤディフューザー、方向指示灯一体型の新サイドミラー、LED デイタイムランニングライト付き新ヘッドライト、新テールライトなどを採用。
  • 4.あらゆるユーザーにマッチする「up!」:13 のボディカラー、3 つのルーフカラー、10 のダッシュパッドデザインを組み合わせてカスタマイズ可能。
  • 5.向上したネットワーク機能:究極のコネクティビティのために、「コンポジションフォーン」ラジオシステムとスマートフォン統合機能を設定。
  • 6.より高品質なサウンド:「up! beats」は、BeatsAudio の提供する 300W サウンドシステムを搭載。
  • 7.完璧な車内環境:ピュアエアシステムを備えた新しいクリマトロニック。
  • 8.インテリアを照らすバックグラウンド ライティング デザイン:ホワイト(「high up!」)、オレンジ(「cross up!」)、ブルー(「e-up!」)の新しいアンビエント ライティング。
  • 9.発売間近:新型「up!」は 2016 年夏に発売開始予定。
  • 10.コストパフォーマンスが向上:スペックが向上した新型「up!」のベース価格は据え置かれる予定。

Volkswagen Pressekonferenz auf dem Genfer Automobilsalon 2016

新型「up!」のさらなる詳細は以下の通り

・新開発されたターボエンジン
新型「up!」に搭載される1.0 TSI エンジンは、画期的な効率性を備えたドライブシステムを提供する。

この直噴ガソリンターボエンジン(TSI)は、66kW/90PSの最高出力を発揮し、最大トルク値の160Nmは、1,500rpmから発生。歴代3気筒エンジンの「up!」用として初のターボが装着され、これまでのエンジンの中では最もパワフルとなった。

最高速度は185km/h をマークし、0~100km/h 加速は初代「Golf GTI」に匹敵する10 秒。燃料消費量は4.4ℓ/100km(CO2 排出量:102g/km、推定値)。1.0 TSI は、スペック上では1回の給油で最長 800kmの走行が可能となっている。

Der neue Volkswagen up!

・新しいスマートフォン統合機能
新型「up!」における革新的な機能は、スマートフォンの統合という面にも現れている。

ダッシュパッドの上に載せたスマートフォンを、Bluetooth 経由でシステムに接続すると、ナビ付きのインフォテインメントシステムおよび車載コンピューターとして利用できるようになる。

300Wのサウンド システムを搭載した「up! beats」
新型「up!」の市場投入と同時に、フォルクスワーゲンは新装備の仕様を発表する。それが「up! beats」である。

この仕様は、サウンド重視のコンセプトを採り、米国オーディオメーカーであるBeatsAudio™が手がけた 300W のサウンドシステムを標準装備する。これに合わせスマートフォンを統合する機能も標準装備される。なおこの「up! beats」については、後ほど後述する。

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新型「up!」は新レベルのカスタマイズが可能
「up!」は、この新シリーズにより「up!」自体の個性化に焦点を当てている。

ジュネーブで展示される「up!」は、13 のボディカラー、9 種類のエクステリアデカール、10 種類のダッシュパッドデザイン、3 色のルーフカラー、3 種類のデザインパッケージ、2 種類のカラーパッケージ、2 種類のインテリアトリム色(「チタニウムブラック」と「セラミック」)、カラーアルミホイール、そして最上位グレードに提供される個性的なカラーのアンビエントライトなどが用意される。

• エクステリアカラーは、13 色のうち、「ティールブルー」、「コーラルレッド」、「コスタアズール(ブルー)」、「ハニーイエロー」、「エーデルワイス(ホワイト)」、「ブルーベリー」、「サバンナ ゴールド」の 7 色が新たに設定された。

• ダッシュパッドデザインは、ボディカラー、インテリアのトリム、モデルにより、10 種類の新しいダッシュパッドデザインを選択することが可能となった。併せて高次元でのカスタマイゼーションが可能となるラベリングプロセスも採用している。

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エンジンのバリエーションを拡大
旧モデル「up!」には、2種類の3気筒エンジンのいずれかが搭載されていた。どちらもマルチポイントインジェクション(MPI)方式を採用しており、44kW/60PS ないし 55kW/75PS を発生する。

これらの既存の1.0 リッター ガソリンエンジンに、今回はスポーティな 1.0 TSI(66kW/90PS)が加わる。

また、ゼロエミッション車の「e-up!」(60kW/82PS)は、クリーンに市街地を走行することができる。そして、天然ガス車を希望するユーザーには「eco up!」(50kW/68PS)が提供される。

Der neue Volkswagen up! beats

拡張された標準装備郡
新型「up!」には、合計 7 種類の装備レベルが用意されている。具体的には「take up!」、「move up!」、「high up!」、「eco up!」(以上は 2 ドア、4 ドアの両バージョンあり)、「load up!」、「cross up!」、「e-up!」(4ドアバージョンのみ)で、各装備レベルの概要は以下の通り。

• 「take up!」:ベースバージョンである「take up!」には LED デイタイムランニングライト、LED ライセンスプレートライティング、方向指示灯一体型の新ドアミラー、左右ヘッドライト間のクロームトリムストリップ、リモートコントロールによる集中ドアロックといった装備が搭載される。

センターコンソール(ヒーターおよびベンチレーションコントロールに加えてオプションの空調コントロールおよびラジオ)に使
用される光沢ブラック部は、細いクロームストリップで縁取られた。

• 「move up!」:このモデルは、新開発の「コンポジション」ラジオシステムを搭載する最初の「up!」で、USB ポート、大型化されたマルチファンクションディスプレイ、カスタマイズされた「ブラックキューブ」ダッシュパッドなどが標準装備されている。

• 「high up!」:このモデルにおいて追加される装備としては、新開発のアンビエントライティングシステム(ホワイト)、カスタマイズされたダッシュパッド(「ピクセルズ」デザインの 3 バージョンから選択)、ヒーター付きフロントシート、マルチファンクション ステアリングホイールなど。

さらに6 本のスピーカー、固定式コーナリングライトが組み込まれたフォグランプ、15 インチサイズの「ラジアル」アルミホイールなどが挙げられる。また、エアコンディショナーも標準搭載されている。

• 「cross up!」:あらゆる路面に対応できる「cross up!」には、「クロスルック」のダッシュパッドとアンビエントライティング(オレンジ)が新たに追加される。

• 「e-up!」:「e-up!」は、「シャークスキン」デザインのダッシュパッド、アンビエント ライティング(ブルー)、ライト&レインセンサー、およびスマートフォン統合機能が特徴となる。

Der neue Volkswagen up! beats

さらなる装備パッケージ
フォルクスワーゲンはまた、ボディカラーとマッチしたデザインの 3 種類のルーフパッケージを用意している。

ルーフは、ボディの対比色であるブラック、ホワイト、グレイを選べるようになっており、対比色のサイドミラー キャップ、ティンテッド リヤウインドウなども含まれる。

また、カスタマイズされたダッシュパッド、エクステリアのデザイン デカール、対比色のドアミラーキャップなどを含む 3 種類のデザインパッケージも追加された。

さらに、装備パッケージには、カラーパッケージも設定されている。「ホットオレンジ」および「ゴールドベージュ」という対比する基本色に、16 インチのアルミホイール、ボディ用デザイン
デカール、同色のサイドミラーキャップを組み合わせた。

Volkswagen auf dem Genfer Automobilsalon 2016

新登場「up! beats」 – Beats によるサウンド造り
米国のオーディオブランドBeats Electronicsは、2008年にラッパーであるDr. ドレが設立した会社で、主にヘッドホン製品によって音楽シーンに大きな衝撃を与えた。

カリフォルニアを本拠地とする同社は現在、自動車のサウンドシステムを含めた幅広いテクノロジーを提供している。

フォルクスワーゲンは、2016 年のジュネーブ国際モーターショーにおいて、BeatsAudio™サウンドシステムを搭載した「T-Cross Breeze」SUV コンセプトカー、「Polo」および「up!」を発表した。

同システムを搭載したバージョンは、「up! beats」と命名され、300W 8 チャンネルアンプには、デジタルシグナルプロセッサー(DSP)が搭載される。

「up! beats」仕様は、透明感のあるサウンドを奏でるため7台のハイエンド スピーカーを搭載・使用する。

A ピラーには2台のツイーター、フロントのドアには 2 台のウーファー、後部には 2 台のブロードバンドスピーカーを設置し、スペアホイールウェルには、パワフルでパンチのある重低音を発生するサブウーファーが一体化されている。

• 「up! beats」の主な装備:その他、「up! beats」は新しい 15 インチアロミホイール、専用の beats デザインデカール、対比色のドアミラーキャップなどにより、カスタマイズ車の雰囲気を演出している。

インテリアでも、個性的なダッシュパッド、専用ドアシルプレート、「up! beats」らしいカラーコーディネイトのシートベルトなどにより、際立ったルックスに仕上げた。スマートフォン統合機能およびアンビエントライティング(ホワイト)も標準装備される。

Der neue Volkswagen up!

新インフォテインメント コンセプト
フォルクスワーゲンは、スマートフォンの統合機能を刷新した。新世代のインフォテインメントシステムとして、3.1 インチのモノクロ ディスプレイを使用する「コンポジションシステム」と、5.0 インチのカラーディスプレイを使う最上位の「コンポジションフォーン」が開発された。

いずれのシステムも、ツインチューナー、AUX IN 端子、SD カードスロットなどを備えている。ベースシステムも CD プレーヤーを搭載するが、「コンポジションフォーン」は、加えてハンズフリー機能付きの Bluetooth インターフェイスを装備する。

またこの仕様は「up!」で初めて、リヤビューカメラも採用している。いずれのシステムにもオプションとして、DAB+(デジタルオーディオレシーバー)、サウンドプラス パッケージ(スピーカー)、USB ポート(センターコンソール上)などが装着可能。

「コンポジションフォーン」システムはまた、スマートフォン
統合機能やと BeatsAudio™サウンドシステムと組み合わせて使うことができる。

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スマートフォン統合機能
iPhone や Android 携帯をコンポジション フォーンのコントロールシステムに統合するためには、アプリ「maps + more doc」を使用する。

必要な操作は、スマートフォンをセンターコンソール上に置き、
Bluetooth 経由でラジオのシステムと接続するだけ。

接続が完了すると、このアプリは「ナビゲーション」(ローミング費用なしにオフラインのナビゲーションが可能となり、2Dないし3Dのマップモード)、「MFA」(車両データを表示するマルチファンクションディスプレイ)、「フォーン」(ハンズフリーキット使用)、「thinkblue. トレーナー」(エネルギーを節約するヒントを表示)、「e チャージングマネージャー」(e-up のみ)、「カーファンクション」(さまざまな車両機能を表示)、「メディアコントロール」(音楽の詳細情報へのアクセス、タイトル/アーティスト/カバーの表示、手描き文字認識によるサーチ機能)および「ラジオコントロール」(FM/AM/DAB+の選択、放送局の表示/サーチ/保存)などの機能が利用できるようになる。

なお、スマートフォン統合システムには、データ転送や充電に使うことができる USB ポートも含まれる。