内需拡大とインフラ整備で活性化するパキスタンの輸送需要に対応
ボルボ・グループ傘下のＵＤトラックス株式会社（本社：埼玉県上尾市、代表取締役社長：村上吉弘）は、パキスタンで新興国市場向けの大型トラック「クエスター（Quester）」の販売を開始した。
同社は輸送需要の拡大が見込まれ、かつ近代的な輸送方式への転換期を迎えているパキスタン市場に対して、「クエスター」を導入することで販売の拡大を目指す。
パキスタンは２億人以上の人口と豊富な若年層を有し、経済的な潜在性が高い。また中国が一帯一路政策の要として推進している中国・パキスタン経済回廊（CPEC）プロジェクトに伴う内需拡大とインフラ整備により輸送需要の拡大が見込まれている。
併せてパキスタンはインフラ整備や外資系企業の参入により、輸送方式は低速度で大量の貨物を運搬する従来の方式から、高速かつ効率的に、そして安全に輸送する近代的な方式へと転換が進んでいる。それに伴いトラックに対する市場のニーズも変化しており、耐久性能や積載性能に加え、燃費性能や動力性能そして安全性能が求められる様になってきている。
輸送方式の近代化で、燃費性能や動力性能、そして安全性能へのニーズ高まる
そんなパキスタンの商用車市場は、日本車のブランドが大きな占有率を占めており、ＵＤトラックスも５０年以上に亘って同国市場で活動してきた。
そうしたなか同社は、高馬力車の需要が見込まれる石油製品輸送を手掛ける顧客層をターゲットに６ｘ４トラクター（後輪２軸駆動）、６ｘ２トラクター（後輪１軸駆動）、６ｘ４リジット（単車）の３モデルの「クエスター」を投入する。
同社では「クエスター」に搭載したGH１１エンジンの３７０馬力という出力はパキスタンの顧客からのニーズを得るものと見込んでおり、同国におけるエネルギー輸送需要の獲得を目指す構えだ。
「クエスター」は新しい輸送方式にフィット、パキスタンの輸送業界への貢献を目指す
この「クエスター」のパキスタン導入に際し、ＵＤトラックス中東・北東部アフリカ地域担当セールスダイレクターの横藤田宏氏は「パキスタンでは、低出力車で多くの荷物を積み込み、長時間かけて運搬する従来の輸送方式から、燃費の良い高出力の大型車による効率性・生産性を重視した輸送方式へと移行してきています。
今回、導入される『クエスター』はまさに新しい輸送方式にフィットするトラックです。エネルギー輸送に限らず近代的な輸送を目指すお客様のニーズに幅広く対応したいと考えており、同国の旺盛な建設需要を見据え、今後６ｘ４、８ｘ４ダンプを導入する予定です」と話している。
ちなみにこの「クエスター」は、タイ・バンコクにあるＵＤトラックスの工場で生産され、新たに契約を結んだVPL社（VPL Limited）が輸入・卸売りを担い、同社が有するカラチ、イスラマバード、ラホールの３つの販売・サービス拠点などを通じて販売される。
なお「クエスター」の発表イベントは、２０１８年６月２９日にカラチでVPL社（VPL Limited）が開催され、約３００名の現地パートナー、報道関係者が参加した。