米国のフォード・モーター・カンパニー(Ford Motor Company、本社:米ミシガン州ディアボーン、会長:ウィリアム・クレイ・フォード, Jr、以下フォード)は米国時間6月20日、今秋発売を予定している次世代『エクスペディション』、『リンカーンナビゲーター』の看板車両の生産体制増強を目指し、同車の製造拠点となっているケンタッキー州ルイビルのトラック工場に9億ドル(約1,001億円)を投資した。
ちなみにこの2台の看板車両は、同ルイビルの生産工場から世界55ヵ国以上のマーケットに向けて輸出される。
同社によると、これだけの輸出規模は、フォードが米国最大の自動車輸出企業であることを、身を以て証明している数字だと云う。
またフォードは、先の2015年の投資によって新たに創出した2,000人の雇用に加え、今回の9億ドルの投資で、さらに1,000人の雇用を創出する。
結果、ルイビル工場は約7,600人の従業員を抱えることになり、この数字は同社が米国最大の自動車製造メーカーの証明でもあるとも云う。
これらの投資について、フォードのグローバル・オペレーション(商品開発、製造、労務、品質)を担うジョー・ヒンリクス氏(Joe Hinrichs)は、「我々がルイビル工場で生産している大型SUV車は、米国内はもとより世界各国でも注目度が高く、国際市場でも新たな顧客を創出している。
それに比べ小型車セグメントは、米国内での販売が落ち込んでいる。我々は、米国に対してより多くの利益を還元するためにも、これまでとは異なる新たな戦略を模索しなければならない」と述べた。
このためフォードは、次世代フォーカスの製造に関して中国・重慶市にある製造工場の設備刷新を行い、同車の製造を開始すると云う。
なお現在のフォーカスは、2018半ばまでは現在のミシガン工場での生産が続けられ、2019年の後半からは、欧州に於ける生産分に加え、中国本土に於いても、車両生産が開始される見込みだ。
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しかし米国の雇用は、この次世代フォーカスの生産移転のために犠牲になることはないと云う。
ミシガン工場に於けるフォーカスの生産ライン終了に伴い、同ラインは、中型ピックアップトラックの『レンジャー(2018年後半から)』と中型SUV『ブロンコ(2020年から)』の生産ラインに置き換わる。
先のジョー・ヒンリクス氏は、「この生産計画の変更に伴うコストは、重慶工場の設備刷新に留まることから、当初計画に対してトータルで10億ドル(約1,110億円)の投資コスト節減が実現する。
その分、我々は自律走行車や電動車などの次世代事業の成長領域に投資し、国内最大の自動車製造・輸出メーカーとして、未来に向けてさらなる成長を目指していく」と語っている。