自動車用安全システムメーカーのタカタ、初の水中翼船用シートベルトを川重車両コンポと共同開発


自動車用エアバッグなどの安全システムを提供してきたタカタ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長兼社長:高田重久、以下タカタ)と、子会社のタカタサービス株式会社(所在地:滋賀県彦根市、代表取締役社長:川﨑修)は、川重車両コンポ株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:吉田栄作 以下川重車両コンポ)と高速水中翼船専用のシートベルトを共同開発した。

福岡と釜山を結ぶ高速水中翼船「ビートル」 (画像提供:JR九州高速船株式会社)

なおタカタが、水中翼船専用のシートベルトを開発するのは、今回が初めての事である。

該当の高速水中翼船は、JR九州高速船株式会社(所在地:福岡県福岡市、代表取締役社長:水野正幸)が保有する船舶「ビートル」で、川重車両コンポは、先の3月18日に就航を開始した同船・客室席のリニューアルを行った。

リニューアルされた客室席、専用設計された2点式巻き取り装置付きシートベルト

この際、川重車両コンポとタカタは、同船に乗船する乗客の安全性と快適性に配慮し、全席に専用設計した2点式巻き取り装置付きシートベルトの標準搭載に取り組んだ。

この際タカタは自動車安全装置の開発を行ってきたノウハウを活かし、前方衝突や側面衝突に対する安全性に加え、水中翼船に特有の海中障害物への衝突・リバウンドによる着水衝撃に応える上下方向の安全性確保などの衝突模擬試験を実施。

前方衝突模擬試験
側面衝突模擬試験
水中衝突とリバウンドによる着水衝撃を考慮した上下方向の衝突模擬試験

デザインについても工業デザイナー水戸岡鋭治氏の監修を得て、タカタ持ち前のインクジェットプリント技術を利用した製品を開発した。

タカタのインクジェットプリント技術を使って水戸岡ブランドの鮮やかなカラーリングを実現

タカタでは、今回の高速水中翼船専用シートベルトの開発を通して、これからもあらゆる安全分野において貢献できるよう取り組んでいくと述べている。