パナソニック、スペイン自動車部品メーカーのフィコサ・インターナショナルS.A.を連結子会社化へ


Panasonicは、車載用ミラーで世界シェア2割を占める自動車部品大手獲得を介して、次世代自動車の基幹領域を確実にしていく構え

パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:津賀一宏、以下、「パナソニック」)は、パナソニックが発行済株式総数の49%を出資するスペインの自動車部品・システムサプライヤーであるフィコサ・インターナショナルS.A.(本社:スペイン バルセロナ、CEO:ハビエル・プジョル、以下、「フィコサ」)の株式を20%追加取得し、フィコサを連結子会社化する。

フィコサ・インターナショナルS.A.のハビエル・プジョルCEO

なお、この取引完了のためには、欧州その他関係当局の承認をはじめとする諸条件の充足、その他の一般的な前提条件を満たすことが必要となるため、完全買収には時間を要するが、事実上、フィコサ・インターナショナルS.A.の傘下入りを宣言した形だ。

今回の連結子会社化の目的は、同社が2018年度車載事業の売上高2兆円の実現に向け、「快適」「安全」「環境」の各領域で成長に向けた取り組みを進めていることにある。

このような環境下で、パナソニックとフィコサは2015年6月に資本業務提携を行い、協業を開始した。

以降、両社は各々の保有する技術を融合させ、フィコサが得意とする電子ミラーをはじめとする協業開発の商品で受注を獲得するなどの成果を挙げた。

さらに今後は、次世代コックピットシステムや先進運転支援システム(ADAS)など今後の成長分野での事業拡大を目指した協業商品の開発を進めていく構え。

パナソニックでは、「今般、両社はこれまでの協業を通じて相互理解を深めたことで、パナソニックによるフィコサ連結子会社化は、両社の長期的な企業価値の一層の増大を図ることができるとの判断に至りました」と述べており、さらにパナソニックの伊藤好生代表取締役専務は、「フィコサは当社と同様に確固たる経営理念を持ち、電子ミラーだけでなく、コネクテッドカーを実現するためのテクノロジーにおいてもシナジー効果が期待できます。

両社の強みを発揮した開発を加速させることで、成長戦略を実現できると確信しています」とコメントした。

一方、フィコサのハビエル・プジョルCEOは、「近年、フィコサでは、エレクトロニクス・ソフトウェア分野での高付加価値商品の開発をベースに広範囲な技術変革に取り組んできました。

しかし自動車業界に現在起きている技術変革はとても大きく、多額の投資を必要とします。

そのため、パナソニックとの協業は、両社間のシナジー創出の加速と、プロジェクトを統合し、コネクティビティ、自動運転、安全システムの分野で自動車市場の変革をリードするためのカギとなります」と、今回の取引成立についての戦略的重要性を強調した。

なおパナソニックによるフィサコ株式の追加株式取得の方法だが、まずパナソニックが、フィコサの株主であるフィコサ・インバージョン社から、同社が保有するフィコサ株式の一部を譲り受けることにより、フィコサの発行済株式総数の20%を追加取得しする。

これにより、フィコサは、パナソニックが現在保有する株式と合わせて、パナソニックが発行済株式総数の69%を出資する連結子会社となる予定となっている。

加えて今買収に関わる具体的日程は、取締役会決議日が2017年2月28日、取引実行日は、2017年4月末までの予定となっている。

ちなみにフィコサは、スペインを本拠とする乗用車、商用車、産業車両用部品メーカー。

開発製品は、車室内バックミラー、サイドミラー等のリアビジョンシステム。事業部門としては、リアビューシステム、コマンド・コントロールシステム、アンダーフードシステム、商用車、ドア・シートシステムの6ユニットを配している。

去る2014年9月、パナソニックとの資本・業務提携契約を締結。この契約に基づきパナソニックが2015年6月30日付けで同社の株式の49%を取得。両社は双方の技術を融合して電子ミラーおよび先進運転支援システム (ADAS) の開発を加速させた。

事業収益の柱となる主要製品は、先の事業部門に準じており、リアビューシステム 、外装リアビューミラー 、ライトシグナル付きリアビューミラー 、リアビューミラー統合アンテナ、内装リアビューミラー、トラック用リアビューミラー、バス用リアビューミラーとなっている。