日産自動車、排出ガスゼロ・事故ゼロの実現に向けた技術投入とパートナーシップを発表


自動運転車の普及に向けNASAの技術をベースに開発した技術投入。 次期型「日産リーフ」の投入計画。無人運転車の実現に向けた実証実験の開始などを発表

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は1月5日、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー2017(CES 2017)にて、同社の会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス ゴーンが基調演説を行い、ゼロ・エミッションとゼロ・フェイタリティのモビリティの実現に向けた革新的な技術とパートナーシップを発表した。

ゴーン氏は冒頭で、「日産が当初から取り組んでいるのは、それぞれのモデルに最適な技術を搭載し、できるだけ多くのお客さまに価値を提供することです。

それは『クルマがエネルギーをどのように使い』、『どのように走り』、そして『社会とどのようにつながっていくのか』、という3つの領域における日産の指針であり、それらが単なる技術の枠を超えて価値を創造することにあります。

今日、世界は気候変動、交通渋滞・事故および大気汚染の悪化などの深刻な問題に直面しています。

企業としての社会的責任を果たすため、日産はクルマでの移動をより安全、よりスマートに、より楽しいものとすることをコミットしており、『ゼロ・エミッション』、『ゼロ・フェイタイリティ』の達成を最終目標と定めています。

それこそ、まさに我々が『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』を通してお客さまにお届けしたいものなのです」と述べた。

さらにゴーン氏は、今回の基調講演にて以下の主要な発表を行った。

<シームレス・オートノマス・モビリティ(SAM)>
その1つ目は「ニッサン・インテリジェント・インテグレーション」の1ジャンルで、自動運転車の実用化技術である「シームレス・オートノマス・モビリティ(SAM)」である。

この「SAM」は、NASAの技術をベースに開発されたもので、自動運転車が予期せぬ状況に直面した際、車載人工知能(AI)の意思決定を人間がサポートすることにより、AIの深層学習を支援するものだ。

日産ではCES会期中に、日産ブースとシリコンバレーをつなぎ、この「SAM」が現実社会において、どのように機能するかをライブデモを通して説明していく。

この技術は、日産車だけでなく全ての自動運転車に対して、事故・路上の障害など不測の事態に直面した際に、クルマを安全に誘導できる手段を提供する。

そして何百万台の自動運転車が、人間のドライバーと共存できるようになるまでの掛かる時間を早めていくと云う。

<日本の国家戦略特区で、無人運転技術の開発に取り組む>
また、こうした自動運転車戦略をさらに強力に推し進めるため、無人運転車の商用活用を目論んだ実証実験を、今年日本国内で開始する。

具体的には、株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)と共に、日本政府が打ち出した「ゼロベース特区 <PDF・第26回国家戦略特別区域諮問会議・議事要旨>(これまでの規制緩和スタイルではなく、法体系を自動運転車が走行する事を前提に、ゼロから適切な法規制を考え・組み立てていく特区)」と呼ぶ国家戦略特区にて、無人運転技術の開発に集中的に取り組む。

将来的にはそのスコープを拡大し、2020年までには首都圏および地方都市にてモビリティ・サービスでの技術活用の検証を含んだ実証実験を行う構えだ。

https://www.youtube.com/watch?v=fKoC9k5b3uo

これまでのアライアンスの実用化戦略は、4つのステージからなる。「ステージ1」は、高速道路における同一車線の自動運転技術で、2016年8月に「プロパイロット」で実現した。

「ステージ2」は高速道路における複数レーンの自動運転である。日産はこれを2018年までに実用化させる。

「ステージ3」は市街地の自動運転で、2020年までの実現を見込んでいる。そして最終段階の「ステージ4」が完全自動運転であり、無人運転を可能にする。

<日産リーフのEVに、プロパイロット搭載へ>
2010年に発売した電気自動車「日産リーフ」は累計販売台数25万台を超えた。

日産はこのポジションを盤石なものとすべく、同車の新型モデルを近い将来に投入する。

日産では、これこそが「ニッサン・インテリジェント・パワー」の次章の始まりとなると述べ、追加投入される新型車には高速道路の同一車線での自動運転技術「プロパイロット」が搭載される。

<マイクロソフトのパーソナルアシスタント技術コルタナ>
コネクテッド・カーの分野でルノー・日産アライアンスは、マイクロソフトとのパートナーシップのもと、次世代のコネクテッド技術を構築する。

具体的には、マイクロソフトの音声制御によるパーソナルアシスタント技術「Cortana(コルタナ)」が運転時の生産性とシームレス化を高める。

このコルタナは、検索エンジンとアシスタントの両方の機能を持ち、アップルのSiriやAndroidのGoogle Nowへの対抗策として誕生した。

マイクロソフトは、このコルタナの機能を高度な領域まで高めることで、競合の音声アシスタントのシェアを奪うことも狙っており、ルノー・日産アライアンスとマイクロソフトが共同で、その可能性を検証している技術の1つでもある。

<Microsoft Azure>
ルノー・日産アライアンスは、手頃な価格の量販車向けの自動運転技術とコネクテッド機能を開発している。

アライアンスが開発するコネクテッド技術は、2020年までに自動運転技術を10モデル以上に搭載する計画を表明しており、自動運転技術のメリットの1つである車内の時間をより効率的に過ごすためのサービスを提供していく。

このコネクテッド・サービスは、マイクロソフトのインテリジェントクラウドプラットフォームの1つである「Microsoft Azure」をベースにした「Microsoft Connected Vehicle Platform」を利用して提供する。

これにより、高度なナビゲーション、予防メンテナンス、車両向けサービス、クルマの各種機能の遠隔モニタリング、無線ネットワークによるアップデートを通じて、ドライビングエクスペリエンスを改善する。

ちなみにルノー・日産アライアンスが「Azure」を選んだ理由の1つは、エンタープライズグレードのセキュリティ、コンプライアンスに対するマイクロソフトの厳格なコミットメントがあるためだ。

また、「Azure」は複数の基本ソフト(OS)とプログラミング原語やツールをサポートするための共通プラットフォームを構築し、アライアンス傘下のブランドに合ったサービス開発の際に、柔軟性を発揮する。

https://youtu.be/1d2EGmA-ToU

<日産が100レジリエンス都市のパートナーに>
なお、これらの技術が、世界中の都市で実際に活用されるよう、日産はロックフェラー財団が手掛ける、都市が物理的・社会的・経済的に克服しなくてはならない課題解決を支援する「100レジリエンス都市」との新たなパートナーシップも発表した。

日産はこの「100レジリエンス都市」と共に、都市における自動運転、電気自動車、新たなモビリティ・サービスの基盤づくりを支援していく。なお自動車メーカーとして同団体のパートナーになるのは日産が初となる。

以上を踏まえてゴーン氏は、「我々は新しい車両やサービスの開発を後押ししていただける技術的なパートナーや、eコマース、ライドヘイリング、カーシェアリング、社会企業家の方にも取り組みに参加していただき、すべての人が最新の技術とサービスの価値を生活の中で享受できるようにしたいと思っています」と結んだ。

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