三菱ランサーエボリューション(LANCER EVOLUTION)23年間の歴史(その5)


1997年からWRCでは、より広範囲な改造が認められるWRカー規定が導入され、ライバルメーカーはこれに移行したが、三菱自動車は、従来のグループA規定での参戦を継続した。

これを踏まえてラリーカーの性能向上に必要な技術要件は、市販車に盛り込むという方針のもと、WRカーに対抗できる改良を施したランエボⅤこと『ランサーエボリューションⅤ』を1998年1月に発売した。

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ボディは、アルミ製フロントブリスターフェンダーとリヤオーバーフェンダーを採用したうえで、前後トレッドをWR カーと共通の1770mmまで拡大。 フロント倒立式ストラットを採用するとともに、タイヤを225/45ZR17にサイズアップして旋回性能を向上。

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また、brembo社製大径ブレーキを採用して制動性能も大幅に向上させている。

エンジンは、ピストンの軽量化、ターボチャージャーのノズル面積拡大などにより、最大トルクを38.0kgf-mまで増大。

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フロントグリルの開口部を拡大して冷却性能を向上させたほか、カナード形状のバンパーエクステンション、アルミ製迎角調整式リヤスポイラー&ウイッカーの採用により、空力性能も向上。

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WRCでは、1998年の第5戦カタルニアから第13戦グレートブリテンまで参戦し、WRカーと対等以上の走りを披露し、トミー・マキネンが3年連続のドライバーズチャンピオンを獲得。

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また、リチャード・バーンズの活躍もあり、三菱自動車初のマニュファクチャラーズチャンピオンも獲得した。

LANCER EVOLUTION V (1998年1月発売)
■ランサーエボリューションV 改良点
・全長:4350mm×全幅:1770mm×全高:1415mm
・トレッド前:1510mm(+40mm)/後:1505mm(+35mm)
・トレッド拡大でシリーズ初の3ナンバーボディとなる
・ターボチャージャーのノズル面積拡大 ・最大トルク2kgf-mアップ(38.0kgf-m/3000rpm)
・フロントキャンバー調整機構設定
・フロント倒立式ストラット採用
・ステアリングギアボックス配置変更、ジオメトリー最適化
・リヤロールセンター高の見直し
・Brembo社製ブレーキシステム初採用 (前:17インチ4ポッド/後:16インチ2ポッド)
・タイヤサイズ:225/45R17へ変更
販売台数7,617台

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