ミシュランの株式合資会社・コンパニー・ジェネラル・デ・ゼタブリスマン・ミシュラン（Compagnie générale des établissements Michelin 、CGEM、本社：フランス・クレルモン＝フェラン市、取締役会長：ミシェル・ロリエ、ＣＥＯ：ジャン＝ドミニク・スナール）は2月24日、2015年12月31日期末の業績を発表した。
2015年度の業績概略は、買収算入前に於いて9億6,500万ユーロのフリーキャッシュフローを創出。製品の販売トン数は市場を上回る3.2%の増加を記録。
特別損益算入前の営業利益は、4億700万ユーロ増の25億7,700万ユーロで売上高比12.2%を達成。来る2016年度は、さらなる販売増を見込む。
営業利益面をより具体的に見ると、取り扱い販売トン数で全事業セグメントに於いて業界平均を上回る3.2%増を達成した。
なかでも乗用車・ライトトラック用タイヤが伸張（6.7%増）。乗用車・ライトトラック用タイヤ部門に於いても8.7%増。都合、第4四半期の伸び率はグループ全体で4.2%となっている。
営業利益率に目を転じると、乗用車・ライトトラック用タイヤ部門が2014年下半期比2.6ポイント上昇の12.2%。トラック用タイヤ部門は2014年下半期比2.6ポイント上昇の11.1%。
さらに特殊タイヤ部門でも通年で18.6%増となり、いずれも好調な下半期（12.3%）を反映したものとなった。なおフリーキャッシュフローは、3億1,200万ユーロの買収算入前で9億6,500万ユーロとなっている。
なお債券に関しては2015年、ミシュラン株の4億5,100万ユーロの株式買戻しおよび株式消却（発行済資本比2.7%）に続き、2016年1月に株式買戻し計画の新たな限度額を発表。
併せてグループの将来への信頼を反映して、配当性向37%となる1株当たり2.85ユーロの配当が、2016年5月13日の年次株主総会で株主に提案される予定となっている。
2015年期末の業績結果を受けて、同社ＣＥＯのジャン=ドミニク・スナール氏は、「当社はグループ全体が生み出す高い付加価値を武器に、業界平均を大きく上回る成長を収め、すべての事業に於いて新たな市場を獲得。2016年を迎えるなか利益率の伸張も大きく拡大しています。
そうしたなかで当社は、『顧客サービスの強化』、『業務活動の効率化』、『デジタル・ソリューションの展開』、そして『部門各チームへの権限付与』の4つの課題に取り組み、経営基盤のさらなる強化を目指していきます」と述べている。
最後に2016年度の見通しだが、乗用車・ライトトラック用タイヤおよびトラック用タイヤの需要は成熟市場では上昇が続き、新興市場では、引き続き2015年のトレンドに沿ったものとなる見込みと云う。ただし一方で特殊タイヤの需要は、鉱業会社の在庫削減による影響を受けると予想している。
こうした環境を踏まえたミシュランの2016年の目標は、少なくとも事業を展開している市場に於いては、経済トレンドと一致した販売量の成長、為替レート変動による影響を除外した営業利益（特別損益算入前の営業利益）の増加、および8億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローを達成することにある。
特に2016年から2020年に掛けては、グループ全体の営業利益率（特別損益算入前の営業利益率）で乗用車・ライトトラック用タイヤセグメントでは11%から15%、トラック用タイヤセグメントでは9%から13%、そして特殊タイヤセグメントでは17%から24%という目標を掲げている。
