JFE(ジェイ エフ イー)スチール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木厚司)の西日本製鉄所(福山地区)の大径鋼管製造設備『NEOプレス』を活用した「プレスベンド鋼管の高能率製造プロセス」がこのたび、一般財団法人機械振興協会から「第13回新機械振興賞」の機械振興協会会長賞を受賞し、2月18日に機械振興会館(東京都港区)にて表彰式が行われた。
新機械振興賞は、我が国機械工業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発及びその成果の実用化によって、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関及び研究開発担当者を表彰するもの。
同社の新機械振興賞受賞は昨年の経済産業大臣賞に続き、3年連続5回目となった。
1.受賞案件
プレスベンド鋼管の高能率製造プロセス
2.受賞者
堀江正之氏、同社スチール研究所・圧延・加工プロセス研究部 主任研究員を代表とするグループ
3.開発技術の概要
世界のエネルギー需要が拡大を続ける中、天然ガスや石油の開発地域や開発環境は多様化しており、より遠方からの大規模かつ効率的な輸送のための厚肉・高強度の大型溶接鋼管の需要が高まっている。
このような厚肉・高強度の鋼管は、鋼板をプレスして曲げ加工する際に、数十回のプレスによって滑らかな円弧を得て製造していたため、能率および生産能力に課題があった。
そこで、同社は、プレス曲げ後の鋼管の形状を効果的に矯正する技術を開発し、プレス回数を数十回から11回に削減した、高能率プレスベンド方式の大径鋼管製造設備『NEOプレス』を西日本製鉄所(福山地区)溶接管工場に2011年に設置し、世界最厚レベルの厚肉・高強度鋼管の高能率製造体制を確立した。
本プロセスで製造した鋼管は、海外オイルメジャーが開発する大型プロジェクト向けの高級鋼管に採用され、エネルギーコストの低減、エネルギー供給の安定化に貢献している。※「NEOプレス®」はJFEスチール(株)の登録商標。