ポルシェJAPAN、カレラカップジャパン2016合同テストを実施


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ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)とポルシェ カレラカップ ジャパン (PCCJ) 委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2016シーズンの合同テストを、3月22日(火)、23日(水)の2日間にわたり、富士スピードウェイ(静岡県)で開催した。

2001年のスタートから、今年で16シーズン目を迎えたポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)。2016シーズンは、4月9-10日の第1-2戦岡山国際サーキット(岡山県)を皮切りに、6イベント全10戦が開催される。

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開幕に先立ち、合同テストが3月22日(火)、23日(水)の2日間、富士スピードウェイで行なわれ、不参加の2台を除く17台が参加(内、#14 GARMIN PORSCHEと#78 SKY Racingはオーディションを実施)。1日2セッションの計4セッションに臨んだ。

今季の車両は、2014年の導入から3季目を迎える「ポルシェ911 GT3 Cup」(Type991)。3.8リッター水平対向6気筒のエンジンは最高出力460psを発生し、変速操作はパドルシフトで行なう。

ミシュラン製スリックタイヤは、前モデルより出力性能が上がったType991に合わせ、前後ともタイヤ幅を拡大し、グリップ力および信頼性の両面からドライバーを支えている。

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このほか、ブレーキ性能や安全性なども含め、レーシングマシンとしての総合性能が高められており、ワンメイクレースの最高峰カテゴリーのマシンとしてふさわしいパフォーマンスを実現している。

クラス区分は2015シーズン同様に、全ドライバーが対象の「オーバーオール」と、アマチュアドライバーが覇を目指す「ジェントルマンクラス」の二つのクラスから成っている。

合同テスト初日の3月22日(火)の セッション1(13時00分~13時55分)は、天候:晴れ・路面:ドライ・気温19度・路面温度23度の環境となり、PCCJオフィシャルドライビングアドバイザー影山正美選手によるコースチェックを兼ねた走行が終わると、各車が次々とコースへ。

セッション序盤は、各ドライバーとも持ち込みセットの確認や慣熟を兼ねた走行で、ユーズドタイヤを履いている車両がほとんどだったこともあり、全般的にラップタイムは控えめとなった。

後半、2015年ジェントルマンクラス王者の#9武井真司選手らが牽引しながら全体的にタイムが伸び始めたところでセッションが終了。武井選手は1分44秒247の3番手となった。

その武井選手は、「今年の目標はオーバーオールでのチャンピオン。ただ、富士をポルシェで本格的に走るのは久しぶりなので、1回目は肩慣らし程度で。2016モデルの新車+ニュータイヤでのタイヤの内圧を探っているところです」と語っていた。

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2回目となった3月22日(火)の セッション2(15時20分~15時55分)は、天候:晴れ・路面:ドライ・気温13度・路面温度18度の走行環境。

同日のセッション2は、15時から開始の予定だったが、コース整備が入り、15時20分からに変更となった。

このセッションではマシンの慣熟も終えたことで多くのドライバーがニュータイヤを投入し、タイムを伸ばしてきた。

特に、PCCJ参戦2年目となる、2015年ジェントルマンクラスシリーズ2位の#25内山清士選手、同9位の#10齋藤真紀雄選手らは2秒前後と大幅にタイムアップ。

一方、武井選手、2013年ジェントルマンクラス王者の#2田島剛選手、2014年同クラス王者の#7星野敏選手などのベテラン勢は不完全燃焼のまま終了となった。

セッション1から約0.4秒の短縮に留まった田島選手は、「ニュータイヤでペースを上げて、と考えていましたが、パワステの調子が良くなく、タイムが伸びませんでした。明日ですね」と2日目をにらむ。

武井選手は、サスペンションパーツにトラブルがあった模様で、「これを解決すれば43秒台に入れられるはずです。特に心配していません」と、2015年第3-4戦富士の予選で記録した自らのベストタイム1分43秒493をターゲットに入れていた。

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明けて2日目、3月23日(水)の セッション3(11時00分~11時55分)は、天候:晴れ・路面:ドライ・気温13度・路面温度18度。この日も朝から青空がのぞき、絶好のドライコンディションでセッションが始まった。

2日目からは、#19永井宏明選手、#52春山次男選手などPCCJおなじみのドライバーに加え、ルーキーの#47 TAD JUN JUN選手も参加。

パドックのテンションも徐々に高まりを見せてきた。ただ、最後のセッション4に向けてニュータイヤを温存し、ここではユーズドタイヤで周回を重ねていたマシンが多く、タイムを更新したドライバーはわずかに留まった。

同じく3月23日(水)のセッション4(14時00分~14時55分)、天候:晴れ・路面:ドライ・気温18度・路面温度19度の元、約2週間後に控えた岡山での開幕戦や、今季6戦が開催される富士での本番を見据え、各ドライバーがニュータイヤでターゲットタイムを目指す展開となった。

田島選手は、序盤に今回のテストでの自己ベスト1分44秒511を記録。「クルマ(2016モデル)がイメージどおりの挙動をするようになってきましたね。開幕戦は獲りにいきます。マークは剛(覇矢人)選手」と3年ぶりの戴冠へ上々の仕上がりのようだ。

その田島選手を上回ってきたのが星野選手。テスト1日目は、ニュータイヤでもタイムが伸び悩んでいたが、セッション中盤に1分44秒462を計時。しっかりとまとめてきた。

「ブレーキングでもう少し詰められるはず。1分43秒台に入れたかった。でも、富士ラウンドに向けてフィーリングは良好です。今年は表彰台に乗りたいですね」と手応えを語っていた。

武井選手は、1分43秒台に突入したが、自己ベスト更新までには至らず。「タイヤの内圧が想定外に上がらなかったので、ピットインで対処しながらのタイムでした。それがなければ、自己ベストは出せたはず」と話していた。

なお今季からPCCJに参戦するルーキードライバー6人も、おおむね好感触を得て、テストを終えた。

ルーキーの中でトップとなったのは、2015年ポルシェGT3カップチャレンジ ジャパンのオープンクラス王者の#99佐野新世選手。

セッション1~3では「Type991やパドルシフトなどを習熟しつつ、さまざまなセッティングを試していた」ということで、タイムは1分45秒台に留まっていたが、セッション4では「エンジニアがセッティングを好みのオーバー方向にしてくれた」ことで、1分44秒405まで短縮した。

そのほかのルーキーで好タイムを刻んだのは、セッション4に1分45秒051をマークした#6米倉正憲選手。

「最後にニュータイヤで出しましたが、途中のトラフィックがなければ、44秒台もいけたはずです」とこちらも詰められる余地を残していた。

米倉選手は、2008年S-FJ岡山王者で、昨年FIA-F4にも参戦するなど、レース経験は充分。ただ、「ツーリングカーもポルシェも初めてなので、まずは慣れながら」と徐々にギヤを上げていく様子だ。

テスト2日目から参加のTAD JUN JUN選手も、高い順応性を見せたひとり。セッション3での1分46秒171からセッション4では1分45秒328まで縮めてきた。

「45秒台という今日の目標はクリアできました。ミシュランタイヤの特性もだいぶ分かってきましたし、ノーミスで終えられたことも良かったです。レース本番には集中力を高めて臨みたい」と話していた。

結果、今回のPCCJ合同テストは大きな混乱もなく終了し、約2週間後の開幕戦岡山を迎えるのみとなった。テストの内容を見る限り、開幕戦からルーキーが上位に食い込んでいく展開も予想される。

Porsche Carrera Cup Japan 2016 レースカレンダー
Round Date/Circuit/Event Name
– 第1~2戦:
4月9日-10日/岡山国際サーキットSUPER GTシリーズ 第1戦

– 第3~4戦:
5月3日-4日/富士スピードウェイSUPER GTシリーズ 第2戦

– 第5~6戦:
6月4日-5日/富士スピードウェイ ザ・ワンメイク祭り*カレラカップアジア併催イベント

– 第7~8戦:
8月6日-7日/富士スピードウェイSUPER GTシリーズ 第5戦

– 第9戦:
8月27日-28日/鈴鹿サーキットSUPER GTシリーズ 第6戦

– 第10戦:
10月7日-9日/鈴鹿サーキットFIA フォーミュラ1日本グランプリ