本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)は、FIA※フォーミュラ・ワン世界選手権、第12戦イタリアGP(開催地:モンツァ、9月4日~6日)のオープニングを迎える。
今大会のサーキット情報について、株式会社本田技術研究所・専務執行役員、F1プロジェクト総責任者の新井康久氏が、プレビューコメントを発表している。
「ベルギーGPでは、燃焼特性を改良したV6エンジンを投入しましたが、金曜、土曜日のフリー走行での時間ロスが日曜日のレースに影響してしまいました。
エンジン単体の出力が向上していることは走行でも確認できましたが、シーズンで最も難しいサーキットと言っても過言ではないスパ・フランコルシャン・サーキットで成功するには、パワーユニットを形成する6つのすべてのコンポーネント(エンジン、ターボ、MGU-H、MGU-K、ES〈エナジーストア〉、電装)が最大の効率を発揮することが必要で、特にMGU-Hでの回生がキーとなりますが、それが果たせませんでした。
モンツァは、スパのようなアップダウンやテクニカルコーナーはなく、ストレートと高速コーナーのみが存在するシンプルなレイアウトです。
ここでのスロットル全開率はスパより高く、シーズンで最も高速なサーキットのため、パワーユニットへの負担は非常に大きくなります。
また、マシンのドラッグを最小限にセッティングする必要があり、チームにとってはスパに続いて難しい週末となることが予想されます。
我々にはやるべきことはまだ沢山ありますが、マシン全体としては正しい方向に向かっています。一つひとつの技術を仕上げて全体の性能を上げる努力を続けていきます」
レース日時:
・9月4日(金):フリー走行1 10:00~11:30 (日本時間 17:00~18:30)
フリー走行2 14:00~15:30 (日本時間 21:00~22:30)
・9月5日(土):フリー走行3 11:00~12:00 (日本時間 18:00~19:00)
予選 14:00~15:00 (日本時間 21:00~22:00)
・9月6日(日):決勝レース 14:00~ (日本時間 21:00~)
※決勝レースは53周完走、もしくは2時間経過時点の周回で終了
サーキット情報:
サーキット名:アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ(モンツァ・サーキット)
所在地:イタリア・モンツァ
コース全長:5.793km
周回数:53周
トップスピード:時速360km
2014年優勝者:ルイス・ハミルトン(メルセデス・AMG・ペトロナス・F1チーム)
2014年ファステストラップ: ルイス・ハミルトン 1分28秒004 (メルセデス・AMG・ペトロナス・F1チーム)
ラップレコード: 1分21秒046 (2004年、ルーベンス・バリチェロ、フェラーリ)
特徴:F1で最も速いと言われる、伝統的なモンツァ・サーキットはタイヤ、パワーユニット、ドライバーのすべてにとって厳しい。F1レース最多開催数を誇るモンツァは、ストレートが多いフラットなコースのため、コースの約80%がスロットル全開で走行される。
この特徴により、他のサーキットよりもダウンフォースが必要とならないため、各チームがこのレース専用のエアロパーツを持ち込むことも多い。
タイヤ面では、今年はピレリが昨年と異なる選択を発表した。昨年使用されたハードとミディアムという硬めの2種類のコンパウンドから、ソフトとミディアムという柔らかい2種類となる。
当然ながら、マシンのグリップ感も変われば、それぞれのタイヤの寿命が異なるため、各チームのピットストップの戦略がどのように変化するのかも見どころとなるだろう。また夏のモンツァは暑いというイメージだが、今週は25℃前後で雷雨など不安定な天気が続くとの予報。ウエットレースの可能性もあり得る。