三菱マテリアルら、EV用Li-ion電池からレアメタル回収へ


日本磁力選鉱と、xEV(電動車両)用リチウムイオン電池からコバルトやニッケル等をリサイクルしていく技術を確立

三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小野 直樹)と日本磁力選鉱株式会社(本社:北九州市小倉北区、代表取締役社長:原田 信)は8月20日、リサイクル需要拡大が見込めるxEV(電動車両)用リチウムイオン電池からコバルト、ニッケル等をリサイクルする技術を共同開発した。

ハイブリッド車を含む自動車のEV化によってリチウムイオン電池の需要は今後も拡大していくが、その一方で同電池材料のコバルト等のレアメタルは供給不足が懸念されている。

そこで三菱マテリアルと日本磁力選鉱は、経済産業省や環境省による実証事業を通じて、使用済みリチウムイオン電池の放電、解体、熱分解、輸送等に関するリチウムイオン電池リサイクルの研究開発に取り組んできた。

そのなかで使用済みxEVに搭載されたリチウムイオン電池、及び電池製造メーカーで発生する工程内不良品等からコバルト、ニッケル等を高効率に回収する総合的なリサイクル技術を確立した。

写真は、設置・開発されるコバルト、ニッケル精製装置
写真は、設置・開発されるコバルト、ニッケル精製装置

具体的には、リチウムイオン電池の活物質からコバルト、ニッケルを回収する精製装置を日本磁力選鉱ひびき工場(所在地:福岡県北九州市若松区響町)の敷地内に設置する予定。

今後、熱分解からコバルト、ニッケル回収までを実施するリチウムイオン電池リサイクル設備を本年度内に稼働し、事業化に向けた改良・共同開発をさらに推し進めていく。

*:なお記事内の「xEV」は、電動車両の総称。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)などが含まれる。