スズキ(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏)は3月4日、カナデビア(本社:大阪府大阪市、取締役社長兼CEO:桑原道)より全固体電池事業を2026年7月1日に譲受することについて、カナデビアと事業譲渡契約を締結した。
ちなみに上記カナデビア(企業沿革へのリンク)
は、旧・日立造船(造船事業からは撤退)が、2024年10月1日に社名変更した大手総合機械&プラントメーカーで東証プライム上場企業。
大阪鉄工所を源流とする近代重工業の発祥企業と言える同社は現在、環境装置、工場設備・産業機械、発電設備などを手掛けている。なおカナデビアは現在、日立グループではなく、環境・脱炭素分野を核とした「サステナブルな社会」への貢献を目指してグローバルに事業展開を行っている。
そんなカナデビアは、2006年に全固体電池の開発を開始。同社製全固体電池「AS-LiB®」は、独自に開発した乾式製法により、液漏れがないなどの高い安全性や耐環境性、広い温度域での稼働などを実現し、宇宙や高温・真空状態などの特殊用途向けに強みを有している。
先の2022年3月には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)」との共同実証研究に於いて国際宇宙ステーション(ISS)を構成する「きぼう」日本実験棟の船外 にAS-LiB®(140mAhタイプ)を基にした全固体電池軌道上実証装置を設置し、世界で初めて宇宙曝露空間での充放電動作の確認に成功した。
また2024年には、JAXAより「宇宙飛行証明書(Certificate of Space Flight)」を受領した。
更に2023年には、半導体製造装置向け用途で商業ベースの受注を獲得。1,000mAhタイプの開発と並行して、全固体電池事業の本格展開を進めてきた。
そうしたなかで、近年は全固体電池分野の開発競争が一段と激化。AS-LiB®の更なる性能向上、量産体制の構築、販売強化を迅速に進める必要が高まってきた。
そこでカナデビアでは、多様なパート ナーシップの可能性を検討してきたなかで、EVを代表とする電動モビリティおよびリチウム イオン電池の開発を行っているスズキに事業を引き継ぐことが、自社の全固体電池技術をより一層発展させ、産業界の成長に寄与すると判断してスズキとの事業譲渡を決定した。
対してスズキは同事業譲受によって、これまでカナデビアが培ってきた全固体電池技術を継承・発展させていくと話している。
なお事業譲受の実行は所定の前提条件の充足を条件としている。
(1)事業譲渡の概要
譲渡事業の内容:全固体電池事業(全固体電池の技術開発、設計、販売など)
(2)譲受事業の経営成績および資産、負債
*譲渡事業の経営成績については守秘義務により非開示。
*譲渡事業の資産、負債等については当該事業単独の算定が難しいため非開示。
(3)譲受価額および決済方法
譲受価額:守秘義務により非開示
決済方法:決済方法は現金となる
(4)日程
取締役会決議日:2026年3月4日
契約締結日:2026年3月4日
事業譲渡期日:2026年7月1日
(*補足参考)なおカナデビアでは同事業譲渡により、2027年3月期第2四半期の個別決算および連結決算に於いて、それぞれ事業譲渡益約74億円を特別利益として計上する見込みとしている。


