7基の水素充填設備導入に対し、州政府より約1,600万米ドルの補助金提案
ロイヤル・ダッジ・シェル(本社:オランダ・ハーグ、CEO:ベン・バン・ベアーデン、以下、シェル)と、トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、社長 : 豊田章男、以下、トヨタ)は、燃料電池自動車(以下、FCV)の普及に向け、米国カリフォルニア州に於ける水素ステーション網の拡充で協力する。
具体的には、現地2月17日、同州のカリフォルニアエネルギー委員会(California Energy Commission)が、補助金交付先提案書(Notice of Proposed Award : 以下、NOPA)を公表。
そうしたなかシェルは、既存ガソリンスタンド7か所への水素充填設備導入を進めていたが、これを受けて合計16,362,500米ドルの補助金が、正式承認に向け提案された。
今回のNOPAは、低炭素燃料・技術の更なる普及に向けた同州での様々な取り組みのなかの重要な一歩となる。トヨタは、今回の協力に於いて、当該水素充填設備の運営に対し資金面での支援を行う。
北米トヨタの先進技術車担当のシニアマネジャーであるクレイグ・スコット(Craig Scott)氏は、「FCVが主流のクルマとして普及するには、信頼性・利便性の高い水素充填設備をアクセスの良い場所に整えることが重要である。
シェルとの協力により、同州の水素ステーション整備の取り組みにエネルギー会社の専門性や経営資源を活用できるようになる。
今後も両社で力を合わせ、水素社会の実現にまた一歩近づいていきたい」と語った。
ちなみにトヨタは、かねてより協業を通じ、米国における水素ステーション網拡充に向けた取り組みを支援している。
カリフォルニア州では2014年に、ファーストエレメント・フューエル(FirstElement Fuel)社との間で、同社による19基のステーション運営を資金的に支援することで合意。
また2016年には、エア・リキード(Air Liquide)社との間で、ニューヨーク、ニュージャージー、マサチューセッツ、コネチカット、ロードアイランドの5州における計12基のステーション運営で協力していくことを合意・公表している。
シェルの水素担当ゼネラルマネジャーであるオリバー・ビショップ(Oliver Bishop)氏は、「FCVは利便性と大気環境改善の両立において、重要な役割を担う可能性を秘めている。
水素社会の実現には、今回のような政府・業界間の協力がカギとなる。FCVの普及を進め、カリフォルニア州政府のCO2削減目標達成を支援するための、またとない機会を得ることができた」と述べた。
シェルは、輸送用機器の燃料としての水素利用を促進すべく、様々な取り組みに参画。
ドイツでは、全国規模での水素ステーション拡充に向け、産官連携ジョイントベンチャー「H2 Mobility Germany」で政府・業界との協力を進めている。またカリフォルニア州ロサンゼルスでは、2基の水素ステーションを運営している。
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