仏・ヴァレオ(本社:フランス・パリ、CEO:ジャック・アシェンブロワ /Jacques Aschenbroich)は12月21日、車載テレマティクスとモバイル接続ソリューションの有力サプライヤーである独パイカー社(peiker)の買収を発表した。
この買収により、ヴァレオはデータ通信の安定性を背景した高速移動時の接続性に関する製品ラインナップを拡大することができる。
ヴァレオは、自社の車載エレクトロニクスにおけるノウハウをパイカーの専門技術と組み合わせることにより、高速の接続性とサイバーセキュリティを備えた新しいテレマティクスのシステムを自動車メーカー向けに提供することを目指す。
これらのシステムによって、車両間通信(V2V)と車両とインフラ間の通信(V2I)向けに、移動通信システム「LTE Advanced mobile(4G+)」に準拠した革新的な技術を提供していく構え。
直観的なドライビングの分野で独自技術を持つヴァレオは、超音波センサー、レーダー、カメラ、レーザースキャナー、ヘッドアップディスプレイとソフトウェアなどを駆使することにより、将来の車に関して、よりエネルギー効率が高く、より安全で、より直観的に運転できる先進技術を開発している。
同買収により、ヴァレオは車の自動走行と接続安定性の分野でのリーダーシップを強めていくとしている。
買収したパイカー社の2015年の売上は、3億1千万ユーロになると報告されており、これにより2016年以降のヴァレオの業績に好影響が見込まれる。なおこの買収は、独占禁止法の規制当局の承認対象となっている。
同買収に関し、ヴァレオの最高経営責任者(CEO)であるジャック・アシェンブロワ氏は、「このたびパイカーをヴァレオの一員として迎えることとなり、大変嬉しく思います。2015年初頭に技術協力に合意して以来、パイカーの専門家たちと深めてきた交流は実りの大きいものでした。
アンドレアス・パイカー氏とファミリーが数十年にわたって育んできた技術志向の文化は非常に価値のあるものです。
パイカーの技術、製品、サービスのラインナップは、ヴァレオの自動運転、接続性と直観的なドライビングの車というビジョンと完全に一致しています。
また、ヴァレオはこの買収により150名の経験豊かなエンジニアを含む700名の社員を迎えることになり、ドイツでの存在感を高めることができるでしょう」と述べた。
【ヴァレオグループについて】
自動車部品サプライヤーであるヴァレオは、CO2 排出量の削減と直観的なドライビング環境の構築に寄与する製品とシステムを提供してきた。
2014年度のヴァレオグループの売上高は、約127億ユーロであり、OEM売上の10%以上を研究開発に投資した。
ヴァレオは、30カ国に135カ所の工場、16カ所の研究センター、35カ所の開発センター、15カ所の物流センターを構え、約82,700人の従業員を擁している。またヴァレオはパリ証券取引所に上場しており、CAC40指数に採用されている。
ヴァレオグループについての詳細は右記URLを参照されたい。< http://www.valeo.co.jp >
【パイカーについて】
パイカーは通信技術の分野で、関連部品とシステムの有力サプライヤーとして成長してきた。パイカーの本社は、独・フリードリヒスドルフにあり、フランス、米国、中国とメキシコに支社を構えている。
同社は1946年に設立され、走行中に迅速で信頼性のあるデータ通信を可能にする自動車用の接続モジュールを供給している。車両に対して、これらのモジュールを利用することで、インターネット、ナビゲーションツール、メーカー固有の支援サービスや緊急通報システム(eCall)などが使えるようになる。
2015年度、パイカーグループは、世界に約1000人の従業員を擁し、約3億1千万ユーロの売り上げをあげている。
パイカーの詳細についての詳細は右記URLを参照されたい。< http://www.peiker.com >