車載分野で世界最大のエレクトロニクス商社誕生
豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、代表取締役社長:加留部 淳、以下、豊田通商)は、グループ内のエレクトロニクス事業を再編し、2017年4月に新事業会社(以下「新会社」)として統合する方針を決定した。
なお、新会社商号や経営体制については、今後詳細を検討の上、2016年12月末を目途に決定する方針であると云う。
1. 再編の概要と背景
豊田通商グループは、半導体・電子部品の販売、ソフトウエア開発などのエレクトロニクス関連事業を営んでおり、関連売上高は1兆円を超え、総合商社として最大規模の事業を行っている。
技術革新のスピードが速く、顧客・市場ニーズが多様化しているエレクトロニクス業界では、近年世界市場における中国や韓国メーカーの台頭といった情勢の変化が加速しており、エレクトロニクスメーカーを取り巻く環境は大きく変化。
一方で、車載分野では「つながる技術」や「自動運転」などに情報通信や家電AV機器技術、AI(人工知能)などの最先端技術が応用されている。
また、産業機器分野においては「IoT」などによる社会インフラや製造工程の高度化が模索されるなど、エレクトロニクス市場拡大が期待されてもいる。
これらを踏まえて豊田通商は、2014年12月に完全子会社化した株式会社トーメンエレクトロニクス(以下「トーメンエレ」)と、2003年に100%子会社として設立した株式会社豊通エレクトロニクス(以下「豊通エレ」)を統合すると共に、豊田通商の海外現地法人におけるエレクトロニクス事業(以下「豊通海外エレ事業」)を新会社に事業移管する方針を決定した。
この再編が実現した場合、新会社の売上高合計は約4,600億円で、エレクトロニクス商社の中で世界第4位となり、自動車向けでは3,000億円を超え世界第1位となる。
2. 再編の目的
世界のエレクトロニクス商社業界では海外商社が売上高上位を占めているが、新会社は、世界レベルのエレクトロニクス商社として存在感を発揮できる規模となる。
それと同時に、同社は各社の強みを結集することで「品質・技術と機能による差別化」を進め、豊田通商グループの世界90カ国以上に展開する海外ネットワークを活用したグローバルな事業展開を加速する。
3. 今後の取り組み
この事業再編により、トーメンエレが情報通信や家電AV分野で培った先進技術の活用ノウハウを車載分野に応用する。
さらにこれと共に、豊通エレが車載分野で培ったソフトウエア開発や品質サポート機能などの優位性を産業機器などの他分野へ展開することで、変化する顧客ニーズに品質・技術と機能で応えていく。
また、豊田通商グループ各社が持つ多様な技術・ノウハウを結集してエレクトロニクス技術の進化を社会の豊かさへと結実させていくとしている。
<新会社 概要>
会社名:2016年12月末発表(予定)
設立年月:2017年4月(予定)
売上高:約4,600億円
従業員数 :約2,000名
海外拠点数:34拠点
事業内容:
半導体・電子部品、モジュールなどの販売、ソフトウェアの開発、販売、情報処理サービス業、情報提供サービス業
<トーメンエレクトロニクス 概要>
会社名:株式会社トーメンエレクトロニクス
代表取締役社長 :谷 重樹
設立年月:1972年9月
売上高(連結) :約2,200億円
事業内容:
半導体、モジュールおよび電子部品、ストレージなどの販売
<豊通エレクトロニクス 概要>
会社名:株式会社豊通エレクトロニクス
代表取締役社長:青木 厚
設立年月:2003年4月
売上高(連結):約2,400億円(豊通海外エレ事業含む)
事業内容:
半導体・電子部品の販売、ソフトウェアの開発、販売
情報処理サービス業および情報提供サービス業