トヨタとスズキ、資本提携に関する締結合意を正式公表


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)とスズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏)は2019年8月28日、資本提携に係る合意書を両社に於いて締結したと正式公表した。

写真は、先の2016年10月12日にトヨタ・スズキ双方で業務提携に向けた検討を開始した時のもの
写真は、先の2016年10月12日にトヨタ・スズキ双方で業務提携に向けた検討を開始した時のもの

それによると「自動運転分野を含めた新フィールドでの協力関係をさらに推し進めていくため、両社の長期的な提携関係の構築・推進を目指すとしており、今回は、これを背景に資本提携の合意書を取り交わしたとしている。

ここに至った経緯として両社は、先の2016年10月12日にトヨタ・スズキ双方で業務提携に向けた検討を開始。

それ以降、互いに納得出来る協業の形を検討し続けた結果、今年3月20日に「トヨタの電動化技術」と、スズキの「小型車技術」を持ち寄ることで両社の製品力を補完を出来ることに合意。

また上記の製品ベースの共同開発領域だけでなく、生産領域に於ける協業にも取り組むべく確認し、その検討を着手したこと。

さらに自動車産業界が、地球環境保全に起因する規制強化の矢面に立っていること。加えて異業種からの自動車産業界への新規参入。「CASE」「MaaS」に起因するモビリティビジネスの多様化など、これまでにない大きな変革期を迎えていることなどを挙げている。

そこで両社は、それぞれが得意とするものづくり技術を持ち寄り、事業基盤の強化を図るだけでに留まらず、新たな事業フィールドでも協力関係を深化させることで、未来に於ける持続的成長を目指す。

但し双方の協力関係を深化させていく一方で、これまで通り両社は競争者でもあり続けるとしている。なお当面両社は、協業の第一歩として自動運転分野を含む技術領域で長期的な協力体制を構築していく構えだ。

ちなみに相互の資本提携の内容だが、まずスズキが実施する第三者割当による自己株式の処分により、トヨタがスズキの普通株式 24,000,000株(2019年3月31日現在のスズキの発行済株式総数/自己株式を除く)に対する所有割合4.94%にあたる総額960億円を取得する。

このトヨタによるスズキ株の持ち分比率は上位株主から数えて3番目となり、実際に取得すれば事業会社として最多保有の法人となる。

対してスズキは、市場買付により480億円相当のトヨタ株式を取得する予定。スズキによるトヨタ株の持ち分比率は、28日の終値での換算で0.2%程度に相当する規模だ。

これらの株式取得は、海外の競争当局の承認が得られ次第実施されるとしている。