TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、8週間の夏季休暇期間を経て、今週末の9月7日(日)にアメリカ・テキサス州オースティンで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦「ローンスター・ル・マン」の舞台に立つ。
このサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は、アメリカでのWECのホームコースとして定着しており、今回が8度目のWEC戦開催となる。TGRにとっては、カタールと並び、WECでまだ勝利を挙げていない数少ないコースのひとつだ。
GR010 HYBRID7号車のマイク・コンウェイ選手は、先週のトレーニング中に発生した不慮の事故で鎖骨を負傷してしまったため、残念ながら今大会には参加できなくなり、代わりに小林可夢偉選手、ニック・デ・フリース選手と共に7号車をドライブするのはホセ・マリア・ロペス選手となった。
実は今回ロペス選手は、このCOTA戦でAKKODIS ASPチーム、レクサスRC F LMGT3をドライブする予定だった。
またGR010 HYBRID 8号車は、7月中旬に行われた前戦ブラジルをブレンドン・ハートレー選手と平川亮選手の2人体制で戦ったが、今大会はセバスチャン・ブエミ選手が復帰し3人体制で挑む。ちなみにブラジル戦ではパフォーマンスとスピードが不足し、2台とも上位争いに加われず厳しい結果となっている。
もとより今季のWECは、8つのマニュファクチャラーによる18台のハイパーカーで激しい競争を繰り広げられており、そのなかでTGRも絶え間ない努力を続け、今季初の表彰台を目指していく。
1周5.513kmのCOTAは、前戦ブラジルのインテルラゴス・サーキット同様に反時計回りのコースで、1コーナーへ向かう急な登り坂と、その後に続く連続し流れるような高速コーナーが特徴の壮観な前半セクター、更にラップ後半の、より狭くテクニカルなセクターで構成されている。
このような様々な種類のコーナーがあるオースティンでは、最適な車両セットアップを見出すことが大きな挑戦となる。特にタイトなターン12は、最高速300km/hオーバーから一気に60km/h以下へと減速しなければならず、WECシーズンの中でも最もハードなブレーキングゾーンのひとつだ。
COTAのレースウィークは、5日(金)に2回行われる90分間の公式練習セッションで始まり、ドライバーたちにとってGR010 HYBRIDのセッティングを詰める最初の機会となる。
翌6日(土)は1時間の最終練習走行の後、現地時間午後3時40分からハイパーカークラスの決勝グリッドを決める予選が行われる。6時間の決勝レースは、現地7日(日)の午後1時(日本時間翌8日(月)深夜3時)にスタートが切られる。
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小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
アメリカでのレースはいつも最高の経験です。モータースポーツを心から愛するファンの皆様が温かく迎えてくれ、会場の雰囲気も他のサーキットとは違って本当に楽しめます。COTAは素晴らしいサーキットで、走るのが本当に楽しいので、GR010 HYBRIDでまたこのコースを走るのが待ちきれません。
チームとしては、この数週間で前戦ブラジルでの課題を徹底的に分析してきました。オースティンでは力強いレースをお見せしたいと思います。もちろん、マイクが参戦できないことはとても残念ですが、ホセは代役として十分な実力を証明してきています。マイクの一日も早い回復を願うとともに、ホセの代役参戦を快く受け入れてくれたAKKODIS ASPチームにも心から感謝します。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
友人でもあるマイクが出場できず、とても残念に思います。彼もCOTAでのレースに出られないことをすごく悔しく感じているはずです。
一日も早い回復を心から願っています。チームのみんなとまた一緒に仕事ができるのは思いがけない機会で、すぐに昔のような雰囲気になると思っています。この挑戦に向けた準備は万端ですし、可夢偉やニックとともに全力を尽くして良い結果を目指します。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
もちろんマイクがいないことは寂しいですが、ホセのことはよく知っていますし、彼こそ最適な代役だと思います。昨年COTAでは非常に強いパフォーマンスを発揮できたので、今週末も同様に戦いたいと思っていますが、簡単ではないことも理解しています。
クリーンなレースウィークを過ごし、あらゆる面でパフォーマンスを最大限に引き出す必要があります。今季は結果につながっていませんが、チームとしては良い戦いを続けています。今大会ではグリッドの上位で戦えるよう、チーム全員でプッシュしていきます。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
ブレンドンや亮、そしてチームのみんなと再び一緒にオースティンに挑めることを楽しみにしています。前戦ブラジルでは、私が不在の中、チームが戦う様子を見ていて少し不思議な気持ちでしたが、常に状況を追っていました。
困難な状況にもかかわらず、全員が全力でプッシュし続けていたことがよく分かりました。今週末はより良いポジションを獲得し、再び上位争いに加われることを願っています。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
前戦ブラジルから時間が空きましたが、チームとしてレース復帰への準備は万端です。オースティンで上位争いに挑む気持ちは非常に高まっています。
オースティンは走っていて楽しいコースで、高速セクションとテクニカルなセクションが組み合わさっているため、セットアップの妥協点を見出すのは簡単ではありません。そのため、公式練習セッションで正しい方向性を掴むことが非常に重要です。
平川亮(8号車 ドライバー):
昨年初めてオースティンでレースをして、結果は満足のいくものではありませんでしたが、とても楽しめました。このコースはドライブするのがエキサイティング、かつドライバーにとって非常にチャレンジングなので、またここでレースができるのが楽しみです。
チーム全員が一日も早く表彰台争いに戻れることを望んでいますが、その道のりが簡単ではないことも分かっています。今週末はその目標に向けて全力で取り組みます。