日本電産、仏・PSAとEV用モーターの合弁会社設立へ


日本電産株式会社(本社:京都府京都市南区、代表取締役会長兼社長:永守重信)傘下の日本電産ルロア・ソマーホールディング社(Nidec Leroy-Somer Holdingm、本社:仏・アングレーム、取締役会長兼CEOけザビエ トランシャン)は12月4日開催の取締役会で、グループPSA社と自動車向けトラクションモータに関する合弁会社設立に向けた契約を締結した。

近年、地球温暖化や大気汚染対策として、世界各国がガソリン車・ディーゼル車の販売禁止をこの数ヶ月で相次ぎ発表するなど自動車のゼロエミッション化が世界潮流となっている。

この流れを受けて、自動車メーカー各社はEV化をこれまで以上に加速させている。この動きに伴い日本電産では車載モータ市場が2030年には6兆円市場に倍増すると目している。

中でもトラクションモータは、従来の内燃エンジンに代わる最重要部品の一つであることから競合各社も注目している。

これを踏まえ日本電産は予てより、車載モータ事業を重要な戦略的事業として位置づけ、先に同社が掲げた「中期戦略目標Vision2020」で売上高目標を7 千億円~1 兆円に据えて、成長及び強化に努めてきた。

今回、PSAとの合弁会社設立に動いている日本電産ルロア・ソマーは、今年2月に買収したフランスのモータメーカーで、産業用モータを筆頭に幅広い分野で事業を展開している。

一方、カルロス・タバレスCEOが率いるPSAは、環境意識高まる欧州でフォルクスワーゲンAGに次ぐ第2位のシェアを占める自動車メーカーとして躍進。

会見に於いてル・ボルネーヌ氏は来る2020年段階で、リリース車種の5割を電動モーター搭載車に、さらに2023年には8割の車種へと搭載率を高めていくと云う程、目下EV化の移行を積極的に推進している。

こうした両社は、今後の自動車産業におけるトラクションモータの戦略的重要性を重く受け止め、PSA向けの低コストで高効率なMHEV・EV・PHEV向けトラクションモータでの協業に合意した。

同合弁会社では、PSAが蓄積している自動車に関するノウハウと、日本電産ルロア・ソマーが保有するモータ技術および電装技術を組み合わせることで、主にPSA 向けに低コスト高効率なトラクションモータを開発・生産・販売していく。

具体的な出荷台数ベースで現在、年間430万台の出荷数値を皮切りに、2025年段階でPSAグルーブ販売車の約15%を電動モーター搭載車にしていくと述べており、

さらに合弁会社に於いてはグループ外の勢力浸透にも注力。他の自動車メーカーへの販売へも積極的に取り組む構えだ。

合弁会社の概要は以下の通り
(1)社名:今後決定予定
(2)本社所在地:キャリエール・ス・ポワシー、フランス
(3)設立日:2018年3月~4月(予定)
(4)主な事業内容:自動車用トラクションモータの開発・生産・販売
(5)設立時払込資本金:15百万ユーロ(予定)
(株主 日本電産ルロア・ソマー50%、PSAオートモービルス*50%)*PSAオートモービルスはPSA内の仏法人
(6)代表者(CEO) 今後決定予定(日本電産ルロア・ソマーより選出)

日本電産ルロア・ソマーの概要
(1)社名:日本電産ルロア・ソマーホールディング
(2)本社所在地:アングレーム、フランス
(3)主な事業内容:
交流発電機、モータ、可変速ドライブ、産業向け自動化ソリューションの開発・製造・販売
(4)資本金:20百万ユーロ
(5)代表者:取締役会長兼CEO ザビエ トランシャン
URL:http://www.emersonindustrial.com/en-EN/Leroy-Somer-Group/Pages/home.aspx 

PSAオートモービルスの概要
(1)社名:PSAオートモービルス
(2)本社所在地:ポワシー、フランス
(3)主な事業内容:自動車および自動車用エンジンの開発・製造・販売
(4)資本金:300百万ユーロ
(5)代表者:
取締役会長:カルロス タバレス
ゼネラルマネジャー:ザビエ シェロー

なお最後に同契約が締結に至るには、競争法当局による承認が得られること、及び従業員代表との必要な手続きを経ることが条件になると公表されている。