トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)傘下のLEXUSブランドは3月16日、東京都内のホテルに於いて国内報道陣に向けたラグジュアリークーペ「LC500h」の車両披露を実施。併せて、全国のレクサス店を通じて同日の発売を開始した。
https://www.youtube.com/watch?v=bnNgSl9Sg-A
このLCは、ラグジュアリーライフスタイルブランドとしての進化を目指すLEXUSが、その変革の象徴としてリリースしたフラッグシップクーペ。
今後のLEXUS FRラインアップで展開されるGA-Lプラットフォームやマルチステージハイブリッドシステム、Direct Shift-10ATなど、最先端技術の採用に加え、丁寧な造り込みを通して運転する喜びを提供し、ユーザーのライフスタイルをより豊かにするクルマとなることを目指して開発された。
なお左記の通り、新型LC500h*1の発売は本日3月16日から開始される。価格は13,000,000円~14,500,000円(消費税込み)*2となる。
このLCシリーズは、コンセプトカーLF-LCのデザインイメージをモチーフに、新開発プラットフォームをベースにその骨格構造を活かすことで、走行性能の底上げを図ったモデルとなっている。
車体は、レクサスブランド初採用となったGA-Lプラットフォームを活かした造りとなっており、四隅のタイヤを強調するフェンダーが張り出した抑揚ある立体構成でクーペらしさを表現している。
https://www.youtube.com/watch?v=XwTzA1hbwrU
個々にはフロントは、下端からボンネットフードへと続く流れを強調し、ボディと一体化させ躍動感を高めたスピンドルグリルとした。
これを中心に新開発の超小型3連LEDヘッドランプユニットと、L字型に発光するLEDクリアランスランプ(デイライト機能付)を配置することで、精悍かつエレガントな表情を演出している。
リヤは、中央部にフロントからの流れを受けたスピンドル形状のテーマを採用。テールランプ外側から縦下方向に伸びたターンシグナルランプや、マフラーディフューザー左右下端の配置と合わせ、重心の低さとワイド感を強調した。
外板色は高彩度なイエローの発色を実現し、スポーティイメージを際立たせる新規開発色ネープルスイエローコントラストレイヤリングほか、全11色が設定された。
インテリアは、乗員を包み込む助手席側空間に加え、艶やかさと先進的な機能性を併せ持ったラグジュアリー感を訴求。
コックピットは、ペダルやスイッチ類の配置、ステアリング傾角、シートのホールド性など、徹底した走り込みに基づく造り込みに拘り、所作が美しく見える工学デザインを取り入れた。
具体的にステアリングホイールでは、握る位置に合わせて断面形状を変化させ、腕から手にかけて特に上腕がしっくりと馴染むよう配慮したほか、パドルシフトにはマグネシウム素材を使用し、操作性と高い質感を打ち出している。
対して助手席は、人を包み込みながら、車両前方へ視覚的に広がりを感じさせる空間づくりを目指した。
個々には、開放的なガラスパノラマルーフ*3のほか、表皮にレザーやアルカンターラ®*4を採用し、触って感じる素材感や使うたびに深まる心地良さを、LEXUS独自の感性とクラフトマンシップを介して、繊細で高品質な質感を実現した。
シートはホールド性や着座時の圧力分散を追求。セミアニリン本革シート*5はホールド性と斬新なデザイン両立のため、シートのメイン部とサイド部を分割したレイヤー構造を採用。
また、アルカンターラ®スポーツシート*6は、より高いホールド性を実現するため、表皮一体発泡工法を採用。いずれのシートもスポーツ走行からクルージングまで、あらゆる走行シーンで楽しく快適なドライビングを提供していると云う。
なおこの車両の内装色については、新規開発色のオーカー・ブリージーブルーを含めた全4色を設定した。
車体の基礎となる骨格構造は、LEXUS FRラインアップの基礎となる新開発GA-Lプラットフォームを採用。
正確ですっきりとしたステアリングフィールを実現するため、エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置するフロントミッドシップレイアウトを採用。
さらに軽量のCFRP*7やアルミ部材の積極的な採用で、重心高を下げるとともに、慣性モーメントを低減し、回頭性に優れたハンドリング特性を求めたと云う。
ボディは高い剛性を確保することに加え、走行中のボディへの力の入力や変形特性にも着目し、フレーム全体のねじれ特性を均一化。ドライバーの思い通りにラインをトレースするよう優れた旋回性能に寄与した構造となっている。
なかでも走りの要となるサスペンション構造は、フロント・リヤともに新設計。フロントのハイマウントマルチリンクサスペンションは、運転操作や路面からの入力に対し、より細かな動きをコントロールできるダブルジョイント式上下4本アーム構造を採用し、高い応答性を実現した。
さらにアーム配置の最適化で、21インチタイヤ装着や低いフード高の実現にも寄与。リヤのマルチリンクサスペンションも、フロントと同様にジオメトリーの最適化や摩擦低減により、優れた安定性と乗り心地を目指している。
装着タイヤは、20インチ・21インチを設定。万が一のパンク時にも一定距離の走行が可能なランフラットタイヤとし、スペアタイヤが不要になったことによる軽量化に加え、クーペらしいスタイリングの実現に寄与させた。
シリーズモデルの内、“S package”は標準装備のレクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)に新たにトルセンLSD*8を組み合わせ、旋回中の加速性能を向上させた仕様。
また、ダイナミックリヤステアリング(DRS)の制御を進化させたアンダーステア/オーバーステア制御や、VGRS*9、アクティブリヤスポイラーなどの先進技術を積極的に採用し、クルマを操る愉しさと安全性を高次元で両立させている。
LC500hは、ハイブリッドのイメージを刷新する世界初のマルチステージハイブリッドシステムやDirect Shift-10ATなど、心地よいリズムとエンジンサウンドで、走る愉しさを創りだす最新のパワートレーンとしている。
このマルチステージハイブリッドシステムは、LEXUSのハイブリッドシステムに有段ギヤを組み合わせた世界初の機構である。
具体的には、高回転化したV型6気筒3.5Lエンジンと走行用モーター両方の出力を制御することで、低速から力強い駆動力を生み出しパワフルな走りを実現。
加えて、低速域から高速域まで、システム効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで、エモーショナルな走りと燃費性能に優れた快適なクルージング走行を両立させている。
この際、10段の変速制御で、あらゆる走行シーンにおいて、ドライバーの意図に忠実なエンジン回転数の変化や応答性の良いモーターアシストを可能とし、アクセル操作に連動したダイレクトな加速フィーリングを実現。
エンジン回転と加速感がマッチした、ダイナミックな走りを生み出す新しいハイブリッドシステムとした。
この常に最適なギヤを選択する先進のDMI*10制御は、ワインディング走行ではギヤ段をロー側に変速、あるいはブレーキング時には積極的にダウンシフトする。
またアグレッシブなスポーツ走行では、バッテリーからの出力アシストを行い、トルク感あふれる走りを実現。ドライブモードセレクトによる運転特性の切り替えと合わせ、ドライビングの愉しさを提供する。
対してLEXUSのハイパフォーマンスエンジンとして実績のあるV8 5.0L 2UR-GSEエンジンを採用したLC500は、自然吸気エンジンに求められる優れたレスポンスと躍動的なエンジンサウンドを実現するとともに、直噴機構D-4Sやアトキンソンサイクル化などにより、燃費性能も確保している。
エンジンサウンドは、「天使の咆哮」と呼ばれたLFA*11のスポーティかつ高揚感あるサウンドテイストを継承。
エンジン吸気脈動を利用したサウンドジェネレーターと、排気切りかえバルブにより、クルージング時の静粛性と加速時の迫力あるサウンドを両立させた。
新開発Direct Shift-10ATは、シフトチェンジの際の心地良いフィードバックと、切れ味の良い変速を実現したほか、構成部品のアルミ化による大幅な軽量化と部品の小型化を実施。
また、アクセルやブレーキ、車両のG(重力加速度)から、ドライバーの意図を読み取り、最適なギヤを選択する新制御も採用している。
ドライビングユーティリティ性を高めるオーディオ、サウンドシステムは、補正をかけない状態で音質を高める特性として、機器の基本性能向上に加え、搭載位置も徹底的に検証。
また、ボディ骨格から音響空間を設計し、機器で測定できない領域まで徹底的にこだわり、運転の愉しさを際立たせるサウンドを実現している。
さらにオプション設定のマークレビンソンリファレンスサラウンドサウンドシステムは、圧縮音声をリアルタイムに分析し、音質を向上させるクラリファイTMテクノロジーによって、さらなる自然なサウンドを提供する。
予防安全パッケージでは、Lexus Safety System +を全車標準装備。歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンキーピングアシスト」(LKA)、夜間歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」(AHB)、そして設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」をパッケージ化。高い認識性能と信頼性を両立し、多面的な安全運転支援を可能にしている。
さらに新設計・新搭載したものにエンジンフードを4つの支点でポップアップさせる4点式ポップアップフードがある。これはLEXUSシリーズに於いても初採用したもの。低いフードのデザインでありながら、万が一の衝突時における歩行者保護性能を両立させている。
この新型LCの生産ラインは、従来の車両工場とは大きく異なる設計であることから、元町工場にLC専用の組立ラインを新たに設置した。
この工場は、床面や天井を白一色とし、より作業のしやすい環境を整備。また、品質確保のため、一人ひとりの作業工程をタブレット端末で確認するなど、最先端の生産システムを導入している。
CFRP製造技術に関しては、LFAで開発されたCFRP製造技術RTM(樹脂注入成形法)*12をさらに進化させ、LCへのCFRPルーフ採用を実現したほか、異種材同士を締結するセルフピアッシングリベットを採用し、アルミダイキャストサスペンションタワーの採用を可能とした。
また、インテリアの表皮巻きやステッチはすべて手作業で仕上げるなど、LCが目標としたデザイン・走行性能の実現にはLEXUSの生産技術や匠の技が大きく貢献している。
*1:LC500は4月13日発売予定
*2:メーカー希望小売価格。リサイクル料金は含まれない
*3:“L package”に標準設定
*4:“アルカンターラ®”はアルカンターラ社の登録商標
*5:“L package”に標準設定
*6:“S package”・標準仕様に標準設定
*7:CFRP Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)
*8:LSD Limited Slip Differential。標準仕様および“L package”にはオプション設定
*9:VGRS Variable Gear Ratio Steering
*10:DMI Driver’s Mind Index
*11:LFA 2010年に全世界限定500台が販売されたLEXUSの2シータースポーツカー。現在は販売を終了している
*12:RTM Resin Transfer Molding
https://www.youtube.com/watch?v=5FdFDzXhDiE
仕様とメーカー希望小売価格(単位 : 円)
車種_エンジン_トランスミッション_駆動_価格*(税込み)
– LC500_(標準モデル)_ 2UR-GSE(5L V型8気筒)_Direct Shift-10AT_2WD(FR)_1300万円
– LC500_“S package”_2UR-GSE(5L V型8気筒)_Direct Shift-10AT_2WD(FR)_1400万円
– LC500_“L package”_2UR-GSE(5L V型8気筒)_Direct Shift-10AT_2WD(FR)_1300万円
車種_エンジン_トランスミッション_駆動_価格*(税込み)
– LC500h_(標準モデル)_ 8GR-FXS(3.5L V型6気筒)_マルチステージハイブリッド_2WD(FR)_1350万円
– LC500h_“S package”_8GR-FXS(3.5L V型6気筒)_マルチステージハイブリッド_2WD(FR)_1450万円
– LC500h _“L package”_8GR-FXS(3.5L V型6気筒)_マルチステージハイブリッド_2WD(FR)_1350万円
*北海道地区のみ価格が異なる。リサイクル料金は含まれない
車両情報詳細 http://lexus.jp/models/lc/