ジャガー・ランドローバー、第1四半期の世界販売は前年比5.9%増に


ジャガー・ランドローバーオートモーティブPLC(Jaguar Land Rover Automotive PLC、本社:英国・コベントリー、CEO:ラルフ・スペッツ)は英国時間の7月31日、2018/2019年度第1四半期(2018年4~6月)の決算を発表した。

それによると第1四半期の世界販売台数は、ランドローバーの「RANGE ROVER VELAR」、「RANGE ROVER SPORT」、「DISCOVERY」、ジャガーの「E-PACE」の販売好調が寄与し、前年同期比5.9%増の14万5,510台を記録した。

但し中国の合弁事業分を含む世界出荷台数は、販売台数に対して1万3,950台下回っている。これは7月1日より中国の輸入車関税が25%から10%に引き下げとなることから買い控えが広がり販売台数が伸び悩んだこと、さらに他の市場での在庫状況に合わせた生産調整が主に影響していると云う。

第1四半期の売上高は、販売台数減と、中国における関税引き下げ前のインセンティブ増加により、前年同期比6.7%減の52億ポンド(約7,540億円)となった。

同じく出荷台数の減少、中国におけるインセンティブ増加、不利な為替変動や継続的投資による減価償却費の増加などが影響し、第1四半期の税引き前利益は2億6400万ポンド(約382億8,000万円)のマイナスとなっている。EBITDAは3億2500万ポンド(約471億2,500万円)となり利益率は6.2%という数値を刻んでいる。

この結果についてジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)ラルフ・スペッツ博士は、「第1四半期では、中国における関税引き下げの発表や販売ディーラーの在庫状況が要因となり、税引き前利益は減額となってしまいました。

また英国のEU離脱(Brexit)やヨーロッパでのディーゼル車に対する新たな課税措置よる先行き不透明さから、マイナスの影響を受けています。

当社はこうした状況を踏まえ、今後も継続的な成長をしていくために、コスト削減や事業効率および生産性の向上など、当社の将来を見据えた必要な取り組みを引き続き実施していくつもりです。

加えて第2四半期以降は、ジャガー初のエレクトリック・パフォーマンスSUV『I-PACE』といった新型モデルの投入や、中国の関税引き下げ効果が、販売台数増や業績改善に反映されると期待しています。

なお当社は持続可能な成長を成し遂げるために第1四半期は、新型モデル開発、次世代自動車技術および設備に対して合計11億ポンド(約1,595億円)以上の投資を行っています。

この投資と10億ポンド(約1,450億円)の一時的な資本の流出により、キャッシュフローが17億ポンド(約2,465億円)のマイナスとなりました。なお今年度は約45億ポンド(約6,525億円)の投資計画も実施していく予定です。

マーケットからの注目が高いジャガー初のバッテリーEV「I-PACE」は、今年3月に世界デビューを果たし、一部のお客様へのデリバリーを開始しました。今後、ジャガー・ランドローバーは2020年までに次世代「DEFENDER」をはじめとする新型モデルの追加やパワートレインの拡充など、今後も成長戦略を加速させていきます。

これらの取り組みを経て、2019年3月31日までの2018/2019年度(FY19)通年の収益目標は、FY19からFY21の期間で見込んでいる利益率4~7%としています」と述べた。

最後にラルフ・スペッツ博士は「当社はパイオニア精神を持ち、お客様に愛される革新的でエキサイティングな車をつくり続けることができると自負しております。

ジャガー『E-PACE』、ランドローバー『RANGE ROVER VELAR』は、導入して間もないながらも順調に販売台数を伸ばしており、また電動化技術開発に対して多額な投資をコミットするなど、持続可能で収益性の高い成長を引き続き目指していきます」と次決算以降の抱負を語っている。

ちなみにジャガー・ランドローバーは、80%以上の利益を海外への輸出で得ている。それは数値にも表れており、昨年ジャガー・ランドローバーは、世界の130の国と地域において621,109台を販売した。また今年度は設備投資としては新製品の製造に関わる設備投資を中心に約45億ポンド(約6,090億円)を投じる予定としている。※同数値は1ポンド=145円にて換算した。