富士通テン株式会社(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:山中 明)は、業務用ドライブレコーダー「OBVIOUS(アヴィアス)レコーダー(*2)」の新商品として、クラウドと連携し安全運転を効率的に支援する「G500シリーズ」を、9月18日より発売する。
併せてドライブレコーダー専用モデル「DRU-5010」とデジタコ(*3)搭載モデル「DRD-5020」(12月下旬発売)をラインナップしていく。なお同新商品は「第44回東京モーターショー2015」(2015年10月29日~11月8日)に出展予定としている。
同社は、「人」「クルマ」「社会」のデータをつなぎ合わせて、お客様一人ひとりに合わせた新たな価値を提供する車載情報機器・サービスのコンセプト「Future Link®」を2014年秋に発表し、当社の全ての事業分野に展開を進めてきた。今回の新商品は同コンセプトを具現化した商品となる。
新商品は、走行中に撮影した膨大な記録画像の中から事故につながる危険度の高いヒヤリハット画像を自動抽出(業界初(*1))し、これまで管理者が目視で検出していた手間を省くことを目的としている。
また、業界最大クラスのイメージセンサーを搭載した高解像度のカメラを採用し、自車両と車線までの距離計測による「ふらつき(車線逸脱)検知機能」と、前方車両との車間距離を計測する「車間距離検知機能」を新たに搭載した。これらの計測値は時系列に保存され運転診断データとして活用していく。
データは時間帯別のふらつき度合いの傾向や速度別の車間距離の傾向など、ドライバー毎の運転特性を分析して、安全運転指導・教育に生かす。ふらつき検知では危険と判断した場合に音声ガイダンスで警告する機能も搭載している。
ふらつきや車間距離に加え、車両の位置、速度や急加速/急減速などのデータと、業務開始/終了、荷物積み込み/卸しなど作業状態のデータは、通信ユニット(オプション品)を接続してクラウドに集約することで、リアルタイムで車両の位置や動態を事務所のパソコンでも確認でき、ドライバーに速やかに運行指示や安全運転指導が行える。
さらに、トラック荷室の温度センサーやアルコールチェッカーなどを接続して、お客様の業務・運用状況に応じたカスタマイズを行える機能を備えている。
【企画意図】
この業務用ドライブレコーダーの開発コンセプトは、単に映像や運行データを記録するだけの商品ではなく、「事故を未然に防止するための指導・教育に役立つ機能の提供」「より確実な映像記録」「運行管理機能の強化」「お客様の業務負担の軽減」を実現する、「安全」「安心」「業務」をトータルサポートする。
同社は、2005年11月、タクシー向けに「OBVIOUSレコーダー」を発売し、その後も24V車両へ対応した運輸車両向けモデル、エコドライブをサポートするリアルタイムエコガイダンス機能、教育時に車間距離を確認できる仮想距離表示機能の搭載、デジタコとの一体モデルなど、着実に進化させてきた。
今回の新商品はこのコンセプトに基づき、通信機能の搭載やクラウドセンターとの連携を図ることで、ドライバー毎の運転特性の分析機能を進化させるとともに、リアルタイムに運行状況を把握し、業務用車両の安全運行や業務の効率化をサポートしていく。
【システム概要】
<クラウド連携のメリット>
・複数拠点のデータを一括管理するので、事務所毎のサーバー管理の手間が省ける
・アプリケーションソフトを一括管理・自動更新するので、常に最新のアプリが使える
・複数拠点をつなぐ専用ネットワークおよびサーバー構築が不要で、イニシャルコストを低減できる
【新商品の主な特長】
抽出したヒヤリハット画像 1.安全運転支援強化
■画像自動解析機能 業界初!
クラウドサービスを使用することで、保有車両から収集される膨大な画像の中から、事故につながる危険度の高いヒヤリハット画像を自動で抽出。抽出した画像は、地点とともにその要因を強調表示する。これまで目視で確認して探し出していた管理者の負担が軽減でき、業務の効率化が図れる。
■ふらつき(車線逸脱)検知/車間距離検知機能New!
高解像度デジタルカメラにより走行中の自車両と車線までの距離や前方の車間距離を計測し続ける。ふらつき検知では危険と判定した時に音声ガイダンスで注意喚起を行い、ドライバーの安全運転をサポートする。
計測で得られたデータからドライバー毎の時間帯や速度域による傾向を分析し、安全運転教育に活用することで、個人個人に則した予防安全につなげられる。
なお、ふらつき(車線逸脱)検知機能は富士通研究所(*4)の技術を、車間距離検知機能は富士通(*5)の技術をそれぞれ活用している。
■危険エリア警告New!
事故が多い交差点などの危険エリアを、自車位置を中心に200カ所ピックアップし、その地域に進入すると音声でドライバーに警告する。(通信ユニットの接続が必要)
2.運行管理データの活用
■車両の位置や動態をリアルタイムに事務所で把握・指示New!
通信ユニット(オプション)を接続してクラウドと連携することで、車両の位置、車線までの距離や前方車両との車間距離、急ハンドルや急ブレーキ、動態などのデータを自動で収集。
①車両の位置・運転状況や動態を事務所のパソコンで確認でき、リアルタイムな運行指示や安全運転指導が行える。
②収集したデータから運転日報を作成できるので、運行終了時にSDカードを事務所に持ち帰り出力する手間が省ける。
3.高画質化
■業界最大クラス 高性能イメージセンサー(1/2.7インチCMOSセンサー)&100万画素カメラ
イメージセンサーの面積は大きいほど受光量が増え、1画素が受け取れる情報量が増えるため、画質を決める大きな要素になる。
業界最大クラスの1/2.7インチCMOSセンサー搭載により、今まで識別が難しかった車両ナンバーなどの細かい情報を逃さない高画質記録が可能。
■高い視認性を実現するHDR合成技術New!
露出の低い画像と高い画像を合成し、諧調のとれた画像にすることで今まで映しきれなかったところを見やすく表現する“HDR合成(high dynamic range imaging)”を搭載。
トンネル内や街灯のない夜道での黒つぶれやヘッドライトに照らされたナンバープレートの白とびを補正し、夜間でもバランスのとれた録画を実現する。
4.カスタマイズ機能の装備New!
トラック荷室の温度センサーやアルコールチェッカーなどを接続するカスタマイズ機能を備えている。ユーザーの要望に応じ個別開発による対応が可能。(注)接続機器の仕様などにより対応できない場合もある。
5.充実の記録New!
■最大5台のカメラ接続
■128GB大容量SDXCカード対応による高画質、長時間記録
■イベント+常時のW記録
【G500の拡張性について】
「情報を駆使し、人に働きかけ、行動を促す。」それが富士通テンが目指す「Future Link®」の姿であるという。今後「G500」は、抽出したヒヤリハット画像を蓄積して時間や地域の状況なども加味して分析することで精細なヒヤリハットマップを作成したり、眠気や注意散漫などのドライバー(人)の状態を組み合わせて個々人に応じた運転特性を分析し、予防安全の機能をさらに高めていく。(富士通の位置情報を活用したクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)連携)
【主な仕様】
注釈
(*1)2015年9月現在
(*2)OBVIOUS
当社の業務用ドライブレコーダーは、映像と音声などで車両周辺状況や運転状況を記録して事実を明らかにする製品として、「OBVIOUS:明らかな」という単語を用い「OBVIOUSレコーダー」と名付けている。
(*3)デジタコ
デジタルタコグラフ。車両の運行にかかる速度・時間などを自動的にメモリーカードなどに記録する装置。
(*4)株式会社富士通研究所
本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐相 秀幸
(*5)富士通株式会社
本社:東京都港区 代表取締役社長:田中 達也
(*6)EMS:Eco-drive Management System(エコドライブ管理システム)
トラックなどの運行において、エコドライブを計画的かつ継続的に推進するとともに、その運行状況の指導などを一体的に行う取り組み。CO2対策の一つとして、平成17年度より国の補助事業としてEMS普及事業が進んでおり、エコドライブ支援装置の普及が図られている。