日本ミシュランタイヤ株式会社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：ポール・ペリニオ）傘下ブランドの「BF Goodrich（BFグッドリッチ）」は9月1日、日本国内の大型トラック用タイヤ市場に本格参入を果たした。
具体的には国内行政の後押しも手伝い、伸張著しいトレーラー車両並びに、東京オリンピックの建設需要を前に活性の兆しが見えるダンプ車両に向けて、4パターンのタイヤを順次日本市場に向けて本格投入する。
そもそも「BF Goodrich」は、創業の地である米国内のお膝元に於いては、最も伝統ある総合タイヤメーカーとして、乗用車用タイヤを筆頭に「ピックアップ車両」「中・大型トラック」「航空機」から「宇宙開発」に至るまで圧倒的なシェアを持つ生粋のアメリカンブランドである。
一方、日本国内に於ける「BF Goodrich」ブランドは、ステレオタイプの4×4向けタイヤブランドのイメージが根強く、一部、パリダカールラリーやデザートレースなど、特定のモータースポーツシーンで存在感を示すのみという状況にあった。
そうしたなか今回、発売する大型トラック用の「BF Goodrich ROUTE CONTROL(BFグッドリッチ ルートコントロール)シリーズ」、「BF Goodrich CROSS CONTROL(BFグッドリッチ クロスコントロール)シリーズ」の２タイプの製品は、「BF Goodrich」ブランドのタフで力強いというイメージを背景に、使用用途を限定した日本の法人市場に於いて、自らのシェア拡大を実現させるべく打ち出された製品である。
昨今の輸送業界は、ドライバー不足、働き方改革による総労働時間の適正化などから、輸送効率の高いトレーラー輸送の増加や、2020年の東京オリンピックに向けた建設ラッシュなど、業界全体の新たな需要拡大の胎動が生じている。
こうした日本の輸送業界に向け、これまで同社定番の主力製品であったミシュランタイヤは、独自の強靱なタイヤ構造を背景に、リトレッド利用（トレッドゴムの再形成によるタイヤの繰り返し利用）を前提に長く使えば「信頼性が高く性能も安定、結果低コストにつながる」として、主に長距離を走る輸送事業者から一定のシェアを獲得していた。
しかし、その一方で事業上さほど長距離を走ることが無く、１本のタイヤ運用そのもののコスト管理に厳しい法人ユーザーにとって、ミシュランタイヤのラインナップでは、適切な選択肢がないと云う時代が続いた。
そうした経緯から、ミシュラングループとして取りこぼしている特定の法人ユーザーを、新たに獲得する必要が生じた。
そこで取りこぼしている該当法人ターゲットに対して、「BF Goodrich」ブランドのトラック用タイヤを、ミシュランブランドとは全く異なる新規ブランドとして、日本市場に対して本格投入することを決めた。
現在、先の通り輸送業界は車両の大型化やトレーラー連結による大規模輸送にトレンドが進みつつあること。
加えて建設需要に伴う市場拡大に向け、この時期、シェアを獲りに行く事自体は、今後、恒久的なブランドシェアの安定に向けて、同社グループとしては大きな可能性を感じているようだ。
なお当面、投入するタイヤラインナップに関する概要は以下の通り
BFGoodrich ROUTE CONTROL S (ルートコントロールS ) 11R22.5は、高速道路や一般道路、都市近郊などの道路に適し、優れた耐偏摩耗性能を特徴としている。
また雨天でもＶ字に刻まれた溝（グルーブ）が高いウエットグリップ性能を発揮する。
BFGoodrich CROSS CONTROL S (クロスコントロールS) 11R22.5は、一般道路や、都市近郊、オン・オフロードに適し、路面から受けるトレッド部へのカットやチッピングなどの損傷を抑制するコンパウンドの採用やプロテクションプライにより、損傷に強く高い耐久性を特徴としている。
またアグレッシブなトレッドパターンデザインが様々な路面状況下や摩耗時においても高いトラクション性能を維持し、サイドウォール部も高い耐久性を持っている。
BFGoodrich ROUTE CONTROL T (ルートコントロールT) 265/70R19.5およびBFGoodrich ROUTE CONTROL T (ルートコントロールT) 385/65R22.5はトレーラー用のタイヤ。
耐カット/耐チッピングに優れたコンパウンドを採用し、トレーラーでの厳しい使用条件においてもカット/チッピングの発生リスクを抑制する。
また、265/70R19.5サイズには石噛み防止グルーブを採用し石噛みによるダメージも抑制している。