東芝デバイス&ストレージ株式会社(本社:東京都港区芝浦、代表取締役社長:福地浩志)は7月26日、自社の画像認識プロセッサ「Visconti™4(TMPV7608XBG)」が、株式会社デンソー(以下、デンソー)の車載向け次世代前方監視カメラシステムに採用されたと発表した。
今回採用された「Visconti™4」は、カメラからの入力映像を画像処理し、自車が走行している車線、車両、歩行者、標識、自転車乗員、対向車のヘッドライトなどを認識する画像認識プロセッサである。
「Visconti™4」は、デンソーに2015年から採用されている「Visconti™2」と比べ、倍のアプリケーションの処理を可能にするため、画像処理エンジンを8個に倍増させた。
また、認識に必要な処理時間の短縮と、背景と対象物の輝度差が少ない状態や夜間における歩行者検知性能を向上させるべく、新たに開発した認識アルゴリズム「Enhanced CoHOGアクセラレータ(輝度及び色情報を用いて複合共起特徴量を抽出するアルゴリズム)を搭載した。これらの性能が評価され、今回の採用に至ったと云う。
なお同社とデンソーは、画像認識システム向けの人工知能技術(Deep Neural Network – Intellectual Property(DNN-IP))を共同開発しており、高度運転支援・自動運転分野において協業関係にある。
近年、自動車の安全に関する評価プログラム「Euro-NCAP(European New Car Assessment Programme・ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)」では、自転車および夜間歩行者に対する衝突回避性能の評価が追加されたことなどを背景に、安全性能に関するシステムの需要が高まってきている。
これに伴い、このような車載カメラの市場は、株式会社テクノ・システム・リサーチの「Automotive Camera Market Analysis 2016」によると、2021年に1兆円になるとみられており、同社は今後も、道路交通の安全を追求する車載半導体製品を積極的に提案していきたいとしている。