クラリオン、近赤外線を利用した車載用カラーナイトビジョンカメラを開発


クラリオン株式会社(本社:埼玉県さいたま市中央区、執行役社長兼COO:川端 敦、以下、クラリオン)は10月18日、夜間運転の安全性向上に貢献する製品として、車載用カラーナイトビジョンカメラを開発したと発表した。

試作品外観

今回、同社が開発したカラーナイトビジョンカメラは、近赤外感度を有するCMOSカラーセンサを採用し、可視光によるカラー映像と近赤外線による白黒映像を独自開発の画像処理装置(ISP:Image Signal Processor)により合成することで、昼夜を問わずカラーの映像表示を実現するというもの。

これにより肉眼では視認困難な暗所も映像表示できるため、夜間運転の視認性を大幅に向上する。また、物体認識機能を有するECUを一体化しながら、ルームミラーの裏側に配置可能な小型化を図った。

また近赤外投光器の光は人の目には見えないため、前方を走る車や対向車、対面する歩行者に眩惑を与えることなく、ヘッドライトがロービームのままで、ハイビーム相当の対象物検知(映像視認)を行える。

加えて同社によると今発表技術を背景としたカラー化技術により、既存の遠赤外線カメラやモノクロナイトビジョンカメラ、カラーカメラと比較して、認識対象が広がると云う。

夜間における撮影性能比較。現行のカラーカメラ(上)と開発したカラーナイトビジョンカメラ(下)

これを踏まえ同社では、「今後の先進運転支援システム(ADAS)の機能として必須となる、人、自転車、車、車線、標識、信号機などの認識対象を広げることで、危険を未然に防ぐためのドライバーへの警告や自動ブレーキをはじめとした車両制御など、様々なアプリケーションに適用できます。

当社は、安全・安心なドライブの実現に向け、このカラーナイトビジョンカメラの早期の商品化をめざします」と述べている。

なお、クラリオンは同カメラシステムを東京モーターショー2017のクラリオンブースに参考出品する。