独・ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)の911はスポーツカーのアイコンであると同時に、ポルシェブランドを代表するモデルである。そんな911の生産100万台目の車両が、ツッフェンハウゼン本社の生産拠点でラインオフされ、その記念式典が行われた。
式典が行われたのは去る5月11日、ツッフェンハウゼンに於いて100万台目の911カレラSが、1963年に発売された初代911の特徴を受け継ぐスペシャルカラー「アイリッシュグリーン」をまとってラインオフされた。
このモデル911は、同車によってポルシェというブランドが、世界最高の利益率を誇る自動車メーカーとなったこと。そして量産スポーツカーメーカーとしての地位を括弧たるものとしたという点でも大きな貢献を果たしたモデルだ。
ポルシェ監査役会会長のDr.ヴォルフガング・ポルシェ氏は、この911の開発に最初から関わってきた人物のひとりだ。そんなポルシェ氏は、「54年前、父と一緒に初めてグロースグロックナー峠を走りました。
その頃も今も911で走る楽しさは当時と全く変わりません。それは、今でも911が1948年の初代ポルシェ356/No.1と同様にブランドの中心だからです」と誇らしく述べた。
登場以来ポルシェ911は他に並ぶもののないクルマとして独自の地位を確立し、高級スポーツカーセグメントの頂点であり続けている。
2016年だけでも世界で32,365台が販売された量産スポーツカーでありながら、数十年にわたってオンリーワンを維持し、しかもコレクターズアイテムとなってきた。
その高い品質はもはや伝説となっており、これまで製造された911全車両の70%以上が現在も走行可能な状態で世界各国のドライバーを愉しませている。
さらに、米国マーティング調査機関J.D.パワー社の「初期品質調査」(IQS)による品質ランキングでも常にトップを飾っている。
また無数のモータースポーツの成功による神話も数多く生まれた。このような一般公道とサーキットの両方のために設計され、結果911のような成功を収めているスポーツカーは他にはない。
およそ30,000回におよぶレースにおけるポルシェの優勝の半分以上がこのモデルで達成された。911は、世界中で開催される多くのレースで今もモータースポーツファンを感動させている。
そんなポルシェは、初代911の基本コンセプトから今も逸脱することなく改良を重ね、作り続けられている。
そんな911についてポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏は、「私達は、スポーツカーに磨きをかけて完璧なものにするために911のテクノロジーを改善し続けてきました。
それこそが、この車こそが革新的な技術そのものであり続ける理由です。私達は派生モデルによってモデルラインを拡張することにも成功しました。
また、この成功の主な要因として、911全車両が生産されるツッフェンハウゼン本社の生産拠点が挙げられます。
911、718ボクスターおよび718ケイマンの全ての2ドアモデルと多彩なモデルバリエーションは、最新の生産工程によってひとつのラインで管理されています。
組み立て作業員は情熱と知識を備えた作業のエキスパートで、1台1台のポルシェをブランドにふさわしい品質で納品することを約束するものです」と語っている。
一方。ポルシェ AG労使協議会議長のウーヴェ・ヒュック氏は、「911の成功を語る上でポルシェの従業員を欠かすことはできません。今日、100万台目の911が完成させました。
そんな我々が自信をもって言える事は、私達が今でも最初の車と同じ情熱をもって911を製造していることです。
また近い将来、ツッフェンハウゼンで予定されているミッションEの生産はポルシェの新しい時代を告げるものです。
そして、このミッションを成功させるためには高度な技能を備えた意欲的な従業員を必要とすることは明らかです。911が常にそうであったように、そしてこれからもそうであるように、ミッションEがエモーショナルな体験であることは彼らが保証します」とコメントした。
なおこの100万台目となった「アイリッシュグリーン」の911は、ポルシェAGが保有することになった。またそんな対象車は、ポルシェ ミュージアムのコレクションに加えるまでワールドツアーを行い、スコットランド高地、ニュルブルクリンク周辺、そして米国、中国、その他多くの国を巡っていく予定となっている。