住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市中央区、社長:池田育嗣、以下住友ゴム)は、先のグッドイヤー社の提携解消を契機に米国内に於けるタイヤ市場の拡大を目指していた。
そこで当地の顧客ニーズを積極的に取り入れた商品開発を行うため、かねてより開設準備を進めていた「米国テクニカルセンター」を、いよいよ2017年1月から本格稼働させる。
同社がグッドイヤー社とのアライアンス契約を解消したのは、昨年10月。提携時に於いてダンロップブランドの使用に関しては、グッドイヤー社も相当エリアでの権利を保有していたことから当時、住友ゴムのダンロップブランドの使用権は、日本国内に限られていた(関連情報は本記事末尾の関連記事を参照されたい)。
しかし昨年のグッドイヤー社との提携解消に伴い、北米市場の日系自動車メーカー用タイヤの他、旧ロシアを含む関連諸国に加え、アフリカ等の33カ国で、住友ゴムによるダンロップブランドの展開が可能となった。
これに伴い住友ゴム側にとって、経営の自由度が増した欧米市場に対して、開発・生産・販売体制の強化を迅速かつ積極的に進めてきた。
結果、その一環として今回、ニューヨーク州トナワンダに所在する同社米国工場内に四輪用タイヤのテストを行う「米国テクニカルセンター」を新規に開設。同拠点でのテスト運用の稼働が2017年1月より本格的に始まる。
これに併せて、同社がダンロップブランドの世界展開に関わる権利を持つ二輪車用タイヤ領域用に、同じ米国内・アラバマ州ハンツビルに於いて二輪車用タイヤ評価を行っていた「米国タイヤテストコース」を以前より保有しており、これも2017年3月より四輪車用タイヤのテスト評価を開始する予定だ。
このため来る2017年は、こうした開発・評価体制の複数化で、米州市場でより商品力の高いタイヤをスピーディーに市場に投入する開発体制が整う模様だ。
なお、同じく住友ゴムは欧州市場に対しては、同社のもうひとつの柱となる「ファルケン」ブランドの浸透を積極的に推し進めている。
このため欧州に設置している同テクニカルセンターについても、現在、より本格なテスト稼働に向けた準備を進めており、同拠点も2017年9月に本格運用に入る予定と云う。
同社では、米国に於けるダンロップブランドの事業拡大に併せ、「長期ビジョン『VISION 2020』で掲げたアクションプランである『欧米事業の拡大』を今後も加速し、グローバル展開をさらに進めてまいります」と結んでいる。
米国テクニカルセンター概要
所在地:ニューヨーク州トナワンダ
代表者名:山下文一
建屋概要:鉄筋コンクリート造り(地上1階)
延床面積:約3,500平方メートル
米国タイヤテストコース概要
所在地:アラバマ州ハンツビル
建屋概要:高速周回路、ハンドリング路、ブレーキテスト路、スキッドパッド(特殊円旋回路面)、オフロード路他
総面積:約283,300平方メートル
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