ジェイテクト、「モーター用新セラミック玉軸受」を開発・国内初量産


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株式会社ジェイテクト(本社:大阪市中央区南船場3丁目5番8号、代表取締役社長:新美篤志、以下ジェイテクト)は、軸受事業のブランドタグライン「Key of your operation Koyo」を掲げ、多彩な産業への貢献を目指している。

そんな同社は、転動体である玉に従来よりも熱膨張が内外輪材に近い新材料を採用した「モーター用新セラミック玉軸受」を開発した。

これにより、電食対策が必要なモーター用軸受に於いて、従来材である窒化けい素と同等の絶縁性を有しながらも、温度変化による内外輪と玉のすきま変化をより小さくし、幅広い温度環境へ対応をすることを可能にした。 また、この新セラミック材を使用した軸受の量産は日本国内初であり、2016年6月の開始を予定している。

1.製品特長
(1)従来の玉材料(窒化けい素)と同様の絶縁性
(2)従来の玉材料(窒化けい素)に比べてすきま変化が少なく幅広い温度環境に適応

2.詳細説明
電動モーターの特性上、動作中に高周波電流による有害な電圧が発生し、一定量を超えると、転がり接触部分の非常に薄い油膜を通じて、軸受内でスパーク(放電)を起こす。

この時に軸受の転動面などが局部的に融解する電食という現象が起こり、異音を生じさせ、軸受寿命を低下させる原因となる。

そのため、軸受においては絶縁対策が必要となるが、この際、最も信頼性が高い絶縁対策は玉材質のセラミック化であるため窒化けい素が通常使用される。

今回開発品に採用された新セラミック材は、窒化けい素と比べて同等の絶縁性を有することに加え、線膨張係数(温度をセ氏1度上げたときの物質の長さの増加量)が内外輪材に使用される金属に近いという特性を有する。この特性により、温度変化による内外輪と玉のすきま変化を従来よりも小さくすることができ、より幅広い温度環境に適応することができると云う。

3.販売計画
【販売目標】: 20万個/年
【販売先】:産業機械用モーターメーカー

4.製造工場:徳島工場

5.製品写真
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