DUNLOP、タイヤ荷重検知ソフトウェアを中国の商用EVへ初搭載

DUNLOP( 社名:住友ゴム工業、本社:神奈川県平塚市、代表取締役社長:山本悟 )は3月4日、同社独自のセンシング技術「センシングコア」を中国商用EV市場の主要プレイヤーの瑞馳社(重慶瑞馳汽車実業有限公司)が提供する新型の商用レンジエクステンダーEV「瑞馳C5」に搭載したことを明らかにした。

同社がグローバルで展開しているセンシングコアは、タイヤ、車両、路面の状態などを検知するもの。

今回は「タイヤ荷重検知」と「タイヤ空気圧検知」を瑞馳社の「瑞馳C5」に搭載すたし。センシングコアの中国展開は今回が初であり、なかでもタイヤ荷重検知機能の抽出搭載は、世界初となる。

このタイヤ荷重検知は、荷物の積載量や積載位置の変化をリアルタイムに検知し、検知結果を車両制御に提供する。

これによって積載状態の変化によって生じる「発進・停止・旋回時の不安定な運転フィーリング」を抑制し、ドライバーの負担軽減や荷物の安定輸送に貢献する。

この機能は今後、瑞馳社の他モデルへの展開も予定されており、DUNLOPでは引き続き採用拡大に向けて積極的に取り組んでいくという。
※瑞馳C5公式サイト(中国語):https://www.rc-ev.com/cms/a/C5QYZC.html

センシングコアの5つの機能図

今回、採用が決まった背景には、中国ではEC需要の拡大を背景に都市部に於ける短距離・高頻度配送が急増していることがある。また併せて自動運転や運転支援機能の普及も当地では急速に進んでいる。

とりわけ先進運転支援システム(ADAS)を備える車両では、一定の積載状態を前提とした制御が行われるため、実際の積載状態と制御との間にずれが生じ、ドライバーの快適性や荷物の安定性に影響を及ぼすケースが見られる。

その結果、商用車両の運行上で積載状態に左右され難い加減速制御の滑らかさや安定性が、これまで以上に重視されるようになってきた。

そうしたなかで、これら一連の課題に対する有効な解決策として同社センシングコアのタイヤ荷重検知が採用された。その優位点は、追加センサーを必要とせず、既存車両の構成を変えずに導入できる点に加え、コスト面でのメリットも大きな決め手となった。

そんなセンシングコアは、タイヤの回転から得られる車輪速データと、車両に流れるCANデータ(車両制御情報)を解析することで、タイヤや車両の状態を検知する当社独自のソフトウェア技術。

タイヤの空気圧や摩耗状態、タイヤに係る荷重、路面状態、更には車輪脱落の予兆などを、追加のセンサーを用いることなく検知できる点を特長としている。

センシングコア「タイヤ荷重検知」の技術概要と提供価値

タイヤ荷重検知のイメージ図

今回、搭載瑞馳社の新型商用EV「瑞馳C5」に搭載されたタイヤ荷重検知機能は、積載量や積載位置の変化に応じて、左右のタイヤにかかる荷重の合計値を前後それぞれの車軸に対してリアルタイムで検知する機能。

検知された荷重情報は車両制御に提供され、積載状態に応じた加減速時のトルク出力やブレーキ制御の最適化に活用される。これにより、荷物の積み下ろしを繰り返す都市部配送に於いても、積載状態の変化に左右されにくい、滑らかで安定した運転フィーリングを実現する。

こうしたタイヤ荷重検知の導入により、都市部配送における走行安定性や運転フィーリングの向上に加え、エネルギー効率の改善など、さまざまな効果が期待される。

またDUNLOPでは、CASE/MaaSにも対応できる高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトとして「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げている。

その周辺サービスの中核を担うのが「センシングコア」となるため、DUNLOPではセンシングコアをタイヤ・スポーツ・産業品に次ぐ主要事業の第4の柱として育成していく考えという。

この方針のもと、タイヤ荷重検知は、モビリティ分野の中でも特に商用車両の領域に於いて、重要な役割を担うものと位置づけている。

特に都市部配送での頻繁な発進・停止や積載状態の変化といった課題は、中国に限らず、日本を含むアジア各国でも共通している。同社は今採用を契機に、国内外での更なる展開を目指す構えだと話している。

・会社名: 重慶瑞馳汽車実業有限公司
・車両名: 瑞馳C5
・車種: 小型トラック
・販売開始時期 : 2025年12月
・販売目標台数 : 20,000台/年
・販売地域 : 中国