チームスズキCNチャレンジにブレーキディスク・パッド提供
サンスターグループ(Sunstar Inc./本社:大阪府高槻市、代表:金田善博)は7月25日、今年も鈴鹿8耐に参戦するスズキワークスマシンへ新仕様の環境対応型ブレーキ製品を提供することを明らかにした。
より具体的には、来たる2025年8月1~3日に開催される「2025 FIM*世界耐久選手権 “コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会(鈴鹿8耐)」のエクスペリメンタルクラスに参戦する「チームスズキCNチャレンジ(参戦車両:スズキGSX-R1000R)」へ、昨年と同等の環境負荷低減率を保ちつつ、更にブレーキの効きを高めた新仕様のブレーキディスクとブレーキパッドを提供する。
ちなみにサンスターグループは、サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte.Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループだ。
そんなサンスターの源流は、1932年に自転車部品やパンク修理用のゴム糊の卸売業をを担う金田兄弟商会として創業。
その後、ゴム糊の金属チューブ容器の製造設備を活用して、粉歯磨が主流だった時代に練歯磨剤を発売。以後、オーラルケア、化粧品、健康食品などの消費財事業へと展開した。
社名の「サンスター」は太陽(サン)が上る朝と星(スター)が輝く夜に歯を磨こうという願いに由来している。
一方、自転車用部品やゴム糊の事業は、より市場成長が見込めると考えたバイク用・自動車用金属部品や自動車・建築・電子機器用接着剤・シーリング材などの事業にシフトし生産財事業へと発展。創業100周年となる2032年にどんな会社でありたいのかを示すサンスターグループ長期ビジョンを2019年に策定して発表している。
サンスターのサステナビリティ活動について https://www.sunstar.com/jp/sustainability/
サンスターの熱処理廃止鉄製ブレーキディスク、ローダストブレーキパッド
一方、今回の製品提供先の「チームスズキCNチャレンジ」は、スズキが「カーボンニュートラル(CN)など環境負荷低減への挑戦」をテーマに、鈴鹿8耐でのレース完走を目指して様々な課題を克服しながら、環境性能技術向上に繋げていく取り組み。
バイオ由来原料を配合したサステナブル燃料をはじめ、環境性能技術により開発されたタイヤ、オイル、カウル、ブレーキなどの部品を投入した二輪車でレースに参戦している。
そもそもサステナビリティ活動に熱心なサンスターゆえに、スズキからの呼びかけに賛同。昨年よりパートナー企業の1社として、ディスク製造工程での熱処理を廃止するという革新的な技術の導入などにより環境性能と制動性能を両立させたブレーキディスクとブレーキパッドを提供しきた。
今年は、ブレーキパッドの製造を委託している東海カーボンと企業の垣根を超え、両社の知見を活かした共同開発による改良を行った。
昨年の仕様では温度の低い領域ではブレーキの効きが弱いところに課題があったが、新仕様ではパッドの成分処方と製法の見直しにより、温度によって変化する摩擦係数の変化を小さくすることに成功した。
現在、この開発を通して得た知見を量産化につ繋げるための様々な検討を行っている。
サンスターでは、「グループ全体でカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)、サーキュラーエコノミー(資源循環型経済)実現への貢献を目指した環境中長期目標を掲げ、製品開発や事業活動を含む全般で環境負荷低減への取り組みを進めていきます」と話している。
【環境対応レース専用ブレーキディスク/ブレーキパッドについて】
<環境対応レース専用ブレーキディスクの特長>
・ブレーキディスクの熱処理工程を廃止することで製造時のCO2排出量を約50%削減
・摺動部にはディンプル小孔(くぼみ形状)を採用して、パッドクリーニング効果とクラック耐久性の性能両立
<環境対応レース専用ブレーキパッドの特長>
・ディスクの熱処理工程廃止に伴い、専用ブレーキパッドを開発
・ブレーキの効きやコントロール性は従来性能同等を維持しながら、約15%の摩耗量削減(低ダスト化)
サンスターのオートバイ用ブレーキディスクについて
サンスターは、1961年にオートバイ向けディスク部品事業に参入、二輪メーカー各社にOEM部品としてブレーキディスク、スプロケット(歯車部品)を納入しており、トップクラスのシェアを獲得している。
レース専用ブレーキディスクの開発、提供も行っており、世界最高峰の様々な二輪レースのトップチームに採用され、勝利に貢献。1993年からは市販向けのカスタム部品も販売開始、国内外オートバイメーカー12社の対応商品をラインナップしている。
昨今はレース用ブレーキディスク「Type-OMEGA(タイプオメガ)」の設計思想を取り入れた「ワークスエキスパンド」シリーズが二輪レース仕様の製品として人気を集めている。
サンスターの二輪レースサポート:https://www.sunstar-engineering.com/ja/drive/racing
サンスターの市販向けブレーキディスク:https://www.sunstar-kc.jp/product-information/discrotor/