ジェスチャーコントロールと自動運転操作に応える新コンセプトの次世代ステアリングホイールを提案
独ZFことゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(本社:独バーデン・ヴュルテンベルク州フリードリヒスハーフェン、暫定CEO:コンスタンチン・ザウアー、以下、ZF)は12月13日、レベル3以上の自動運転機能をサポートする新たなステアリングホイールを発表した。
今回、発表されたコンセプトモデルを俯瞰的に眺めて見ると、ドライバーと車両間のやり取りを向上させるグラフィックディスプレイによるジェスチャーコントロールや、先進のハンズオンディテクション技術を採用していることが見て取れる。
このコンセプトモデルの開発を手掛けた同社ステアリングホイールシステム/運転席用エアバッグ関連技術担当で、バイスプレジデント職にあるユルゲン・クレブス氏は、「ZFが『ビジョン・ゼロ』という目標を達成するには、車両とドライバー間のインターフェースが極めて重要になります。
実際、新たな自動機能の普及が進むにつれて、ステアリングホイールにそれに応える先進技術を組み込むことは、益々重要になっており、今回手掛けた同モデルには、ドライバーに現在の車両制御モードを知らせつつ、安全運行のさらなる改善を可能にするものとなっています。
例えば、今回ZFが開発製品に込めた目的のひとつにジェスチャーコントロールがあります。
今回開発したシステム設計では、スマートフォンなどのデバイスで一般的に使用されている誰もがイメージし易いジェスチャーを通じて直観的に動作させることを目指しました。
たとえば、カバーを1回タップするとクラクションが鳴り、リムを2回タップするか、タップしてからスワイプすると、温度調節などステアリングホイールリムのセンサーに関連付けられた所定の機能が起動する仕組みです。
またこうしたジェスチャーは、センターディスプレイや付随するグラフィック/ライトディスプレイによって確認することも可能になっています」と語っている。
なおステアリングホイールリムの中央には、7インチのLCDディスプレイが組み込まれていて、ドライバーが今車両を制御中なのか、あるいは自動運転中なのかを示し、さらにステアリングホイールリムにはLEDライトが組み込まれ、青は自動運転モード、白は手動運転モード、赤はドライバーへの警告を示す仕組みだ。
その他にも幅広い機能が、このステアリングホイールに組み込まれていて、リムの外側にある10個の静電容量式センサーは、運転中、ドライバーがステアリングホイールのどこを握っているのかを正確に検知し続けると云う。
これにより、正確なハンズオン/オフ検知が可能になり、ドライバーが制御中であるか自動運転中であるかを的確に素早く判別できる。これはレベル3以上の自動運転には絶対に実現させなければならない重要な機能であるのだとも云う。
ただ一方で、LCDスクリーンをステアリング中央に配置するとと、運転席用エアバッグを従来の場所に配置できないという課題があった。
これについて先のユルゲン・クレブス氏は、「そこで我々和はステアリングホイールの裏からリムを通り抜けてエアバッグを展開させ、ディスプレイ全体を覆うことで、衝突時にドライバーを保護できるようにしました。
このようにZFの先進的なステアリングホイールコンセプトは、自動運転の進化における重要なステップであるとともに、未来の自動車を用いた移動の安全性を高めるものです。
レベル3の自動機能に備えるには、精度の高いフィードバックを用いた、車両/ドライバー間の制御の引き継ぎが極めて重要になります。当社の新しいコンセプトは直観的に、ドライバーに明確なフィードバックを提供できるものと考えています」と結んでいる。