米フォード、北米でタカタ製エアバッグのリコール拡大


米国のフォード・モーター・カンパニー(Ford Motor Company、本社:米ミシガン州ディアボーン、会長:ウィリアム・クレイ・フォード, Jr)は2019年1月4日、北米のタカタエアバッグインフレータに係る車両の安全遵守を目的としたリコール措置を拡大する。

これは予てよりの懸案であり、米国高速道路交通安全局のタカタ協調救済命令に記載されているタカタ製インフレータ搭載車の4度目のリコール拡大に伴うもの。

今回は、全米並びにカナダ地域を対象に、計約95万3000台の車両が追加された。その内訳は、米国領域で約78万2384台、カナダでの約14万9652台となっている。

このリコールの影響を受ける車両は、2008年11月28日から2010年7月12日までの期間、オークビルの組立工場で製造された2010年型フォードエッジと2010年型リンカーンMKX車。

2008年8月14日から2014年6月21日までの期間、ツインシティーズの組立工場で生産されたミッドサイズピックアップの2010年〜2011年型のフォードレンジャー。

2008年7月3日から2012年7月29日までの期間、エルモシージョの組立工場で製造された2010年型〜2012年型のフォードフュージョンとリンカーンMKZ。

2009年6月8日から2011年12月16日までの期間、フラットロックの組立工場で建設された2010〜14年型フォードマスタングなど。

リコール対策は、各地域の販社で車両前席のエアバッグインフレータまたはモジュールを無償交換する。なお不具合箇所に係る事故発生の有無は、現段階でフォード本社で事故報告は受けていない。このリコールに係る参照番号は19S01となっている。

上記リコールに併せて同社は、サイドメンバーとフロントシートバックのA-ブラケットとの間の溶接が不十分な2019年型フォードエコスポーツ(Ford EcoSport、同社のコンパクトSUV)の一部の車両で、車両の安全遵守を目的とした「安全コンプライアンスリコール」も実施する。

これは上記指摘箇所の溶接の不具合でシートバック強度が低下。FMVSS 207/210でシートバック強度の要件を満たしていない可能性があることからの措置だ。具体的には車両衝突や衝撃を受けた時の乗員の怪我のリスク要因が懸念されるため。

但し現段階でフォードは、実際の事故発生に伴う乗員の怪我発生などの事態は確認しておらず、同社の事故発生の報告は受けていないとしている。リコール措置は、販社で対象車両のフロントシートを新しいシートに交換するものとなる。

同リコール措置は、北米および連邦地域で63台、カナダで13台を含む約87台が対象。リコールに係る参照番号は18C08となっている。