米GMの2018年第1四半期業績、純利益11億$・調整後EBIT26億$


米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)は米国時間の4月26日、2017年第3四半期の業績を発表した。

それによると 北米事業の調整後EBIT利益率は8.0%。調整後EBITについてはフルサイズピックアップトラックの生産調整を反映したものとなったが、最新型ピックアップトラックの発売は計画通り。目標の年間利益率10%維持に向けて順調に推移しているとしている。

2018年 第1四半期業績の概要(単位:10億ドル、1株当たりの項目は除く。売上高、純利益、営業活動からのオートモーティブ・キャッシュ・フロー、希薄化後EPSは、継続事業の金額のみ表示)
2018年 第1四半期業績の概要(単位:10億ドル、1株当たりの項目は除く。売上高、純利益、営業活動からのオートモーティブ・キャッシュ・フロー、希薄化後EPSは、継続事業の金額のみ表示)

今期の同業績についてGM会長兼CEOのメアリー・バーラ氏は、「この第1四半期の業績は、我々の計画通りの成果となっています。

新型シボレー シルバラード、GMC シエラへと切り替える関係で、北米における生産調整を行いましたが、これは予定されていたものであり、2018年をより強固な業績を達成する年にするため、経営プランに基づいた事業が着実に推進されています」とコメントしている。

このコメントに裏打ちされるように調整後のオートモーティブ・フリー・キャッシュ・フローは当初予想に沿っているとした。第1四半期のフリー・キャッシュ・フローについては、計画されていたフルサイズピックアップトラックの生産縮小や新型シボレー シルバラード、GMCシエラ、GEMの発売に向けての設備投資などの要因で2017年の第1四半期を下回る結果となっている。

2018年 第1四半期のセグメント別業績(調整後EBIT、単位:10億ドル、継続事業の金額のみ表示)
2018年 第1四半期のセグメント別業績(調整後EBIT、単位:10億ドル、継続事業の金額のみ表示)

また2018年の核となる調整後オートモーティブ・フリー・キャッシュ・フローは2017年の水準に達するものと予測。この背景は調整後EBITが堅調であること。今年後半の季節的なキャッシュ・フロー要因が期待できるためとしている。

生産面では、核となるビジネスパフォーマンスの強化と不採算市場への対処として、2018年5月末の韓国群山工場の生産終了、同工場を閉鎖すると公表した。

なお調整後EBITおよび調整後の希薄化後EPSを特別に考慮した結果、資産価値の減損と退職給付に関連した税引き前費用が9億4,200万ドルとした。この費用には、非現金資産の減損分である4億6,400万ドルが含まれている。

これらを踏まえた米国での販売台数の合計は、第1四半期において715,794台に上り、業界全体の予想伸び率が約2%増であったのに対し4%の伸びを示した。

前年比で、クロスオーバー車の全ブランドトータル販売台数が23%増(シボレー28%増、ビュイック17%増、GMC21%増、キャデラック10%増)となり、シボレー ボルト EV、エクイノックス、トラバース、トラックス、ビュイック エンコア、エンビジョン、GMC テレイン、キャデラック XT5のいずれも第1四半期に過去最高の販売台数を記録している。

さらなる個々の製品の販売・生産動向としては、GMCテレイン、シボレー トラバースとエクイノックス、新型の宝駿510と530を中心に、米国および中国でのGMの最新クロスオーバーモデルの第1四半期の販売台数は、前年比の倍となった。

このクロスオーバーの成功に続き、キャデラックでは新型モデルXT4を3月に発表。SUVラインアップの拡大に乗り出している。既に米国では、XT4のプレオーダーがすでに始まり、今秋からデリバリーが開始となる予定。キャデラックブランドでは今後2021年までの間、平均して半年に1車種のペースでニューモデルを投入する計画だとする。

また今年3月にGMは、GMCとデナリのラインアップを強化するべく、次世代の2019年型GMC シエラ デナリとSLT、そして今年後半に北米で発売予定の新型シエラ AT4 フルサイズピックアップを公開。

新型シエラAT4は、全地形対応4WDシステムを採用したAT4サブブランドを導入しており、同システムは2年以内にGMCの全モデルに搭載される。

中国GMとJVパートナーシップでは、2018年に15種類の新型およびリニューアルの発表を予定中。特に現在好調のSUVやMPV、ラグジュアリーセグメントに注力していく。当地では15種類のモデルのうち、およそ半数はSUVとMPVで、第1弾モデルの宝駿530コンパクトSUVは3月より販売を開始した。

中国事業についてGMエクゼクティブ・バイスプレジデント兼CFOのチャック・スティーブンス氏は、「GMは、過去最高の売り上げとなった中国市場およびGMファイナンシャルの業績を含むすべての事業セグメントにおいて利益を上げています。

第1四半期で過去最高の販売台数を記録し、986,052台を達成。宝駿の第1四半期における約20%の成長は、3月11日の発売以降11,000台の販売を記録した最新のクロスオーバー宝駿530の好調が大きく寄与しています。

オートモーティブ流動性(単位:10億ドル)
オートモーティブ流動性(単位:10億ドル)

こうした第1四半期の業績は計画通りであって、現在も今年1月に発表した通年の業績予想に沿って事業展開できるという自信をもっています」と話している。

さらなる次世代車戦略では、自動運転技術向上のための1年以上にわたるテスト車両の製作の後、GMは量産型クルーズAVをミシガン州オリオン・タウンシップにある工場で生産することを発表。自動運転車用の天井モジュールは、同社のブラウンズタウン工場で組み立てられる。

このクルーズAVに関する生産機能を1箇所に集中させたことで、2019年にも、過密した都市環境での大規模な商業化という計画を大幅に前進させることが可能になったと云う。