ドゥカティ・モーターホールディングS.p.A(本社:伊ボローニャ市、CEO:クラウディオ・ドメリカーリ)は11月16日、ミラノ(イタリア)でのEICMA2015開催に先駆けドゥカティ・ワールドプレミア2016で7つ新ラインナップを発表した。
同社を取り巻く環境は、世界的な経済不況の影響を受け、低迷している欧州マーケットと真逆となる成長を重ねているだけに止まらず、むしろ今年末に向けて、さらなる攻勢を掛けようとしている。
実際、前2015年に設定していた5万台の販売目標を軽々と達成した同社は、EICMA2015で数多くの新製品と、将来を見据えた拡張計画を発表した。
Ducati World Premiere 2016 – English version(57分54秒)
https://www.youtube.com/watch?v=yfEX124Vod8
イベント開催に先立って行われたプレスカンファレンスで、ドゥカティ・モーターホールディング最高経営責任者(CEO)のクラウディオ・ドメリカーリ氏が最新のモーターサイクルを発表し、マーケットの現状およびドゥカティの業績について説明を行っている。
同氏は、「2015年に、ドゥカティは5万台以上のモーターサイクルを販売し、大きな成功を収めました。
それは、ただ単に当初掲げた目標に到達したということだけではく、私たちの製品を通して、お客様に大きな満足を提供することができた成果として達成されました。
革新的な製品を投入し続け、新たな市場への参入を果たすことによって、当社は今年の1月~10月の前年同期と比較して、20%増もの販売台数を記録しました。
この大きな成功には、発表と同時に数多くのファン層を獲得したドゥカティ・スクランブラー・ブランドの成功などが大きく貢献しています。
こうした事を踏まえ、ドゥカティ・ワールドプレミア2016のタイトルは、“More than Red:Black,Wild and Pop”としています。そのタイトルに込められたメッセージは実に明快です。
ドゥカティの製品は、スポーツ・モーターサイクルの世界にしっかりと根付いており、今後もその範囲をさらに拡大して行きます。つまりこの宣言の意味は、今後生み出される我々の製品が、さらに新しいセグメントへと市場範囲を拡張していくという事を意味します。
“Black”は、真のクルーザー・モデルとして登場するXディアベルを表し、“Wild”はあらゆる地形を走破する能力を備えたムルティストラーダ1200エンデューロを、“Pop”は400ccという比較的小さな排気量のエンジンを搭載して、より身近な存在となったスクランブラーSixty2を表しています。
私たちは、EICMA2015で、これを含む合計7つのニューモデルを出展します」と語っている。
そんなドゥカティ・ワールドプレミア2016では、2つの新しいスクランブラー(フラット・トラック・プロ・バージョンと、新型Sixty2)、新しいハイパーモタード・ファミリー(ハイパーモタード939、ハイパーモタード939 SP、ハイパーストラーダ939)、新型パニガーレ959、ムルティストラーダ1200パイクスピーク。そして新型ムルティストラーダ1200エンデューロに加え、ファン待望のXディアベルと9台のモデルラインナップが揃っている。
中でも最も公開が待ち望まれていた車種は、3つの戦略商品の中で筆頭に挙げるべきXディアベルだろう。ドゥカティ・ワールドプレミア2016のテーマタイトルトップにある「Black」とは、このモデルを意味しているからだ。
同車は、ドゥカティが独自のやり方でクルーザー・セグメントに参入できる事を示すと共に、ドゥカティのDNAを受け継ぐ真のクルーザー・モデルに仕上がっている。
Xディアベルと呼ばれるこのモーターサイクルは、クルーザー・ワールド(ロースピード、リラックスできるライディング・ポジション、ロングツーリング)と、ドゥカティ・ワールド(イタリアン・スタイル、洗練されたエンジニアリング)という、2つの異なる世界がひとつに融合されている。
Xディアベルは、典型的なクルーザーの特徴であるリラックスしたライディング・ポジションと、より前方へ移動したフットペグによって実現する「ロースピード・エキサイトメント」と、ドゥカティならではのスポーツ・ライディングの両方を提供していく。
5,000、60、40。この3つの数字は、Xディアベル・コンセプトにとって、重要な意味を持つ。
5,000とは新しい156hpドゥカティ・テスタストレッタDVT 1262エンジンが最大トルク(13.1kgm)を発生するエンジン回転数であり、60は設定可能なライディング・ポジションの数を。最後の40は最大バンク角を示す。またXディアベルは、クルーザー・ワールドのマスト・アイテムであるベルトドライブを採用する初のドゥカティとなった。
対して新型ムルティストラーダ1200エンデューロは、ドゥカティにとって2つ目にあたる新市場の扉を押し開けるべく送り出されたマキシ・エンデューロ・セグメントへの戦略モデルである。
そのため、このマキシ・エンデューロは、過酷なオフロード走行にも対応できることを念頭において開発・製造されている。
フロント19インチ/リア17インチのスポークホイールを採用するムルティストラーダ1200エンデューロは、フロントおよびリアにはザックス製電子制御セミアクティブ・サスペンションを搭載。
30リットルの燃料タンクを装着した同車は、その航続距離も450kmを超える。またコーナリングABS、コーナリング・ライト(DCL)、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、200mmのホイール・トラベルを備えたドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)エボリューション・システムを標準搭載。広範囲な専用アクセサリーも併せて登場している。
2016年モデルを通して、ドゥカティが新たに参入する3つ目の「ニュー・ワールド」は、「Pop」セグメントだ。
ドゥカティ スクランブラーSixty2は、ドゥカティ・ブランドが提供するラインナップの幅を広げるだけでなく、取り回しが容易でランニング・コストが低く、比較的小さな排気量のバイクを求めているものの、スクランブラー独自のエモーショナルで楽しい走りを諦めたくないライダーのニーズに応え、新しいモーターサイクルのセグメントを開拓するモデルとなる。
ドゥカティ スクランブラーSixty2は、スケートボード、ストリート・フード、ポップ・ミュージックといった若者のストリート・カルチャーからインスピレーションを得ており、そのルーツは1962年(初代ドゥカティ スクランブラーが登場した年)にアメリカで大流行したポップ・アートにまで遡ることができる。
ドゥカティ・スクランブラーのデザインを継承するSixty2は、専用のグラフィックとロゴが装着されたスリムなスチール製タンクと3種類の専用カラーによって、すぐに他のスクランブラーと区別することができる。
反骨精神、扱い易さ、そしてバイクの楽しさを表現したSixty2は、ドゥカティ スクランブラーと同様に、伝統とモダンなスタイルを完璧に組み合わせ、2つのホイール、限りない楽しみを提供するシンプルな399ccエンジンにより、モーターサイクルの本質をこれまで以上に追求してく。
併せてドゥカティ・ワールドプレミア2016に於いて、2年に一度開催されるドゥカティの世界的な祭典、ワールド・ドゥカティ・ウィーク(WDW)の日程も発表された。来年のWDWは、2016年7月1日~3日に開催される。
以下は、2016 日本導入モデル「ドゥカティ2016 ラインナップ(11月17日価格改定)」