FIA( Fédération Internationale de l’Automobile / 国際自動車連盟 )とF1
( Formula One World Championship )は3月7日( 米インディアナポリス並びに英シルバーストーン発 )、キャデラックF1チームを、世界最高峰のモータースポーツシーンに参戦させるべく最終承認
し、同チームが、いよいよ来季から、既存のF1参戦10チームに新たに加わるための要件を満たしたことを明らかにした。(坂上 賢治)
これによりキャデラックF1チームは、TWGモータースポーツ( 米TWGグローバルホールディングスLLC
傘下のモータースポーツ部門 )とゼネラルモーターズ( GM )の支援を受け、来たる2026年3月にFIAフォーミュラ・ワン世界選手権のスターティング・グリッドに加わることが遂に決まった。
これに伴い、去る2023年1月にゼネラルモーターズとキャデラックからF1参戦の意思が示されて以降、いよいよアメリカらしさ溢れる新チームが来季のフォーミュラワンレースのグリッド上に誕生する。
そのためにキャデラックF1チーム( チーム代表:グレアム・ロードン氏 )と、F1のシャーシとパワーユニットを製造するための新会社TWG&GMパフォーマンス・パワー・ユニット( CEO:ラス・オブレーンズ氏 )は、インディアナ州インディアナポリス、ノースカロライナ州シャーロット、ミシガン州ウォーレン、イギリスのシルバーストーンの4拠点が連携。各々に課せられた課題に精力的に取り組んでいる。
より具体的には空力、シャーシ、コンポーネント、ソフトウェア、車両ダイナミクスシミュレーションなどに取り組む300人を超える経験豊富なスタッフが、来季のフォーミュラワン参戦に向けて活動。これからはより一層、マシン開発を更に加速化させるべく、個々の部品開発と製造、性能テスト、風洞施設を用いたエアロダイナミズム実証などを順調に進めている。
なお同日に、新生キャデラックF1チームの参戦を最終承認したFIA会長のモハメド・ベン・スレイエム氏は、「FIAフォーミュラワン選手権の新たな時代の瞬間に自らが立ち会えたことを心から誇りに思います。来たる2026年のF1選手権が11チームに拡大することは、それほど画期的な出来事だと言って良いでしょう。
今後、ゼネラルモーターズ並びにキャデラックは、新たな11番目のチームを生み出すべくFIA2026規則に倣い組織とマシンづくりに係る活動を重ねていき、彼らはフォーミュラワンの世界に新たな時代を切り拓く存在になります。
そんなキャデラックF1チームが、来季のF1パドックに登場することは、既存のF1チームにとっても、また今日のF1レースを支えてくれているモータースポーツファンにも大きな刺激を与え、その参加により、世界最高峰のモータースポーツの世界に於いて、これまでの世界観を大きく塗り替えることになると期待を寄せています」と述べた。
またF1のステファノ・ドメニカリ社長兼CEOは、「先の11月にも述べましたが、ゼネラルモーターズが、キャデラックチームを世界最高峰のF1に参戦させる、その意思が、遂に現実のものになるということは、我々のモータースポーツの世界が、より深く、より大きく進展することに繋がります。加えて予てより、フォーミュラワン選手権を更に発展させていきたいとしていた新チームの積極姿勢を示す明らかな証左ともなります。
加えて、これまでのゼネラルモーターズとTWGモータースポーツの精力的な姿勢と、その取り組みには心から感謝しています。また来たる2026年から、我々の世界に加わってくれることに対して、我々F1ワールドチャンピオンシップは、その登場を心から心待ちにしています」と語った。
これを受けてTWGモータースポーツのCEO、ダン・タウリス氏は、「過去数年にわたり、私たちはゼネラルモーターズと協力しF1参戦のための強固な基盤を築いてきました。今日、FIAとF1から最終承認を頂いたことで、我々は、来たる2026年を視野にチームの開発施設の拡張や、最先端技術の改良、そして一流の人材の集結により注力するなど、更なる取り組みを大きく加速させていきます」と話している。
更にGM社長マーク・ロイス氏は、「キャデラックF1チームを正式に承認頂いたことを大変嬉しく思います。FIA並びにF1から我々のチームをグリッドに迎えて下さること。また当社とTWGパートナーに対する細やかなサポートについても心から感謝しています。我々が操業以来、長年に亘って努力を重ね蓄積してきた知識と技術を、フォーミュラワン選手権という名誉ある世界の舞台で披露できる日が近づくにつれ興奮は高まるばかりです」と来たる2026年のF1グリッドを視野にした自社の意欲と自らの可能性に期待を込めた。
加えてキャデラックF1チームのチーム代表のグレアム・ロードン氏は、「世界最高峰のモータースポーツシーンの頂点に挑戦することに最終承認を頂けたことを誇りに思います。今発表は我々のチームがスターティンググリッドに並ぶための長い道程でしたが、ここに至るまで我々は、参戦計画を着実に踏んでいくペース配分や、事前に掲げてきたミッションに対する信念を一度も失うことなく辿り着くことができました。今はパワーユニットの準備と開発は順調に進んでおり、一流の人材採用にも懸命に取り組んでいます。従って来季に於いて、ファンの皆様に新たなチームを見て頂くことを待ちきれない気持ちです」と結んでいる。