スバルオブアメリカ( SOA )は4月16日(米ニュージャージー州カムデン発・日本時間の4月17日)、ニューヨーク国際オートショー(一般公開18~27日)に於いて、2026年型スバル・ソルテラ( Solterra )EV、トレイルシーカー( Trailseeker )、アウトバック( Outback )、アウトバック ウィルダネス( Outback Wilderness )を発表した。
先代ソルテラ比で航続距離が25%以上増加
まず2023年に初公開されたBEVのソルテラは、走行性能、効率性、スタイリング、車内快適性を大幅に改良したと謳っている。
2026年型ソルテラは、シンメトリカルAWD( 全輪駆動 )とスバルEyeSight®運転支援技術を標準装備し、ワイヤレスApple CarPlay®およびAndroid Auto™に対応した新型14インチスバルマルチメディアシステムを搭載した。
シンメトリカルAWDシステムでは、全モデルにX-MODE®デュアルモードシステムを搭載。スノー/ダートモードとディープスノー/マッドモードに加え、グリップコントロールとダウンヒルアシストコントロールも搭載。低路面やオフロードでも安心して走破できる。
併せてサスペンションと電動パワーステアリングも改良し、ハンドリングとレスポンスを向上させた。新しい全輪駆動制御は、前後輪にかかる荷重を予測し、パワー配分とサスペンションを最適化してロールや揺れを低減し、より優れた操縦性とスムーズな乗り心地を実現する。
搭載されるリチウムイオンバッテリーは74.7kWh、推定航続距離は285マイル(約450km)以上となり、従来モデル比で25%以上向上した。
また新たに追加されたバッテリープレコンディショニングシステムにより、寒冷期に充電ステーションを利用した場合にも、ソルテラのバッテリーは最適な充電温度を維持する。
更に充電器が150kW対応であれば35分未満で10%から80%まで充電できる。また標準のNACS充電ポートにより北米全土の15,000台以上のテスラ・スーパーチャージャーで充電できる。
駆動システムは、フロントとリアのモーター出力を独立して統合し、オンロードとオフロードの両方で優れた走行性能を実現。フロントとリアのモーターは改良されたコントローラーによって制御され、ウェットコンディションとドライコンディションの両方に於いて、より柔軟な駆動力配分と駆動力制御を実現させているという。
なお搭載モーターは従来モデルから233馬力へとパワーアップを果たし、より強力なデュアル電動モーター仕様であれば合計338馬力を発揮し、時速0から60マイル(約96km/h)までを5秒未満で駆け抜ける。
最後にエクステリアでフロントには、6つの星が輝くロゴ、再設計されたヘッドランプ、新しいフロントバンパーデザイン、そして新設計の20インチと18インチのホイールを備えた。リア周りでは、新しいリアバッジ、リアゲートガーニッシュ、そしてスポイラーが、夜間の印象的なライティングと空力性能の向上をもたらす。なお2026年型スバル ソルテラの価格と詳細仕様は、今年後半に発売される予定だ。
——————————————————–
トレイルシーカーは、SUBARUで2番目のBEV
同社にとって2番目のBEV、トレイルシーカー( Trailseeker )は、伝統のシンメトリカルAWDシステムなどを引き継ぎつつ、210 ミリメートルの地上高と乗客と荷物のためのスペースを備えたクロスオーバーモデルとなる。
そんなトレイルシーカーは、ソルテラと比較して全長が150mm以上、全高が約25mm高く、後部座席のスペースが広く取られているためラゲッジスペースが大きくなった。また標準装備のルーフレールを高くすることで積載量も向上する。
キャビンには、歴代のスバル車最大の14インチタッチスクリーンが備えられ、ダッシュボードのメタリック仕上げが水平基調を強調、幅広のセンターコンソールはデバイスや身の回りのものを集中的に収納できる設えとなっている。
マルチメディア タッチスクリーンは、ワイヤレスApple CarPlay と Android Auto に対応。2つの15W ワイヤレススマートフォン充電器でデバイスを充電できる他、2つのUSB-C急速充電器により後部座席の乗員もインターネットに接続できる。
また全てのモデルに衝突回避ブレーキ、前方交差交通警報、ブラインドスポットモニター、車線逸脱警報、パノラマビューモニター、緊急停止アシスト、渋滞アシスト、車線変更アシスト、アドバンスドアダプティブクルーズコントロールなどを含む一連の EyeSight運転支援テクノロジーが搭載される。
走行性能面では、前後アクスルに搭載された2つの電動モーターによるシンメトリカルAWD( 全輪駆動 )を標準装備し、約375ネットシステム出力と最大1,500kgの牽引能力を誇る。スバルのデュアルファンクションX-MODE(スノー/ダートモード、ディープスノー/マッドモード)、グリップコントロール、ダウンヒルアシストコントロールなど、トレイルシーカーはオフロードでもオンロードでも冒険を共にするパートナーとして活躍する。
74.7kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載したトレイルシーカーは、1回の充電で約420kmの航続距離を実現する。車載バッテリープレコンディショニングシステムにより、トレイルシーカーは高温時でも低温時でも急速充電に対応している。
なおソルテラと比べ広い荷室と高いルーフを備えたトレイルシーカーは、フラットなフロアと十分な足元スペースを備えた開放的で明るいインテリアと相まって、明るく風通しの良いキャビン空間を演出している。この新型2026年型トレイルシーカーは、2026年に全米の販売店で発売される予定だ。
——————————————————–
大幅に刷新された新型7代目スバルアウトバック
アウトバック( Outback )は、30年前に発売されて以来スバルの主力車種として米国だけで300万台以上が販売され、アウトドア・アドベンチャーモデルの代名詞となっている。
2026年型となるアウトバックは、プレミアム、リミテッド、ツーリング、リミテッド XT、ツーリング XT、ウィルダネスのモデルラインナップで2025年後半に発売される予定だ。
2026年型アウトバックは、実用的で日常使いし易い車であることに拘りつつ、より大胆なエクステリアデザインとなった。そのフロントマスクは、四隅に垂直に配置されたヘッドライトにより、力強くワイドな印象となった。
新設計となったフロントフェイシアは、先代よりも垂直なデザインとなり、ボディ同色のスタイリングエレメントがヘッドライトを縁取り、グリルも大型化することで、より力強い印象を与えている。フロントフェイシア下部にはテクスチャ加工が施され、耐傷性と空力性能も向上させている。
サイドシルエットでは、よりボクシーなシルエットを採用。フラットなルーフラインは、広々とした荷物スペースとゆったりとした室内の乗客スペースを連想させるものとなっている。またルーフフレームは800ポンドの静的荷重容量と220ポンドの動的荷重定格を備えている。
リアライトシグネチャーは、新型アウトバックの高い車高とよりワイドになった車幅を視覚的に表現させたものとなった。加えてリアガラスの傾斜角を急にしたことでラゲッジスペースが拡大。
リアデザインには、スバルのスタークラスターエンブレムに加え、アウトバックのネームプレートがあしらわれている。更にトレーラーヒッチは、取り付け時に簡単に取り外すことができる配慮を施した。
インテリアは落ち着いたクリーンなデザインを採用。新設計のインフォテインメントディスプレイとデジタルインストルメントクラスターは、利便性とアクセシビリティを重視した配置とした。
アッパーダッシュパネルから続くインテリアレイアウトは、統一感と日常的な使い勝手を重視して設計されている。エアコンディショナーには、専用のハードボタンとノブが用意される。
センターコンソールのカップホルダーも使い易く設計され、各ドアのボトルホルダーには32オンスのウォーターボトルが収納できるスペースが確保される。
ダッシュ下には、12.1インチ インフォテインメントディスプレイと12.3インチ フルデジタルインストルメントクラスターが搭載される。新型インフォテインメントタッチスクリーンは、応答性とカスタマイズ性を向上させる最新の先進プロセッサを搭載している。
タッチスクリーン内に設けられた新しい縦型メニューバーでは、ナビゲーション、音楽、電話の操作をすばやく切り替えることができる。また更新された情報バーでは、車両の状態や外気温がすばやく伝えられ、スバルの新しいクラウドベースの音声認識にすばやくアクセスできる。
もちろんワイヤレスのAndroid Auto™およびApple CarPlay®互換性が標準で、所有者はスマートフォンシステムのフルスクリーンと埋め込み画面を切り替えることができる。最新のEyeSight®には、前方を向く3つのカメラと新たに追加されたレーダーセンサーが組み込まれ、より高度なサポート機能を備えている。
その一端としては、スバル車として初めてアドバンスド・アダプティブ・クルーズ・コントロール( ACC )使用中にドライバーが警告に反応しなくなった場合に、セーフレーンセレクション機能付きエマージェンシーストップアシストが作動するというものがある。
これは運転中にドライバーが反応しなくなった場合、システムが必要に応じて車線変更を行い、車両を安全に路肩に寄せ、ハザードランプを点灯し、救急隊員に通報し、ドアロックを解除して救急隊員を待機させるものだ。
また新型アウトバックの一部グレードでは、指定された高速道路で、ドライバーの監視下でハンズフリー走行(最高時速85マイル)が可能で長距離運転時の疲労を軽減に寄与する。
カーブの多い道路では、アドバンスド・アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)に加え、カーブ手前でプレカーブ・スピード・コントロールが車線内で減速し運転操作をサポートする。
EyeSight® の新しい広角モノカメラは、歩行者や自転車をより早く発見するのに役立つ。また新しい標準の触覚フィードバック ステアリング ホイール警告は、情報をより早くドライバーに伝える。
ドライバーのアシスト装備では、最新世代のEyeSight®ドライバーアシストテクノロジーが搭載される。これには前方衝突回避ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、レーンセンタリング、車線逸脱警報(レーンディパーチャーウォーニング)、ふらつき警報(レーンスウェイウォーニング)、緊急停止支援(エマージェンシーストップアシスト)、フロントクロストラフィックブレーキ、アクセルオーバーライドアシスト、振動式ハプティックステアリングホイール、車線逸脱警報(レーンディパーチャーウォーニング)が含まれる。
更に安全レーンセレクション機能付き緊急停止支援、カーブ前スピードコントロール、ハイウェイアクティブレーンチェンジアシスト、ハイウェイオートレジュームアシスト、そして時速85マイル(約130km/h)までのドライバーサポート付きハイウェイハンズフリーアシストもオプションで追加できる。
ユーティリティー面では、先の通りで2インチ高くなったルーフラインにより、アウトバックは34.6立方フィートの荷室容量を実現。これは先代モデルより2立方フィート大きい容量となっている。
荷室の高さも2インチ高く、荷室床幅は競合車よりも43.3インチ(約103cm)に拡大した。柔軟性と耐久性に優れた車内ユーティリティフックは、荷物を固定するためのポイントとして機能し、リフトゲートにも設置することで、ランタンや濡れたギアなど、最大6ポンド(約2.7kg)までの荷物を掛けることができる。
車内は、大型のボトルホルダーに加え、再設計されたフロントカップホルダーが更に使いやすく配置されている。更にカーゴスペースには、リサイクル素材を使用した洗濯可能なトノカバーが備わり、荷物の安全を確保し、汚れた物ときれいな物を分けて保管できる。
動力性能では、改良された2.5リッターSUBARU BOXER®エンジンが搭載され、180馬力、178ポンドフィートのトルクを発生。このエンジンには、8速マニュアルシフトモード付きのLineartronic® CVT(無段変速機)と、スバルシンメトリカルAWDが組み合わされている。
アウトバックXTモデルには、アウトバック ウィルダネス専用として、2.4リッターターボチャージャー付きSUBARU BOXER®エンジンが搭載され、260馬力、277ポンドフィートのトルクを発生。このエンジンには、8速マニュアルシフトモード付きのLineartronic® CVTと、スバルシンメトリカルAWDが組み合わせた。
なおアウトバックの全グレードには、改良されたX-MODE®システムが搭載され、様々なオフロード状況下での走行性能が向上している。X-MODEはステアリングホイールに搭載されたスイッチで切り替えられるようになったため、ドライバーは前方の路面状況から目を離すことなく走行できる。
改良されたスバル・シンメトリカルAWDシステムは、センターデフのロックアップを高速化することでホイールスピンを低減し、ステアリング角データも活用することで、高速走行時のターンインやコーナリング時の安定性を向上させている。
ステアリング機構は、WRXのデュアルピニオン式電動パワーステアリングラックをベースに改良され、よりダイレクトで自然なステアリングフィールと優れたレスポンスを実現。ステアリングラックの可変ギア比は、低速域でのハンドリング性能を向上させると同時に、高速域での優れた安定性も確保するよう調整されている。
最低地上高は、多くのボディオンフレームのフルサイズSUVを上回る全車8.7インチ(約21cm)の最低地上高を誇る。なおアウトバックでは初めて、一部車種に19インチホイールが採用された。新型アウトバック ウィルダネスは、17インチホイールと力強いオールテレーンタイヤを装備している。
——————————————————–
次世代アウトバックを視野にアップグレードさせたウィルダネス
アウトバック・ウィルダネス( Outback Wilderness )は241mmの最低地上高を確保。サスペンションは新型電子制御ダンパーの採用により、荒れた路面での安定性を向上させると同時に、オープンロードでの乗り心地とハンドリング性能も両立させるようチューニングされた。
電子制御ユニットとフロントサスペンションに搭載された加速度センサーが路面状況と車両の状況を検知し、減衰力をリアルタイムで制御。同システムは、揺れを最小限に抑え、より高いレベルの走行安定性を実現させる。この結果、舗装路での快適性を損なうことなく、不整地での安全性を高めた。
アプローチアングルは18度から20度に、ランプブレークオーバーは19.4度から21.2度に、デパーチャーアングルは21.4度から22.5度に拡大。出力面では260馬力と277ポンドフィートのトルクを発生する2.4リッターターボチャージャー付きSUBARU BOXER®エンジンを搭載。
これに8速マニュアルシフトモードとステアリングホイールのパドルシフトコントロールスイッチを備えたリニアトロニック無段変速トランスミッション(CVT)を標準装備。更に安心感を高める「スノー/ダート」および「ディープスノー/マッド」モードを備えた「X-MODE」デュアルモードシステムと組み合わせた。
新型アウトバックと共通の改良型スバル・シンメトリカル・フルタイム4WDシステムは、オフロード走行時のセンターデフロックアップを高速化し、ホイールスピンを低減させる。またステアリング角度データを統合することで、高速道路でのターンインやコーナリング時の安定性を向上させている。
ブリヂストンの全地形対応デューラータイヤは、専用17インチマットブラックホイールに装着され、泥道や砂利道での優れたパフォーマンスを発揮する。またアップグレードされたオプションのトレーラーヒッチと形状変更されたリアバンパーにより、ヒッチの取り付け性が向上し、SUVの3,500ポンド(約1,600kg)の牽引能力を補完する。
スタイリングは、第7世代アウトバックのデザインをベースに、強化された車体下部の保護、丸型LED六角形フォグランプが含まれ、いつでもオフロードアドベンチャーを楽しむことができる。
インテリアは、動物由来素材不使用のシートを採用し、防水性と手入れのし易さを兼ね備えたソフトタッチの全天候型シートを採用した。
ラゲッジスペースは、980リットルの大容量スペースを誇り、その容量を最大限に活用できるよう、ユーティリティフックと100%リサイクル素材を使用した多目的カーゴカバーを新たに標準装備した。
このカーゴカバーは、間仕切り、ギア収納ハンモック、ペットや荷物による傷や汚れを防ぐステップカバーなど、様々な用途で活躍する。価格と詳細な仕様は、2026年初頭の発売が近づいた時点で発表される予定だ。