WRC第2戦スウェーデン、勝田・サルミネン組がWRC2部門で初優勝


先の2月15~18日にかけて北欧スウェーデンで開催されたFIA世界ラリー選手権第2戦「ラリー・スウェーデン」に参戦した勝田貴元/M.サルミネン組が、例年に比べ積雪量の多かった北欧のスノーステージを制してWRC2部門で初優勝を飾った。

初優勝を飾った勝田貴元/M.サルミネン組(フォード・フィエスタR5・35号車)は、初めてのラリー参戦で、初のR5車両という過酷な条件で挑んだ19ステージ中9ステージベストを奪ってWRC2を初制覇した。

レース内容は、スーパースペシャルステージのSS1でこそクラス11番手スタートとなってしまったが、本格的なステージとなるSS2では、いきなりWRC2部門のステージベストを獲得。2日め以降も安定した走りでWRC2部門首位をリード。

例年より積雪量の多かったラリー・スウェーデン。勝田/サルミネン組は慎重かつ攻めの姿勢でステージに挑み、フォード・フィエスタR5をトップでフィニッシュに導いた。

勝田選手のライバルは経験豊富な欧州勢で、2017年WRC2チャンピオンP.ティディマンド(シュコダ・ファビアR5)やK.アッブリング選手(フォード・フィエスタR5)、2017年ラリー北海道でも速さを見せた若手、OC.ヴェイビー選手(シュコダ・ファビアR5)らが追い上げる展開となった。

そうしたなか例年に比べて積雪量の多い環境となったスウェーデンのステージは、ベテランドライバーも手こずる難しいラリー展開に。そんな難しいコンディションの中で、手練の欧州勢を相手に、勝田/サルミネン組はクラストップタイムを連発して堂々と渡り合い、秒差の戦いを展開しながらクラス首位をキープしてみせた。

続くSS9では、約10秒の差を付けられてクラス首位を譲ったものの、SS10、SS11では連続ベストで首位を奪還。SS13、SS14でもベストタイムをマークしてレグ2までを終えた。

「高い集中力を保ちながら攻めの走りで挑む」と語っていた勝田/サルミネン組が挑む最終日は3ステージのみ。

SS17では5番手タイムで後続に9.8秒差にまで詰められたが、SS18ではその差を僅かに広げる激走を見せる。パワーステージとなった最終SS19は出走までに急な降雪があり、勝田/サルミネン組はクラス6番手で無事フィニッシュ。

後続のティディマンドはクラス2番手タイムをマークして最後の追い込みを見せたが、その差を4.5秒という僅差に留めて、勝田/サルミネン組がWRC2部門で初優勝の快挙を成し遂げた。

レーシングドライバー出身ながらラリーでも脅威の成長を見せる勝田貴元選手は北欧の強豪が後続から迫るシビアな状況について、「難しい週末でした。ポンタス(ティディマンド)選手もオーレ・クリスチャン(ヴェイビー)選手も、このラリーの経験が豊富ですごく速いドライバーです。なので、かなりプッシュする必要がありました。

もちろん道の上にも残らないといけないので、我々にとってはとても難しいもので一瞬も気が抜けませんでした。なので、この勝利はアメイジングで期待以上の結果です」と語った。

なおTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムでは、今大会のWRC2部門に新井大輝/G.マクニール組(フォード・フィエスタR5)も36号車としてエントリーしていた。

またコ・ドライバーの足立さかや選手も、J.ニカラ選手とコンビを組んで81号車のフォード・フィエスタR5で参戦。

SS1では新井/マクニール組がクラス7番手、ニカラ/足立組もクラス9番手とまずまずの滑り出しを見せたが、ニカラ/足立組はSS2でコースオフを喫してデイリタイア。

新井/マクニール組はSS3で3番手タイムを計測したものの、SS7で車両トラブルに見舞われて大きくタイムを落とすことになった。

その後、新井/マクニール組は苦しいレースを続けながらも、SS9では3番手、SS10とSS11では勝田/サルミネン組に続く2番手タイムをマーク。

そしてSS12では今大会初のステージベストを奪うなど持ち前の速さを披露した。しかし、SS13ではコースオフによる車両トラブルが発生してさらに大幅なタイムを失い、WRC2部門7位でラリーを終えている。