ボルボ、安全性能を高めた7人乗りモデルのVOLVO XC90を日本市場へ投入


ボルボ・カー・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木村隆之)は1月27日、同ブランドのSUVシリーズラインに於いて最上級モデルにあたる7人乗りモデルのXC90を日本国内市場に投入した。

このXC90は、同社がスウェーデン史上最大級と謳う110億ドル(約1兆3,000億円)の事業改革の投資から、誕生した最初のモデルだと云う。

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上記最初のモデルと謳う理由は、シャシー・プラットフォームに新たなコンセプトを入れたとされる「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を導入していることによる。

この新たな構想を取り入れた理由は、今後の車両電動化や自動運転を見据えたものではあるのだが、一方で、より強固な骨格構造が実現することから、安全面に対して大きな前進が見られることになるだろう。

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なお国際的に見ると、XC90そのものは全くのブランニューモデルという訳ではなく、既に昨年2015年後半以降、海外各地の自動車マーケットで一般発売されており、これによる車両売上が同社の事業収益を押し上げる立役者となっているようだ。

そうした意味で日本国内に於いては、大きく遅れての市場投入となった格好だ。

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エクステリア面での新型XC90の外観上の特徴は、北欧神話に登場するトール神(雷神)がもつハンマーをモチーフにしたとされるT字型のポジションライトの他、ボディ全体が虚飾を廃した、かつてのボルボブランドらしいコンサバティブなボディラインで構成されていること。

アイアンマークを中央に配したフロントグリルは、押し出し感を強めており、ボルボ伝統のDNAを受け継いだキャラクターである事をあえて強く印象付けている。

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一方インテリア環境では、独ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する世界最大のデザインコンペで「ベスト・オブ・ザ・ベスト」プロダクトデザイン賞を受賞したとの事で、ここのところの北欧風デザインを、より洗練させたものとなった。

ステアリングを握っての操作性では、直感的な操作を目指して同社が採用した「SENSUS(センサス)」と呼ぶユーザーアーキテクチャーを採用。

実運転中に必要とされる情報と操作については、インストルメント・パネルにビルトインされた12.3インチディスプレイとヘッドアップ・ディスプレイで、おおよその確認と操作が完了するようセッティングされているようである。

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キャビン中央には、縦型のタッチスクリーン式センターディスプレイが搭載されており、ここではナビゲーションや空調、インフォテイメントなどの走行以外の操作系がまとめられている。

また一部、エアコンの温度調整や、オーディオ系操作などは音声入力で制御が可能となっている。併せて、Apple社のCarPlayにも標準対応するようになり、通話、ショートメールの送受信、メディアの再生やSiriに呼び掛ける等の機能が利用できる。

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ちなみにこのこのXC90で最も注目すべき内容は、先の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」にも関連する安全技術にあるだろう。

そのひとつは、「ランオフロード・プロテクション(道路逸脱事故時保護システム)」というもの。

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これは同社が、ASDM(アクティブ・セーフティ・ドメインマスター)と呼ぶセンサーユニット(ミリ波レーダー/高解像度カメラ一体型センサー)を走行中に常に働かせて、万一車両が道路から逸脱したなどの場合、即座にシートベルト・テンショナーがシートベルトを巻き上げると同時に、シートとシートフレームの間にあるメタル製クッションが乗員にかかる衝撃を吸収することで、結果、乗員の脊椎損傷による重症化を防ぐというもの。

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もうひとつは、同社が「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」と呼んでいるもので、これは搭載カメラやセンサーが車両の走行中に、自車に接近してくる他車との距離や速度を検知し、そのまま進むと衝突すると車両が判断した場合、衝突を回避するため自動ブレーキが作動するというもの。

いずれも今や車両搭載上レガシーとなったセンサー類を活用し、さらなる車両安全を確保する試みで、この2つの機能については現時点では世界に於いて初の搭載機能であると云う。

加えてもうひとつの注目点が、あとひとつ。それは若干値が張るものの日本国内に投入されたボルボとしては、初のプラグインハイブリットモデルとして、このXC90を導入したことにある。

対象車両は、「T8 Twin Engine AWD Inscription」と呼ぶグレードで、Drive-E2.0リッター4気筒のスーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンに、電気モーターを組み合わせたものだ。

各々、化石燃料と電気を使う双方のパワーユニットを組み合わせると、システムトータルで407ps/640Nm(欧州参考値)の出力と、15.3km/L(JC08モード)の燃費性能が実現する。

これだけのパワーでもあり、その分、燃費数値はさほど驚く程の値には達していないが、電気モーターのみでの走行も可能なストロングハイブリッドであるので、35.4kmのゼロエミッション走行も可能である。

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ちなみにハイブリッド外の車両には、最高出力187kW(254ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)、JC08モードで12.8km/Lの低燃費なる2.0リッター4気筒直噴ターボ「T5」エンジン。

さらに最高出力235kW(320ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)の2.0リッター4気筒スーパーチャージャー直噴ターボエンジンの「T6」エンジンが用意されている。なおトランスミッションに関しては、全車共通の電子制御AWDを組み合わせた8速ATが搭載される。

サスペンションは、フロント・ダブルウィッシュボーン、リアはリーフスプリングを用いたインテグラルアームサスペンション。

モデルラインアップは、PHEVの「T8 Twin Engine AWD Inscription」、ガソリンエンジンの「T5 AWD Momentum」「T6 AWD R-DESIGN」「T6 AWD Inscription」の4モデル。
車両価格帯は価格は774万~1009万円。グレード別の具体的な価格設定は以下通りだ。

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【新型XC90ラインアップ車両価格】
– モデル名:T5 AWD Momentum
エンジン:直列4気筒 2.0リッター直噴ガソリンターボ
トランスミッション:8速AT 4WD
車両価格:7,740,000円

– モデル名:T6 AWD R-DESIGN
エンジン:直列4気筒 2.0リッター直噴ガソリンターボ (スーパーチャージャー付)
トランスミッション:8速AT 4WD
車両価格:8,790,000円

– モデル名:T6 AWD Inscription
エンジン:直列4気筒 2.0リッター直噴ガソリンターボ (スーパーチャージャー付)
トランスミッション:8速AT 4WD
車両価格:9,090,000円

– モデル名:T8 Twin Engine AWD Inscription
エンジン:直列4気筒 2.0リッター直噴ガソリンターボ (スーパーチャージャー付)+電気モーター
トランスミッション:8速AT 4WD
車両価格:10,090,000円