UACJと産総研、アルミニウム先端技術連携研究ラボ設立


アルミニウムの先端技術開発の拠点構築を目指し、UACJと産総研が連携

株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡田満)と、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(所在地<東京本部>:東京都千代田区、理事長:中鉢 良治)は平成30年6月1日、産総研の材料・化学領域内に連携研究ラボ「UACJ-産総研アルミニウム先端技術連携研究ラボ」を設立した。

このラボの設立により、産総研の幅広い技術シーズとUACJの戦略が結合することで、環境負荷低減が最重要課題となる時代のアルミニウム先端技術開発とアルミニウム産業発展に貢献していく。

このUACJ-産総研アルミニウム先端技術連携研究ラボ設立の背景は、高い熱伝導率(物質内における熱の伝わりやすさを表す物性値。熱伝導率の値が大きいほど熱が伝わりやすく、アルミニウムは金属の中では銀・銅・金に次ぐ4番目に高い値を有している)や、比強度(物質の強さを表す指標の一つ。物質の強度をその物質の密度で割った値。鉄に比べ約1/3の密度であるアルミニウムは、潜在的に優れた比強度を有している)、低い電気抵抗、酸素バリア特性(酸素バリア性能は、材料中を透過する酸素の量で表される”酸素透過速度”<24時間に1m2を透過する酸素の量>で表され、酸素透過速度が小さい=酸素透過量が少ない=酸素バリア性が良好となる)や、リサイクル特性など多くの工業的に優れた特性を有し、幅広い産業分野での展開でアルミニウムに期待が集まっていることにある。

特に近年では、環境負荷低減のため、輸送機器の軽量化を目的にした材料として世界的に注目され、自動車での利用が拡大している。

そこで産総研の多様で高度な技術シーズとUACJの研究開発ポテンシャルを結合させることで、アルミニウム先端技術開発を推進するだけでなく、既存の技術課題に対する新たなアプローチや新規技術探索を通してアルミニウム産業の発展に貢献することを目指すため連携研究ラボが設立された。

ちなみに連携研究ラボは、企業のニーズにより特化した研究開発を実施するため、その企業を「パートナー企業」と呼び、パートナー企業名を冠した連携研究ラボ(冠ラボ)を産総研内に設置しているもの。

パートナー企業は研究者・研究資金などを、産総研は研究者・研究設備・知的財産などの研究資源を提供し、パートナー企業からの出向研究者と産総研からの研究者が共同で研究開発に取り組んでいる。

1.名称: UACJ-産総研 アルミニウム先端技術連携研究ラボ
2.場所: 産総研 中部センター(名古屋市)
3.研究リーダー: 連携研究ラボ長 尾村 直紀(産総研 構造材料研究部門)