豊田通商、インド・国営企業とレアアース原料売買契約締結


インドで レアアース酸化物生産、日本、欧米諸国向け出荷へ

豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、代表取締役社長:加留部 淳、以下、豊田通商)と、インドにある100%子会社で、レアアース生産会社のToyotsu Rare Earth India 社(以下、TREI)は、インド原子力庁100%子会社のIndian Rare Earth 社(以下、IRE)と、現地時間(デリー)12月9日にレアアースの生産原料となる混合塩化希土調達について、三者間による2年間の供給契約を締結した。

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Toyotsu Rare Earths India Private Limited

TREIは、中国産レアアースへの依存過多を低減し、品質の良いレアアースの精製・供給を目的に2009年に設立された。

2010年のレアアース開発および再利用などに関する日印政府間共同声明、2012年の両国政府間MOUが締結されて以降、レアアース生産に必要なモナザイトの原料供給元であるIRE、インド政府と原料供給交渉を続けてきた。

本契約締結により、2016年1月から原料供給が開始される。IREは、漂砂鉱床からモナザイト鉱石を選鉱し、原子燃料の原料(ウラン、トリウム)を製造。

TREIは、それらが取り出された後の副産物である混合塩化希土を購入の上、レアアース分離・精製事業を行います。年間取扱量は最大で 4,000tのレアアース酸化物を予定している。

生産されるレアアースは、ネオジム、セリウム、ランタン、プラセオジウムの4種類で、2016年2月より生産を開始し、日本および欧米諸国向けに出荷予定。

現在、確立されているレアアースを使わない代替技術の多くはディスプロシウムなどの中重希土類に集中しており、主要磁石原料であるネオジムなどは、今後さらなる市場成長が期待されている。

豊田通商は、次世代自動車をはじめとした先端産業分野に欠かせない原材料であるレアアースの安定供給体制を構築し、今後の環境エネルギー分野でさらなる需要が予測される磁性材料分野でのサプライチェーンの構築を目指す構えだ。

<TREIが精製するレアアース>
名称/主な用途
・ネオジム/モーター用磁石
・セリウム/自動車用触媒、顔料
・ランタン/石油精製触媒、光学レンズ
・プラセオジム/顔料

≪TREI  会社概要≫
会社名:Toyotsu Rare Earths India Private Limited
本社所在地:APSEZ, Visakhapatnam, Andhra Pradesh, India
設立:2009年10月
資本金:3,103百万ルピー
代表者:近藤 秀樹
事業内容:レアアース酸化物製造販売

≪IREL  会社概要≫
会社名:Indian Rare Earths Limited (国営)
本社所在地:Plot No.1207, Opposite Siddhi Vinayak Temple, Veer Savarkar Marg Prabhadevi, Mumbai 400028, India
設立:1950年8月
資本金:863百万ルピー
代表者:D. Singh
事業内容:モナザイト鉱石から燃料(ウラン・ トリウム)の抽出・製造