豊田通商、台湾の燃料電池発電システム開発・製造会社と販売契約を締結


豊田通商株式会社(本社:名古屋市、社長:加留部 淳、以下:豊田通商)は、ガス絶縁開閉装置(GIS)や発電機などを手掛ける中興電工機械股彬有限公司(本社:台湾・桃園市、董事長:江義福、以下:中興電工)と、日本市場でのメタノール改質型燃料電池の販売契約を6月2日に締結した。

1. 燃料電池のメリット
燃料電池は燃料(メタノール)の持つエネルギーを、熱や運動エネルギーに変換することなく、直接電気エネルギーに変換するため、その高い発電効率が特徴であると云う。

また、水素と酸素の化学反応を利用して発電を行うため、発電時に二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質の排出量が少なく、環境にやさしいエネルギーシステムでもある。

他にもエンジンやタービンがないため、騒音や振動が目立たないことや、消耗する部品が少ないため、メンテナンスする頻度が少ないといったメリットもある。

上記を踏まえ、今回のメタノール改質型燃料電池は、メタノールから水素を取り出し発電する。

そのため、水素と比べ燃料供給、保管が容易であり、すぐに導入することが可能。また中興電工のシステム技術により、「省スペース化」、メタノール使用燃料電池として「高出力化」に成功している。

2. 豊田通商の役割と今後の取り組み
豊田通商は、燃料電池発電システムの開発・製造に強みを持つ、中興電工の定置式燃料電池の販売・設置・メンテナンス・燃料供給を行う。

携帯電話基地局、浄水場、鉄道駅舎向けには、中興電工と豊田通商の間で専売契約を締結。これらの分野に注力すると同時に、当該燃料電池の新たな使用用途開拓を担っていく構え。

<中興電工製 燃料電池の特長>
(2−1)メタノールタンク、改質機(中興電工製)、燃料電池(BALLARD社製)を中興電工がシステムで一体化。ワンパッケージでの提供を可能に。
(2−2)出力5kW(1機)の定置式メタノール改質型燃料電池。
(~10kW)…携帯基地局のバックアップ用電源として求められる電力出力基準。

3. 豊田通商の燃料電池事業への取り組み
豊田通商は2015年にドイツの直接メタノール式燃料電池の開発・製造メーカーであるSFC Energy AG (エスエフシーエナジー社)、2016年に直接水素型燃料電池の開発・製造メーカーであるBallard Power Systems Inc. (バラードパワーシステムズ社)と日本国内における販売契約を締結している。

今後は、豊田通商が保有する多様な燃料電池のラインナップを生かし、今後も定置用燃料電池販売を行うとともに、運輸分野(商用車や鉄道、船舶など)における燃料電池の新たな活用に向けた開発・販売を推進していく。

<豊田通商が取扱う燃料電池群>