トヨタ・モビリティ基金とチュラロンコン大学、バンコクで交通改善会議を開催


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一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、所在地:東京都文京区、理事長:豊田章男、以下、TMFまたは基金)は11月23日、バンコク市に於ける交通渋滞解消プロジェクトに関するリーダーシップフォーラムを、プロジェクトの助成先であるチュラロンコン大学(タイ・バンコク市)と共催した。

バンコク市の急激な経済成長と人口増は、交通の集中を引き起こしており、特に学校、企業、商業施設が数多く存在し、交通機関の結節点となっているサトン地区の渋滞は深刻である。

同事業では、交通流および需要の管理に加え、多様な交通手段を提供することで、深刻化するバンコク市の交通渋滞問題を緩和し、円滑で効率的な人の移動の実現をはかることを目的としている。

今回チュラロンコン大学で開催されたイベントには、同大学 ピロム学長、佐渡島 駐タイ日本国大使の他、基金の早川事務局長、トヨタモータータイランドの棚田社長らが出席。

バンコク市の交通事情改善にむけた官民学一体となった取り組みの重要性や、シャトルバスやパーク&ライドシステムの利用促進に関するパネルディスカッションが行われた。

また、このイベントに先駆けて開催されたビジネスラウンドテーブルの内容に基づき、「企業がバンコクの渋滞緩和のためにどのように貢献できるか?」との観点で提案された行動計画に対して、参加者から参画の意向が表明された。

基金の早川事務局長は、「トヨタ・モビリティ基金は、人々の移動や成長に貢献するモビリティ社会の創出を目指しており、トヨタのノウハウや事業関係者の知見を活かすことで、バンコク市における交通渋滞の解消を目指していく」と語った。

同事業は、バンコク都庁、交通省及びタイ王宮警察警視庁との協力の下、WBCSDが2014年度に実施した「サスティナブル・モビリティ 2.0 バンコク・プロジェクト(サトン・モデル)」事業の拡大プロジェクトであり、1年9か月(2015年4月-2016年12月)の期間で実施されている。

事業総額は、約1.1億バーツ(約4億円)であり、以下の6つのアプローチにより交通渋滞の緩和を目指す。

(1)シャトルバスの運行。
(2)パーク&ライドのシステムの構築。
(3)交通情報提供のためのベネフィットシミュレーターの開発と運用。
(4)交通流ボトルネックを特定と対策。
(5)信号機運用の最適化。
(6)フレックスタイム制の導入。

最終的には、サトン地区をモデルとし、バンコク市全体の交通コントロールにむけて、官民学および一般市民を包括した形の「ロードマップ」を作成し、タイ政府への提言を行う予定としている。

なお同基金は2014年8月にトヨタがモビリティ分野における知見と、パートナーの英知を掛け合わせ、全ての人々を対象に自由なモビリティを実現させることを目的として設立された。

加えて同事業は、基金初の事業として、本年4月、チュラロンコン大学を助成先として、バンコク市における渋滞解消プロジェクトとして立ち上げたものである。

バンコク(タイ)における渋滞解消プロジェクト概要
期間:2015年4月~2016年12月
助成先:チュラロンコン大学
助成額:約1.1億タイバーツ(日本円で約4億円)

事業目的:
交通流および需要の管理に加え、多様な交通手段を提供することで、深刻化するバンコクの交通渋滞問題を緩和し、円滑で効率的な人の移動の実現をはかる。

交通流が集中しているサトン地区をモデルとし、バンコク全体の交通コントロールにむけて、官民学および一般市民を包括した形の「ロードマップ」を作成する。

タイ政府への提言を通じて、将来的にサトンモデルの横展開を狙う。

実施内容:
交通需要コントロールに向けた持続可能なシャトルバスの運行
パーク&ライドプログラムスキームの開発と運用。

人々の行動様式に変化を促すため、交通手段多様化によるメリットを視える化する情報システム(モバイル・アプリケーション)の開発。

交通シミュレーションによる交通流ボトルネックの特定と対策の評価。信号オペレーションの向上支援。フレックスタイム制の導入。