トヨタ自動車、ビッグデータ分析のALBERTに出資


自動運転開発のデータ分析分野で連携し、技術開発領域でのリードを稼ぐ構え

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男)と株式会社ALBERT(アルベルト、本社:東京都新宿区、社長:松本壮志)は5月15日、自動運転技術の先行開発を目指してビッグデータ分析で業務提携した。

具体的にはトヨタがALBERTに約4億円を出資することで合意。これによりトヨタは2018年5月30日付で、ALBERTが第三者割当増資により発行する株式を引き受ける。

予てよりトヨタは自動運転技術開発を促進するために、2016年1月に「Toyota Research Institute Inc.(TRI、先端研究)」を米国に設立。さらに2018年3月には新会社「Toyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD、先行開発)」を東京に設立するなど、100年の1度の変革期であることを危機感に据えて、精力的な体制整備と、AIに関わる技術開発を進めてきた。

一方ALBERTは、ビッグデータ分析領域におけるデータサイエンティスト集団として、企業に最適なソリューションの提供を2005年から続けており、近年では自動運転技術開発における画像解析分野でも積極的な展開を進めている。

写真は、トヨタの先進技術開発カンパニーで自動運転開発を担当する鯉渕健常務理事と、ALBERTの松本壮志社長。
写真は、トヨタの先進技術開発カンパニーで自動運転開発を担当する鯉渕健常務理事と、ALBERTの松本壮志社長。

この両社が今回提携することにより、トヨタ側はAI技術開発における、データ分析プロセス等を強化することが可能となることから、トヨタとしては自動運転技術開発の加速が実現できると考えている。

実際、トヨタの先進技術開発カンパニーで自動運転開発を担当する鯉渕健常務理事は、「『安全で、スムーズな移動を、全ての方に』というビジョン達成には、AI技術が必須であると考えています。そしてAI技術の性能を引き出すには、大量のデータをうまく扱うことが必要です。

今回の連携がトヨタの自動運転技術開発を加速させることを期待しています。」と話している。

対してALBERTの松本壮志社長は、「自動運転技術開発をはじめとする技術革新が社会に実装され、新たな価値創造がなされるためには、AIおよび機械学習技術を中心とする高度な分析力並びにその実現性を追求するデータサイエンティストが必要不可欠です。

今後も当社は、分析の高度化を目的とした、優秀なデータサイエンティスト集団の強化等を通じて『社会に求められる安全な技術革新』を支援してまいります」と述べていた。

株式会社ALBERTの概要
所在地 :東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル15階
代表者 :代表取締役社長 松本 壮志
設立年月日 :2005年7月1日
資本金 :883,544,775円
主な事業内容 :
– データソリューション事業
– ビッグデータ分析
– 分析アルゴリズム開発とシステム導入
– 人工知能(AI)の活用支援
– 機械学習を用いた独自プロダクト(サービス)の提供
– データサイエンティストの育成支援
社員数 :約100名